2016.07.15 ON AIR

Piano Bluesの夕べ

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American Folk Blues Festival ‘64

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OTIS SPAN/ Walking The Blue

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MEMPHIS SLIM/The Real Folk Blues

On AIR LIST
1.These Blues Keep Doggin’ Me/Lee Kanehira(single record)
2.Everytime I Get To Drinkin’/Sunnyland Slim
3.Midnight Hour Blues/Leroy Carr
4.It Must Have Been The Devil/Otis Spann
5.Havin’ Fun/Memphis Slim

今日はピアノ・ブルーズを味わってもらおうと思います。
実はこの番組でも以前ON AIRした日本の素晴らしいブルーズピアニスト、リーがこの度、アナログシングル盤を初めてリリースしました。残念ながら彼女のライヴ会場でしか買えないのですが、シカゴ・ブルーズスタイルのピアノとギターが絡み合いながらも、どちらも邪魔にならないとても上手くミックスされたサウンドが聞けます。ビリー・フリンさんのギターも聞き所が満載です。
では、リー・カネヒラでThese Blues Keep Doggin’ Me
というわけで今日はブルーズピアノを聴いてみようと思います。
いま聴いてもらったリーも好きなピアニストでサニーランド・スリムがいるのですが、サニーランドは本当にたくさんの録音が残っている人でマディ・ウォーターズ、J.Bルノア、ロバートロックウッド、サニーボーイ、リトル・ウォルター、シカゴ・ブルーズ系のブルーズマンとはほとんど一緒にやっていて、その他にもB.B.キングが好きだったドクター・クレイトン、メンフィスにいた頃はマット・マーフィとやっています。日本にも一度来てくれましたが、その時はもう70過ぎてましたが、素晴らしいピアノプレイでした。
聞いてもらうのは、「アメリカン・フォーク・ブルーズ・フェスティバル64」というアルバムから。語りから強烈なピアノの連打が始まり、張りつめた大きな声で歌うサニーランドの強烈なブルーズにびっくりしたのを覚えている。バックのヒューバート・サムリンのギターも素晴らしい。サニーランドの代表曲です。
Everytime I Get To Drinkin’

1930年代シティ・ブルーズの王様だったリロイ・カーのいまに残る名作中の名作。歌詞、メロディ、リロイ・カーのピアノ、スクラッパー・ブラックウェルのギターすべてが完璧な素晴らしいブルーズです。
「夜明けまでまだ時間がある真夜中、ブルーズがこっそりやってきてオマエの心を持っていってしまう。眠れないでずっとベッドに横たわっている。心の中にはいやなことばかり、そして気持ちは沈み込んでいく」リロイ・カーです
Midnight Hour Blues

ピアノは曲をゴージャスにしてくれるサウンドをつくる楽器のように思っていたのですが、ピアノは打楽器だと確信したのはこのオーティス・スパンのピアノを聴いてからです。ピアノは手でというか指で打楽器のように叩いてますからね。スパンのフレイズを弾けるピアニストでもスパンのリズムの素晴らしさ、彼の力強いグルーヴを表現できている人は少ないです。では、キャンディッドというレーベルの素晴らしいアルバム”Walkin’ The Blues”からその強烈なスパンのピアノと歌を聞いてください。
It Must Have Been The Devil

次に聴いてもらうメンフィス・スリムはすごくたくさんアルバムがリリースされているのでどれを買ったらいいのか、迷うくらいです。
50年代にギターのマット・マーフィが参加した”At The Gate Of Horn”というアルバムも素晴らしいし、60年代最初の”Memphis Slim U.S.A”というすごくいいんですが、今日はチェスレコードから1966年リリースの”The Real Folk Blues”というアルバムから選曲しました。
彼はヨーロッパにツアーに行った時にフランスが気に入って、というのもフランスではジャズマンやブルーズマンが人種の差別なく尊敬されるという素晴らしい風潮があって、彼はフランスにいて楽だったんでしょう。1962年から88年まで彼はパリに住み、73才パリで亡くなりました。
Havin’ Fun
今日はピアノ・ブルーズの夕べでした。最初に聴いてもらったリーちゃんのアナログシングル盤「Rie”Lee”Kanehira(v,pf) with Billy Flynn(g)
These Blues Keep Doggin’ Me/ Blues Is Everywhere」は、限定100枚でライヴ会場のみでの販売です。
詳しくはこちらをご覧ください→https://leebluespiano.wordpress.com