2016.03.25 ON AIR

追悼:OTIS CLAY vol.1
OTIS CLA/Live!Otis Clay (Victor VIP-5042-3)

img01ON AIR TRACK LIST
1.I’ve Got To Find A Way(To Get You Back)/Otis Clay
2.Precious Precious/Otis Clay
3.Trying to Live My Life Without You/Otis Clay

 

 

 

 

 

ソウル・シンガーのオーティス・クレイという名前を聴いて彼の熱い歌を想い出す方もかなりいると思いますが、そのオーティス・クレイが1月8日に心臓発作でなくなりました。
オーティス・クレイは日本に何度か来てくれましたが、やはりいちばん印象に残っているのが初来日の時でした。
1978年4月。実はそのオーティスのコンサートは本当はO.V.ライトが来るはずだったのです。でも、O.V.の体調が悪くて来日が中止になり、そのピンチヒッターで来日したのがオーティス・クレイでした。
はっきり言って僕はO.V.ライトへの期待度があまりに大きすぎて、オーティス・クレイの来日にはあまりテンションは上がっていなかった。もちろん、メンフィスのハイレコードからリリースされていたアルバム””Trying to Live My Life Without You”は良かったけれど、O.Vが来日しなかった落胆が大きすぎて・・・。
ところが、ところがですそんなに期待せずに行ったコンサートでそのピンチヒッターのオーティス・クレイがホームラン!!!
素晴らしいライヴを聴かせてくれました。いま、その時のライヴがレコーディングされていて本当によかったと思います。
今日はそのオーティス・クレイの素晴らしかった初来日コンサートをライヴ録音したアルバム”Live!Otis Clay”をアナログ盤で聴いてみようと思います。僕の歓声も入ってます。
いかにもソウル・ショーらしい登場するまでのバンドとMCも楽しんでください。
I’ve Got To Find A Way!
70年代半ばにディスコ・ブームが来てユーロビートが流行って・・・という時代は、オーティスのような聴かせるタイプのソウルシンガーにとっては大変難しい時代だったと思います。そういう最中、78年の来日です。実際僕もそういうユーロビートやテクノのブームが来ていろんなものがデジタルになっていく70年代後半からはかなり落ち込んでいました。
歌うのをやめようかなと思ったたった一回はその頃でした。時代の音楽があまりに変ってしまい、もう僕のようにブルーズを歌っているミュージシャンはだめだろうな・・・と、取り残されていくような気持ちになったものでした。
そこに来日してくれたオーティス・クレイ、そしてそのあとのO.V.ライト、それからマディ・ウオーターズの来日には本当に勇気づけられました。そして、自分が信じている音楽に間違いはない、またがんばろうと思ったものでした。
次の歌「プレシャス、プレシャス」は大切な君というラブソングですが、僕には本当に大切な音楽という風に思えてコンサートの帰り道ずっとこの歌を歌って途中まで歩いて帰りました。
Precious Precious
本当に心のこもったいい歌です。
では、オーティス・クレイと言えばこの曲。メンフィスのハイレコードからリリースされた彼のいちばんのヒットです。
「1日5箱のタバコを吸って4~5本のワインを飲んでしまう。それをやめるのはオレにとって大変なことなんだ。オマエがいない生活、オマエがいない人生を送ろうとしたけど、オレにはそれがもっと大変なんだ。ふたりで分かち合った愛を忘れることが本当につらいんだ」
Trying to Live My Life Without You

ライヴ・アルバムで一曲が長かったので今日は三曲しか聴けませんでしたが、来週はスタジオ・アルバムからオーティスのソウルフルな歌を聴きます!
今日初めてオーティス・クレイを聴いた方はこのライヴ・アルバムは是非ゲットして聴いてください。