2018.01.19 ON AIR

レコードでブルーズ名盤を聴く
Driftin’ Blues/Charles Brown(Score SLP-4011)

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ON AIR LIST
1.Driftin’ Blues/Charles Brown
2.Seven Kisses Mambo/Charles Brown
3.My Heart Is Mended/Charles Brown
4.Honey Sipper/Charles Brown
5.Evening Shadows/Charles Brown

 

 

 

 

今日は1957年にScore recordsからリリースされたチャールズ・ブラウンのデビュー・アルバムであり、ブルーズの名盤の一枚。
1946年に大ヒットとなったアルバム・タイトル曲”Driftin’ Blues” などのシングル盤を寄せ集めたアルバムなのでアルバム出すのに10年くらい経っている。
ピアノと歌がチャールズ・ブラウン、ギターが名人ジョニー・ムーア、ベースエディ・ウィリアムス、ドラマーのクレジットはない。まずはジョニー・ムーアのギターも素晴らしい、いまも歌い継がれているブルーズの名曲中の名曲を。
1.Driftin’ Blues/Charles Brown
何しろオリジナル・レコードですから、ノイズも入ってます。なんせ1957年ですから。
聴いてもらってわかるようにピアノのテクニックも素晴らしいんですが、特徴はレイドバックしたヴォーカルで、シャウトしたりモーンしたりとかパワフルに押して行く歌ではなく、ゆったりしている。当時すごい人気だったナット・キング・コールを意識した歌で、ナット・キング・コールは白人層も巻き込んだ人気のシンガーだったのでこの時代の多くのシンガーが影響を受けた。そのソフィスティケイトされたスタイルにチャールズ・ブラウンも惹かれたと思う。

2.Seven Kisses Mambo/Charles Brown
キングコールもいまのようなラテンのリズムを使ったものがたくさんありました。
ナットキング・コールの影響をチャールズ・ブラウンが受けて、その後チャールズ・ブラウンの影響をレイ・チャールズが受けるんですが、そういう流れも辿っていくと楽しいです。

テキサスで生まれたチャールズ・ブラウンは1943年にロスに引っ越してきた。その翌年にピアニストを探していたギタリストのジョニー・ムーアのブレイザーズというグループに加入。
1940年代の大都会ロスアンゼルスなんかでは泥臭いブルーズより洗練されたサウンドのものが好まれていた。T.ボーン・ウォーカーなどもそうですが、ちょっとジャズ・テイストがあったり甘いバラード系統の歌があったり・・・。演奏する場所が都会のナイトクラブですからおしゃれなものが好まれたんでしょう。
でも、歌われている歌詞は最初のドリフティン・ブルーズのように「オレは海に出た船のようにさまよっている」というような、都会に定着できない不安を歌ったブルーズでした。

3.My Heart Is Mended/Charles Brown
1948年頃にチャールズ・ブラウンはソロになりビルボードのチャートトップ10に入る曲を連発します。”Get Yourself Another Fool,” “Trouble Blues” and “Black Night,” and “Hard Times.”

今回、アナログ、レコードで聴いてもらっているのはこのレコードの音がすごくいいので聴いてもらっているのですが、ラジオでON AIRするとどうなのかな・・・と思ったのですが、家でこの放送を聴いたときにやっぱりCDとは違うリアルな感じがしましたが、どうでしょうか。
次の曲はチャールズ・ブラウンとほぼ同時期にウエストコーストで活躍していたジョー・リギンスが1945年に大ヒットさせた「ハニー・ドリッパーズ」という曲に影響されたものだと思います。タイトルのハニー・シッパーのシッパーとはちびちび酒を飲むひとのことです。僕もちびちび派です。
4.Honey Sipper/Charles Brown

40年代のロスアンゼルスのナイトクラブでカクテル飲んでいるような気分になれましたでしょうか。僕もアメリカに行った時、有名なジャズクラブではなくて小ぢんまりした近所の人たちがくるジャズ・クラブによく行きましたが、すごくムードがいいんですよね。おしゃれなんですが、フレンドリーでリラックスしている。そういうクラブで飲みたいなぁ。
5.Evening Shadows/Charles Brown
サックスの音色もいいです。
今日はチャールズ・ブラウンの名作Driftin’ Bluesをオリジナル・レコードで聴きました。
レコードと言えば、ブルーズ・ザ・ブッチャーのRockin’ And Rollin’がP-Vine Recordsからレコードでリリースされます。曲もCDとは少し変えています。2/14発売です。限定枚数ですのでお早めに予約してください。

2018.01.12 ON AIR

レコードでブルーズ名盤を聴く
1990年ブルーズの名盤ジミー・ロジャース「ルデラ」

Ludella/Jimmy Rogers (Antone’s 12/BEDROCK RECORDS BEDLP13)

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ON AIR LIST
1.You’re Sweet/Jimmy Rogers
2.Rock This House/Jimmy Rogers
3.Ludella/Jimmy Rogers
4.Chicago Bound/Jimmy Rogers
5.Got My Mojo Workin’/Jimmy Rogers

 

 

 

 

シカゴ・エレクトリック・ブルーズの全盛期というのは、40年代中頃から50年代中頃だと言われている。今日聴いてもらうジミー・ロジャースも代表作と言われるのは、チェス・レコードで1950年代に録音したシングルを集めた「シカゴ・バウンド」となっている。確かに「シカゴ・バウンド」は名盤と呼ばれのにふさわしい一枚だ。
しかし、今回聞いてもらう1990年リリースの「ルデラ」というアルバムも素晴らしい一枚。シカゴ・ブルーズ全盛と呼ばれてから40年経ち、しかもシカゴではなくテキサスのアントンズ・レコードからリリースされたのが今回のアルバム
ドラムはスタジオ録音がハウンドドッグ・テイラーのバンドに在籍したテッド・ハーヴィ。そして、ライヴ録音はマディ・ウォーターズのバンドにいたウィリー・スミス、ピアノがパイントップ・パーキンス、ハーモニカがファビラス・サンダーバードのキム・ウィルソン、プロデューサーもキム。このあたりのメンバーを見ただけで期待感が高まる。ライヴの方にはギターのヒューバート・サムリンも参加。

まず一曲 今日もLPレコードなのでA面の1曲目です「君は素敵だ、ベイビーとっても素敵だ。通りを歩いている中で君がいちばん素敵だ。膝までのミニスカートにポンチョのケープを着ている君が素敵だ」
1.You’re Sweet/Jimmy Rogers

ガッガ、ガッガ、ガッガ・・というシャッフルのリズムがとにかく気持ちいいです。シカゴでカツ行くしたが、ジミー・ロジャーズの歌声は南部のダウンホーム・テイストを失ってない。キム・ウィルソンのハーモニカはパワーがあってバンドに力を与えているし、パイントップの落ち着いたピアノはもう国宝ものだ。

ライヴ・バージョンもいかにこのレコーディング・セッションがよかったかを示しているのが次のテイクです。非常に濃厚なブルーズの音の塊がグルーヴしている。
2.Rock This House/Jimmy Rogers

全盛と言われた40、50年代のシカゴ・ブルーズと今回聴いている90年のブルーズは違っていて当たり前。録音している場所も録音している機材もエンジニアも違うし、参加ミュージシャンも違うし・・ハーモニカのキムなんかはシカゴ・ブルーズに憧れた若手ですから。そしてジミー・ロジャースの歌う気持ちも昔とは違うし、時代の空気も違うし、だから一概に過去の録音と同じ土俵で比べるのはおかしいと思う。

次はアルバム・タイトル曲「ルデラ」女性の名前で「ルデラ、オマエの家の家賃も払ってやったし、なんでもオマエのためにしてやったん。でも、オマエなんか浮気してるやろ。ルデラ、オレの言うてることが聴こえるか、オマエになんでもしてやったけど、もうオマエとはやってられんわ」I Can’t Get Along With Youと歌っている。
3.Ludella/Jimmy Rogers
ルデラ、ルデラと歌う時のジミー・ロジャーズのもっちゃりした声がいいですね。B.B.キングのようなゴスペルからきた歌い方と違う南部ミシシッピーの土着を感じさせる彼の歌声がもうこのアルバムのど真ん中にあって、その周りを他の優れたミュージシャンが囲んでサポートしている素晴らしいセッションだ。

次はジミー・ロジャースを代表する曲で50年代の彼の名盤のアルバム・タイトルでもあった「シカゴ・バウンド」
「1934年にオレは彼女が行かないでというのを振切ってジョージアを出て、メンフィスへいったそこにも愛した女はおったけど、メンフィスを出てセントルイスへ行った。そんでセントルイスからシカゴへきた。シカゴがいいよ。最高の町や」
4.Chicago Bound/Jimmy Rogers

最後はかってバックを勤め、録音もたくさんしたマディ・ウォーターズの定番曲だったMojo Workin
このアルバムのブロデュースはハーモニカのキム・ウィルソンですが、キムは白人のブルーズバンド「ファビュラス・サンダーバード」のメンバーです。かってマディがあの天才と呼ばれたハーモニカのリトル・ウォルターにいちばん近いのは、キム・ウィルソンと言ったことがあるほどのハーモニカ・プレイヤー。このアルバムではちょっと音が大きい、出過ぎな感じもあるが、憧れのジミー・ロジャースと一緒というのでテンション高かったのでは・・。そのキムのテンションがこのアルバムの演奏をひっぱっているように思う。

5.Got My Mojo Workin’/Jimmy Rogers

今日は黄金期のシカゴ・ブルーズの立役者のひとり、ジミー・ロジャースの1990年のアルバム「ルデラ」でした。
彼は50年代はシカゴの売れっ子ミュージシャンでしたが、60年代は引退して服の店をやってたみたいで約10年間のブランクのあと72年にフレディ・キングの後押しもあって、レオン・ラッセルのシェルター・レコードからのアルバムで復帰してる。97年に残念ながら亡くなった。
ジミー・ロジャーズのこのアルバム「ルデラ」は買い!

2018.01.05 ON AIR

「あけましておめでとうございます!」
LPレコードでブルーズ名盤を聴く
John Lee Hooker Sings Blues/John Lee Hooker(KING 727)
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ON AIR LIST
1.I’m Gonna Kill That Woman
2.Slim’s Stomp/John Lee Hooker
3.Late Last Night/John Lee Hooker
4.Devil’s Jump/John Lee Hooker
5.Wandering Blues/John Lee Hooker

 

 

 

 

ブルーズのアルバムには名盤と言われているアルバムがあります。例えば、B.B.キングの”Live At Regal”とかライトニン・ホプキンスの”Mojo Hand”とかT.ボーン・ウォーカーの「モダン・ブルーズギターの父」とかマジック・サムの”West Side Soul”とか・・。
今日はそういうブルーズの名盤と呼ばれている中の一枚、ジョン・リー・フッカーの”John Lee Hooker Sings Blues”をレコードで聴きます。
アメリカのキング・レコードが1961年にリリース。
僕がブルーズに興味を持ち始めた1970年頃にはすでにこのアルバムは貴重な名盤として手に入らないものでした。もちろん日本盤ではリリースされていなくて、たまに輸入盤を見かけることがあってもレアなものだけに値段が高くて手が出せませんでした。ブルーズ好きの間では原盤のレコード番号が727なのでキング727とかただ727呼ばれてました。飛行機のポーイング727みたいですが。
まずは一曲聴いてみましょう、これぞブルーズという曲です。
1.I’m Gonna Kill That Woman
こういう恨みに満ちた歌ってあまりないです。
録音の音の感じがギラギラしていてある意味パンクな感じです。
ジョン・リーの声がディープですから迫力あります。

ジョン・リー・フッカーのレパートリーは大雑把に言うとドロっとしたいまのようなスローミディアム・テンポのブルーズともうひとつはアップのブギです。
1949年のデビュー・ヒットが「ブギ・チレン」という曲で、これが当時のR&Bチャートの1位になって、それからいわゆるジョン・リー独特のギター・ブギが彼のドレード・マークになって、それは後のジュニア・パーカー、マジック・サムへも引き継がれて、ジョン・リーのブギはブルーズの中のひとつのジャンルのようになりました。
では、ジョン・リーのブギのインスト曲です。これがまたかっこいい。ロックであり、パンクであり・・・つまりブルーズという音楽がロックを生んだことがわかる曲です。
2.Slim’s Stomp/John Lee Hooker
めちゃくちゃリズムいいです。ジョン・リーのギターリストだけで踊れます。

昔はブルーズのアルバム・ガイド・ブックもなくて、ジョン・リーはもういろんなレコード会社にたくさん録音をしているのでどれを買ったらいいかわからなくて困ったもんです。それで知らず知らずの間にかなりの枚数のジョン・リーのアルバムが僕のレコード棚にあります。
今日聴いているのは”John Lee Hooker Sings Blues”ですが、もう一枚よく似たタイトルで”John Lee Hooker Sings The Blues”という紛らわしいのがあります。それもまたいいんですよ。しかも、今日のこのアルバム、A面とB面のそれぞれの最後のジョン・リーではないアール・フッカー、ジョン・リーのいとこですが、彼の曲がどういうわけか二曲ずつ入ってます・・・もう意味わかりませんが、まあ昔のアメリカの黒人音楽のレコード会社は大雑把というかええ加減というか。
でも、今日聴いているこのジョン・リーの名盤なんですよ。
次はあとからドラムがダビングされてますが、そういうことも当時のレコード会社は平気でやるんですよね。たぶん。ジョン・リー本人は知らないと思います。
3.Late Last Night/John Lee Hooker

ジョン・リーが足でリズムを刻む音が録音に入ってますが、これがまたかっこいいんですよ。わざと足音を録音してグルーヴ感を出すという素晴らしいアイデアです。曲名が「悪魔のジャンプ」ですが、ジョン・リーのリズムが悪魔みたいです。かっこよすぎる曲です。
4.Devil’s Jump/John Lee Hooker
ウエストコーストのピアノ・ブルーズマン、チャールズ・ブラウンの大ヒット”Driftin’Blues”の歌詞をちょっと変えただけのパクリものですが、そこはさすがジョン・リー、完全に自分のスタイルにして
Drftin’をWanderingにしただけですが、まあ両方とも「さまよう、放浪する」と意味は同じようなものですが。
5.Wandering Blues/John Lee Hooker

今日聞いたこのアルバムJohn Lee Hooker Sings Blues/John Lee Hooker(KING 727)これは見つけたら絶対買いです。