2017.12.22 ON AIR

クリスマスにゴスペルを

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ON AIR LIST
1.Touch The Hem Of His Garment/Sam Cooke
2.What A Friend We Have In Jesus/Al Green
3.Precious Lord,Lord Hold My Hand/Sister Rosetta Tharpe
4.It’s Nobody’s Fault But Mine/Blind Willie Johnson
5.Amazing Grace/Cissy Houston

毎年クリスマスが近づくとブルーズやリズム&ブルーズのクリスマス・ソングをON AIRしているんですが、今日はゴスペルを聴きます。僕はアメリカで一度だけクリスマスの季節を過ごしたことがあるのですが、黒人のラジオステーションからは毎日クリスマスソングと一緒にゴスペルがよく流れていました。
当たり前ですがクリスマスはイエス・キリストの降誕、つまりキリストの誕生をお祝いするキリスト教の最大の催しです。日本ではプレゼント交換して、ごちそう食べて酒飲んでケーキ食べてパーティするみたいなイベント・デーになってしまいましたが、本来は宗教的な意味合いのあることです。

ゴスペル・ミュージックはブルーズと同じように黒人音楽の骨格を作った非常に重要な音楽で、奥深い音楽ですが、もしそういうことを知らなくてもなぜかとても心を奪われる音楽です。
まず、最初はもう生まれ変わったらこの人の声になりたいサム・クック
ものすごく好きです。美しく力強くソウルフルな歌声です。
You Send MeやTwistin’ The Night Awayなどポピュラーな歌を歌う前から超人気のゴスペル・シンガーでした。サムが教会に出ると教会の周りを女の子たちが取り巻いたそうです。
サム・クックがソウル・スターラーズというゴスペル・グループにいた若い頃の清々しい歌声を聴いてください。
1.Touch The Hem Of His Garment/Sam Cooke

実は僕は子供の頃、幼稚園から小学一年生の頃日曜日に教会へ行ってました。正確に言うと両親に「行かされて」ました。たぶん、日曜日に子供に家でワーワー遊ばれているのがイヤで、親が教会へ行ってこいになったと思います。教会もめいわくな話です。その時教会で歌ってた歌で覚えているのが次のWhat A Friend We Have In Jesusという曲で、邦題は「いつくしみ深き」
もちろん日本語の訳で歌ってましたが、その後小学校で今度は「星の世界」というタイトルでちがう歌詞で歌いました。いまでも時々この曲がふと蘇ってきてくちづさんでます。こんな歌詞でした
「かがやく夜空の 星の光よ、
まばたく数多(あまた)の 遠い世界よ
ふけゆく秋の夜 すみわたる空
のぞめば不思議な 星の世界よ
歌詞もいいですが、このメロディがとても好きです
今日はアル・グリーンのゴスペル・アルバム”Precious Lord”から
2.What A Friend We Have In Jesus/Al Green

次はゴスペルの中では超有名曲でゴスペル・シンガーはみんな歌える曲だと思います。Precious Lord,Take My Handですが、ここではHold My Handとなってます。この曲をギターを弾きながらゴスペルを歌って40年代人気者になった女性シンガー、シスター・ロゼッタ・サープで聴いてみたいと思います
歌の内容は「大切な神様、私を導き、立たせてください。私は疲れて、弱って、すり切れてしまってます。嵐の中を、夜の止みの中から光に導いてください。私の手を取って、大切な神様、家に連れてってください」
3.Precious Lord,Lord Hold My Hand/Sister Rosetta Tharpe

キリスト教の伝道師のことをエヴァンジェリストと呼び、ギターを弾いて伝導する人はギター・エヴァンジェリストと呼ばれるのですが、いまのシスター・ロゼッタもそうです。
そして、ギター・エヴァンジェリストとしてもうひとり有名なのがブラインド・ウィリー・ジョンソン
「誰のせいでもない、オレが悪いんだ。家にある聖書をしっかり読まなければ魂は救われない。読まない自分が悪いんだ。誰のせいでもない」
1927年、ブラインド・ウィリー・ジョンソンの神様に魂も声も捧げたソウルフルなゴスペル・シンギングです。
4.It’s Nobody’s Fault But Mine/Blind Willie Johnson
ブラインド・ウィリーは街角でブルーズを歌うブルーズマンがたくさんいた時代に街角でゴスペルを歌った盲目のエヴァンジェリストでした。清貧と言う言葉はもういまの時代は死語になってしまいましたが、彼はすべてを神さまに捧げ貧しくも強く、立派にゴスペルを歌ってその生涯を閉じました。機会があればフル・アルバム聴いてください。ブラインド・ウィリー・ジョンソン

最後はシシー・ヒューストンの1996年のゴスペル・アルバム”face to face”からこれも”有名なAmaging Grace”
シシー・ヒューストンは亡くなったホイットニー・ヒューストンのお母さんです。若い頃からとても才能のある歌手として評判は高かったのですが、なかなかソロとしては花開かず、エルヴィス・プレスリーやアレサ・フランクリンのコーラスをやっていました。僕が最初に知ったのもアレサのコーラス「スウィート・インスピレーションズ」にシシーが参加している時です。
娘の方が有名になってしまったのですが、シシーは教会で歌っていたらしく1996年このアルバム”face to face”をリリース、グラミーのトラディッショナル・ゴスペル賞を受賞しました。なんと64才での受賞でした。
しかし、その後娘のホイットニーがみなさんもご存知のように48才という若さで急死してからはシシーの話はあまり聞きません。
素晴らしい歌手なので歌って欲しいです
では、最後にシシー・ヒューストン
5.Amazing Grace/Cissy Houston

ゴスペルを聴くのはすごく好きです。アメリカの黒人教会に行った時、あの場で歌われるゴスペルのあの熱気と興奮は忘れられません。そこでは信者でない自分はその輪の中に入れませんでしたが、でも、こうしてゴスペルを聴く時と同じように少し洗われたような気持ちになります。
クリスマスにゴスペル。クリスマスは何かにたくさんお金を使うのではなく、ささやかに今年一年を生きてこられたことを、いろんなことを振り返って家族や恋人、友達と一緒に、いや自分ひとりでも充分ですが、自分で、自分たちでささやかに、つつましく過ごせばよいのではないでしょうか。いいクリスマスを、いい年末を過ごしてください。
I Wish You A Merry Christmas!