2015.11.20 ON AIR 『Muddy Waters 生誕100年記念』 vol.1

One More Mile / Chess Collectibles, Vol. 1
(Chess:MCA/ Universal Music UICY-3421/2)
The Best Of Muddy Waters
(Chess:MCA/ Universal Music UICY-3199)

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ON AIR TRACK LIST
1.I Want To Be Loved : Muddy Waters
2.Rollin’ Stone : Muddy Waters
3.I Just Want To Make Love To You : Muddy Waters
4.Oh Yeah! : Muddy Waters
5.Tiger In Your Tank : Muddy Waters

今年はシカゴ・ブルーズの偉人、マディ・ウォーターズが生まれて100年ということでトリビュート・アルバムが出されたり、音楽雑誌でマディの生涯や音楽的な功績が取り上げられたりしていますが、僕も9/12に東京下北沢のガーデンというライヴハウスで、シーナ&ロケッツとサンハウスのみなさんとで『マディ・ウォーターズ生誕100年記念ライヴ』をやりました。今日はその偉大なマディの音源をロックの側面から観てみたいと思います。
恐らくローリング・ストーンズがロックバンドとしては、マディのシカゴ・エレクトリック・ブルーズのサウンドの影響を最も強く受けたバンドだと思います。
1曲目はそのローリング・ストーンズが最初のシングルのB面でカバーした曲です。1955年のリリース。曲を作ったのはベースのウィリー・ディクソン、録音参加ミュージシャンはギター/ジミー・ロジャース、ハーモニカ/リトル・ウォルター、ピアノ/オーティス・スパン、ドラムス/フランシス・クレイ という文句なしのシカゴ・ブルーズ・サウンドを作り出したメンバー!I Want To Be Loved !
ローリング・ストーンズというバンドの名前がマディ・ウォーターズの曲名から取られたものであることを知っている人は結構いると思いますが、その原曲を聴いたことのある人は以外と少ないのかも知れません。『もし。オレが青く深い海にいるナマズだったら、オレをつり上げようとするいい女がたくさんいることだろう。女たちがオレのあとをたくさん付いて来る。女がいうには旦那が出ていったところだからウチにおいでよ』とまあ不倫のブルーズです。ちょっとエロいマディの歌声をお楽しみください。Rollin’ Stone !
もう一曲ローリング・ストーンズがその初期にカバーしているマディの曲で”I Just Wanna Make Love To You”があるのですが、ストーンズのカバーは1964年かなりアップテンポにアレンジしているのですが、やはりいまから聴いてもらうマディのオリジナル・テンポは難しかったのかも知れません。マディのオリジナルはストーンズの約10年前で1953年。リトル・ウォルターのハーモニカが最高です!
1954年の録音でマディは全盛期を迎えて完璧なブルーズ・サウンズをつくることに成功しています。シカゴに出てきて約10年、マディはシカゴで押しも押されもしないエレクトリック・シカゴ・ブルーズの王者となってました。ギター/ジミー・ロジャース、マディ・ウォターズ、ハーモニカ/リトル・ウォルター、ピアノ/オーティス・スパン、ドラムス/フレッド・ビロウ、ベース/ウィリー・ディクソンという鉄壁のメンバーです。
今日の最後は1960年いよいよイギリス、ヨーロッパそして世界にその名前を知られて行く油の乗ったマディを聴いてください。アグレッシヴ・ブルーズギターを弾くパット・ヘアのプレイも聞き物です。Tiger In Your Tank !「オマエのタンクにタイガー(ガソリン)をぶちこみたいぜ」という自信満々のエロいマディです。
来週もマディ生誕100年を記念してシカゴブルーズの王者、マディ・ウォーターズを聴きたいと思います。