2016.03.11 ON AIR

B.B.King コンプリート・RPM/ケント・レコーディング・ボックス1950-1965を聴く その2

2016038ON AIR TRACK LIST
1.3 O’Clock Blues/B.B.King
2.Please Love Me/B.B.King
3.My Baby’s Gone/B.B.King
4.Woke Up This Morning/B.B.King
5.Gotta Find My Baby/B.B.King

 

 

 

 

前回に続いて昨年末にリリースされたB.B.キング・ボックスセットを聴いてみようと思いますが、なにしろCDだけで17枚収録されているすごいヴォリュームなので、僕もまだ最後まで聴けていません。
それで今日は今日は”3 O’Clock Blues”とタイトルされたCDの2枚目から初期のB.B.Kingを聴きます。
まずはB.B.にとってどの曲よりも記念碑的な、最も大切な曲だと思います。
1952年チャート1位に輝き、その1位を5週間続けたヒットとなり広く世間にB.B.キングと言う名前を知ってもらうことになったブルーズ
「彼女がいなくなって夜中の3時になっても眠れない。探してみたけど彼女は見つからない。ああみんな、もうおしまいだ。彼女に言いたいんだオレの罪を許してくれと」
「3 O’Clock Blues」
ギターはまだ自己のスタイルが完成されていなくてところどころにB.B.が尊敬していたT.ボーン・ウォーカーのギターリストスタイルが聴けます。歌もどこか武骨な感じがありますが、それがこの歌詞の内容と相まって悲しみと絶望を感じさせます。後の流麗な歌より、この頃の土着的な匂いが少し残っているB.B.を好きだという人もたくさんいます。

B.B.キングがスライド・ギターをやろうとしたけど、どうもうまくできなくてあきらめ、そのスライドの効果を出そうと独特のビブラートを指でかける奏法を編み出したというのは有名な話です。
次の曲のイントロはエルモア・ジェイムズがスライド・ギターで弾く3連譜の連続を、スライドではなく指でやっていますが、やっぱりスライド・ギターをやりたかったんでしょうね。
バンドのシャッフルビートの素晴らしさ、B.B.の力強い歌とテンションの高いギター。初期の曲の中でも僕が大好きな曲です。
「Please Love Me」
このアルバムでちょっと面白いものを見つけました。B.B.キングがよくライヴでやっていた曲でWoke Up This Morningというのがあるのですが、それは1952年に録音されているのですが、実はその前の年にすでに違う曲名My Baby’s Goneでその原型が録音されてました。ここにたった1年でB.Bの音楽性がどれだけ変化したのかが、つまり1952年という年がB.B.にとっていかに大事な、素晴らしい年であったかがわかる
まず、その前年の1951年メンフィスで録音したMy Baby’s Goneから
「My Baby’s Gone」

では翌年タイトルが「Woke Up This Morning」と変って録音されたテイクを。両方とも歌詞は似たようなものですが、次のWoke Up This Morningは途中でシャッフルにリズムが変ります。そこがまたかっこいいところです。
「Woke Up This Morning」
実はいまの曲が録音された52年にビル・ハーヴィというサックス奏者とB.B.は出会います。彼はレコーディングの楽団をそろえていてヒューストンのスタジオでB.Bは新しいメンバーと録音することになります。その楽団の中に後のB.B.のバンドに長く在籍することになる、素晴らしいドラムのソニー・フリーマンがいたのです。この出会いはその後、B.B.の音楽をレベルアップさせていくことになります。そこでたぶんB.B.自身もバンドのクオリティの高さが自分の音楽に必要だと気づいたのだと思います。
最後にもう一曲
「Gotta Find My Baby」
1951年52年の初期のB.Bキングを聴きました。B.B.の歴史の始まりを感じさせる熱い曲が集められたアルバムでした。