2016.04.1 ON AIR

追悼:OTIS CLAY vol.2

Trying to Live My Life Without You(Hi/KING SLC 489)

Trying to Live My Life Without You(Hi/KING SLC 489)

The Beginning Got To Find A Way(P-Vine PLP-9002)

The Beginning Got To Find A Way(P-Vine PLP-9002)

I Can't Take It (Hi HLP6003)

I Can’t Take It (Hi HLP6003)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ON AIR TRACK LIST
1.I Die A Little Each Day/Otis Clay
2.Holding On To A Dying Love/Otis Clay
3.I Don’t Know What I Do/Otis Clay
4.I Can’t Take It/Otis Clay
5.Slow And Easy/Otis Clay

 

 

 

 

先週に引き続き1月に心臓発作でなくなったソウル・シンガー、オーティス・クレイの追悼二回目をお送りします。
前回ON AIRしたのはオーティス・クレイの来日ライヴ盤”Live!Otis Clay”でしたが、今回はオーティスを代表するスタジオ録音の名盤”Trying to Live My Life Without You」から聴いてみようと思います。
タイトル曲のTrying to Live My Life Without Youは前回ライヴ盤で聴いたので、今回はクレイがコンサートでもよく歌っていた曲I Die A Little Each Dayから。日本のファンにも人気のあった曲です。
「列車が駅を離れていってしまって以来、オレの人生のすべてはダメになっていくようだ。オマエが生きる気持ちを奪ってしまったので、オレはじぶんの涙の中に慰めも見つからない。オマエがいなくなってしまってからオレは日ごとに死んでいくようだ。ベイビー、頼むから戻ってきてくれないか」
すごく悲しい失恋ソングです。オーティスのソウルフルな歌を聴いてください。
I Die A Little Each Day

メンフィスのハイレコードのスタジオ・ミュージシャン、チャールズ・ホッジズ(Key)、リロイ・ホッジス(B)、ティニー・ホッジズ(G),そしてドラム、ハワード・グライムスという鉄壁の布陣に、トランペットのウエイン・ジャクソン、サックスのアンドリュー・ラブたちの重厚なホーンセクションが加わるという典型的なハイ・サウンド。言うことなしです。
もう一曲聴いてみましょうか。ダメになっていくと分かっている、別れることがわかっているのにその愛にしがみついている男の歌です。
Holding On To A Dying Love/Otis Clay

クレイは若い頃シカゴの”ワン・ダー・フル”というレーベルからシングルを何枚か出していました。ゴスペルからソウルを歌い始めたわけですが、その若き日のシカゴでの録音も素晴らしいので一曲聴いてみようと思います。アルバム・タイトルは”Got To Find A Way-The Begining”と言って1979年に日本のP-Vineからリリースされていたものでもちろんアナログです。いまこのアルバムを入手するのはちょっと難しいかも知れません。
かっこいいダンス・ジャンプナンバーです。「オマエがいないのに何をしていいのかオレはわからない」
I Don’t Know What I Do

70年代にやはりハイレコードからリリースされた”I Can’t Take It”というアルバムも素晴らしいです。そのタイトル曲が僕はすごく好きなので聴いてみたいと思います。テーブルの上には自分の朝食があるけど、食欲なんかない。一晩中泣き続け、気が狂いそうだ・・・と、前の夜に彼女と喧嘩して彼女が出ていくのをなす術もなく見ているのがもう絶えられない(I Can’ t Take It)という曲です。
I Can’t Take It

来日公演の時も本当に一曲一曲全身全霊で歌う姿がまず日本のお客さんの心を捉えてました。ソウルだとかロックだとかブルーズだとか、そんなことよりもそのシンガーがどれだけ自分の信じる音楽を自分の信じるスタイルで心を込めて歌うかということで、お客さんの心を動かすのだとその時思いました。もう一曲聴きましょうか。
Slow And Easy

来日時、オーティスは日本ではそんなに知られていませんでした。大ヒット曲もないし、派手な人でもなく、とてもオーソドックスなソウルシンガーなんですよオーティス・クレイは。でも、その真摯な歌が日本のお客さんの心をつかんで、本人も日本のお客さんの暖かい気持ちをすごく感じていたと思います。そして、何度も来日してくれました。その日本での盛り上がりがアメリカの厳しいショービジネスを生き抜いていく彼の心の支えに少しはなったのかなと思います。
決してすごくメジャーにはなれなかったソウル・シンガーでしたが、自分のスタイルを最後まで貫いた実に立派なソウルシンガーだったと思います。
是非みなさんも手に入れやすい名盤Trying to Live My Life Without Youをゲットして、アナログ中古盤に興味のある方は”Got To Find A Way-The Begining”も探してください。
前回と二回に渡りオーティス・クレイの追悼をON AIRしました。
オーティスの冥福を祈ります。Thank You Otis!We Love You!