2016.10.21 ON AIR

サザンソウル、ノーザン・ソウル、ディープ・ソウル・・
そしてファンク60年代ブラック・ミュージックの先端 その4

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ON AIR LIST
1.Baby,Scratch My Back/Slim Harpo(21Blues Giants/Slim Harpo P-Vine Records PCD-3747)
2.Reach Out I’ll Be There/Four Tops(Motown Magic The Ultimate Hits Collection Motown/Polydor POCT-1566)
3.That’s The Way Love Is/Bobby Bland(DUKE DLP77)
4.Respect/Aretha Franklin (Soul Spectacular DISC3 RHINO R2 78300)
5.Cold Sweat/James Brown(STAR TIME Disc Two POLYDOR 849 110-2)

60年代の半ばにはモータウンや、アトランティック、キング、デューク、スタックスといったレコード会社がR&Bからソウルのヒットを華々しくだしていく中、突然66年になんやねんこれというおもろいブルーズの曲がルイジアナの田舎からR&Bチャートの1位を取ります。ポップチャートでも16位まで上がりました。
「ベイビー、なあ背中掻いてくれへんか・・」いう語りが出てくるんですが、だんだん掻くとこがあやしくなってベイビー抱いて掻いてくれへんか・・というエロいところに行きます。まあ、半分ブルーズのインストですが、この曲が1位なったのか、なんでモータウンに対抗できたのかよくわかりません(笑)

1.Baby,Scratch My Back/Slim Harpo

いまのスリム・ハーポのヒットと同じ年66年にモータウンレコードがリリースして1位になった曲です。もうこの66年にはモータウンはブイブイ、ウハウハですよ。僕は16才でした。ラジオのヒットチャート番組をたくさん聴いてたんですが、ビートルズがとにかくすごくてトップテンに三曲入ったりしてました。そういう時に対抗できた黒人のレコード会社はモータウンでした。
では、フォー・トップスの大好きな曲です。
2.Reach Out I’ll Be There/Four Tops
フォートップスは同じモータウンの男性グループ、テンプテーションズに比べるとコーラスワークも洗練されてないしダンスとか振り付けもイナタイんですが、逆に武骨な男らしさがあるグループで僕は好きでした。いまの曲以外にも”Baby I Need Your Loving,””I Can’t Help Myself (Sugar Pie, Honey Bunch)”とかいい曲があります。
さっきのBaby,Scratch My Backとは比べ物にならないくらい都会的な録音でしたが、いまのふたつの曲はいろんな意味でアメリカの大きさというか広さみたいのを感じますね。ひとつのところだけにいかないでこんなんもええんと違う?みたいな大きさがありますよね。

60年代にブルーズのヒットがなかなか出ない頃にがんばっていたのがB.B.キングと双璧のボビー・ブランド。ただブランドの曲は黒人の中では絶対的な人気を誇っていたけど、白人には受けなかった。受けなかったのは、やはりボビー自身が持っている深いブラックネスというか黒人独特の感覚を理解する白人が少なかったということでしょう。
「いいことがあったり、うまくいかなかったり、楽しいことがあったり、悲しいことがあったり・・毎日いろいろあるけれど愛がそこにいつもあるからね」という誰もが送る月曜からの毎日を歌った内容。
1963年、ポップは33位までR&Bチャート1位
3.That’s The Way Love Is/Bobby Bland

淡々とした歌ですが、すごく豊かな感じがしてブランドの歌の包容力とか大きさを感じます。
60年代半ばに登場した女性ソウル・シンガーと言えばアレサ・フランクリンなんですが、前もアレサの特集をした時に話ましたがアレサは60年代最初からいろんなやり方で売り出したのですが、売れなくて67年にやっと花開きました。アレサ・フランクリンがその後から今日までソウルの女王と呼ばれるきっかけとなった最初が”I Never Loved a Man”。そしてその二ヶ月後にリリースされたのがこの曲です。
4.Respect/Aretha Franklin

モータウンのポップなソウルとは違うディープで、ストロングなアレサの歌は黒人が持っている本来の姿、つまりゴスペルとブルーズから来る音楽性をしっかりと感じさせるものでした。アレサの歌唱はそのあとの女性ソウル・シンガーたちの目指すひとつのスタイルとなりました。
好き嫌いは別にしてやはりいまだにソウルの女王という呼び名にふさわしいのはアレサ・フランクリンでしょう。

ファンクの帝王ジェイムズ・ブラウンは60年代の最初からTry Me,I got You,Papa’s Got A Brand New Bag,などのヒットを出しながら誰もやってなかった自分のファンクという音楽をつくり上げてきました。いろんな試みをしながらいまから聴いてもらう1967年の”Cold Sweat”でJBは完全にJB流ファンクを確立したと思います。
もう、歌もすべの楽器がパーカッションと化したJBファンクの完成。
5.Cold Sweat/James Brown