2016.07.08 ON AIR

ブルーズ・ザ・ブッチャーの新譜”Three O’Clock Blues”を聴く その2

Three O’Clock Blues/blues.the-butcher-590213(P=Vine records PCD-18815)
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ON AIR LIST
1.I Pity The Fool/blues.the-butcher-590213
2.Baker Shop Boogie/blues.the-butcher-590213
3.Straighten Up Baby/blues.the-butcher-590213
4.How Can You Been So Mean/blues.the-butcher-590213
5.No More Doggin’/blues.the-butcher-590213

 

 
6/15にリリースされた僕のバンド「ブルーズ・ザ・ブッチャー」のニューアルバム”Three O’Clock Blues”を手前味噌ですが、ON AIRします。リリース前に何曲か聞いてもらったので今日は違う曲でパート2です。
今回、僕らのアルバムはCDとレコードのLPと両方作りました。LPレコードは収録時間に限りがあるのでCDのようにたくさん曲を入れることができません。それでLPとCDとでは収録曲がちょっと違っています。僕としては両方聞いてもらいたいところです。LPレコードは前回と同じように完全限定なので、レコードを聞きたい方はお早めにゲットしてください。前回はこちらが予想したより3倍くらい早く売り切れました。
では、最初の曲は・・・ボビー・ブランドの”Two Steps From The Blues”という名盤に収録されている曲
女にもてあそばれているのを周りのみんなが見てバカにされているのを知っている。どうしょうもない恋に落ちてしまった男の歌です
I Pity The Fool

僕個人的にはずっとボビー・ブランドのこの曲を録音したいと思っていたのですごく嬉しいです。ブランドの曲はホーン・セクションが入って、しっかりアレンジされているのでなかなかカバーしずらいんですが、今回ホーンなしのブルーズ・ザ・ブッチャーのメンバーだけでやれたのは大きな収穫でした。
今回のアルバムのテーマはGo Back To Memphisで、ジャズ、ブルーズ、R&B,ソウルとアメリカの音楽の歴史の中でずっと大きなメッカであったメンフィスに由来するブルーズを取り上げました。次の曲はそんなメンフィスでブルーズ、ロックンロール、カントリーの名曲をたくさんリリースした「サン・レコード」のあまり名前の知られていない、でもいかにもメンフィス・ブルーズらしいウィリー・ニックスというブルーズマンが歌った曲です。
「オレはパン屋の女とつき合ってるんやけど、あいつは最高や。ベイカーショップブギ、まわりでいちばんええ。あいつは小麦粉もふくらし粉も持ってるけどオレのシュガー砂糖がないといけないんよ。オレがあいつのパン屋にいって全部売り切れててもあいつはオレにスウィートなジェリーロール(カステラ生地にゼリーを塗って巻いたロールケーキ)を取っといてくれるんよ。最高ベーカーショップブギ」
Baker Shop Boogie

次はメンバーのKOTEZくんが歌っている曲で、これもサンレコードにいいブルーズをたくさん残しているジェイムズ・コットンの1953年、コットン18才録音のブルーズ。今回KOTEZが録音に選んだ曲はファンキーなものが多かったですね。イナタファンキーというかアーシーな感じもあるファンキーな曲
これは「ちやんとせえよ、ベイビー」という曲です。
Straighten Up Baby

次の曲も1曲目のI Pity The Foolと同じでホーンセクションがバリバリ入っているジャンプ・ブルーズ・テイストの曲なんですが、そのホーンの部分をハーモニカとギターで作ってやってみました。
ジョニー・エースはバラードで有名な人なんですが、僕は昔から彼のジャンプ・ブルーズテイストもいいなぁと思ってました。これも録音できてよかったです。
「オマエ、あんまりにもひどないか、オレのこと愛してるいうてたのにオレがいなかなったら新しい男とすぐキスするんかい、オマエあんまりやろ」
How Can You Been So Mean

次はKOTEZくんが前からステージで歌っていたやはりメンフィスで活躍していたロスコー・ゴードンの曲です。この番組でも何度かロスコー・ゴードンをON AIRしていますが、いまから聴いてもらうシャッフルの裏のビートを強調したグルーヴが海を渡ってジャマイカに届いて、そのシャッフルからレゲエのビートが生まれました。その辺も思い出して聴いてみてください。
No More Doggin’

今回はメンフィスに由来するブルーズマンたちの曲を、原曲にドラム、ベースが入っていないアーシーなものからホーンセクションが入りしっかりアレンジされた曲までを、自分たちブルーズ・ザ・ブッチャー風に録音しました。去年はCDで出したInThe Basementのアナログレコードをリリースしましたが、今回はブルーズ・ザ・ブッチャーとしは7枚目になります。ほとんど毎年のように何かリリースできているのは、アルバムを買っていただいているみなさん、それからライヴで応援していただいているみなさんのおかげです。また、そして、ブルーズをともに発信しているこの番組のスポンサーの青南商事さん、アルバムジャケットの写真を毎回撮っていただいている写真家の菅原一剛さん、FMアップルウェーブさん、そして、この番組をON AIRしていただいているラジオ各局みなさんにもお礼を言います。ありがとうございます!そして、この番組を聴いてくださっているみなさん、この番組と同じようにブルーズ・ザ・ブッチャーもよろしくお願いします。今回のアルバム”Three O’Clock Blues”は自信作です。