2017.01.20 ON AIR

激動の60年代ブリティッシュ・ブルーズロック vol.1

Alexis Koner(Blues Incorporated)

Alexis Koner(Blues Incorporated)

Bluesbreakers With Eric Clapton/John Mayall & The Blues Breakers

Bluesbreakers With Eric Clapton/John Mayall & The Blues Breakers

Hard Road//John Mayall & The Blues Breakers

Hard Road//John Mayall & The Blues Breakers

 

ON AIR LIST
1.She Fooled Me/Blues Incorporated
2.Hideaway/John Mayall & The Blues Breakers
3.All Your Love/John Mayall & The Blues Breakers
4.Someday After A While (You’ll Be Sorry)/John Mayall & The Blues Breakers
5.Looking Back/John Mayall & The Bluesbreakers

昨年末のローリング・ストーンズのブルーズカバー・アルバム”Blue And Lonesome”のリリースから、僕の周りでは再び60年代のブリティッシュ・ブルーズのことがよく話題になる昨今です。それで60年代ブリティッシュ・ブルーズロックをしばらく特集してみようかなと思ってます。

いつも60年代ブリティッシュ・ブルーズロックの話となるとローリング・ストーンズやヤードバーズあたりから話を始める人が多いのですが、実はイギリスのブルーズの父、またはヨーロッパのブルーズのゴッドファーザーと呼ばれているアレクシス・コーナーを忘れてはいけない。
イギリスのブルーズの先駆けとして有名な「ブルーズ・インコーポレイテッド」というバンドをつくり、そこにはのちのストーンズのドラムになるチャーリー・ワッツやクリームのドラムになるジンジャー・ベイカー、ベースのジャック・ブルースが参加していました。そして、彼が作った“イーリング・ジャズ・クラブ”というクラブには夜な夜なミック・ジャガーやキース・リチャーズが現れてはセッションし、そんな中からローリング・ストーンズはじめイギリスのブルーズ好きの若者が育っていきました。つまり、ブルーズという音楽を演奏する土台のようなものをアレクシス・コーナーは作ったわけです。
She Fooled Me/Blues Incorporated

アレクシス・コーナーのブルーズに対する情熱を受け継いでいったのが、ジョン・メイオールだと思う。ジョン・メイオール&ブルーズブレイカーズはイギリスのブルーズの広まりとその後のブルーズロックの誕生にとても大きな役割を果たしたバンドでした。66年リリース、ジョン・メイオール&ブルーズブレイカーズの代表的なアルバム”Bluesbreakers With Eric Clapton”より一曲。
エリック・クラプトン21才のギター・プレイです。
Hideaway/John Mayall & The Blues Breakers
オリジナルは61年リリースのフレディ・キングですが、当時のクラプトンのアイドルは間違いなくフレディだったでしょう。

アルバム”Bluesbreakers With Eric Clapton”は1966年のリリースで、実はその年にシカゴのブルーズマンたちがイギリスに公演に行ってるのですが、その中にオーティス・ラッシュもいました。ジョン・メイオールやクラプトンはその時、ラッシュの演奏聞いたのかも知れません。次はそのオーティス・ラッシュのカバーです。クラプトンは21才と思えないキレキレのギターを弾いてます。
All Your Love/John Mayall & The Blues Breakers

クラプトンがブルース・ブレイカーズにいたのはわずか半年くらいだったのですが、この残されたアルバムはブリティッシュ・ブルーズを代表するアルバムとして聞き継がれるものになりました。そして、クラプトンのあとにギターで参加したのがこれまた才能あふれたピーター・グリーン。まだ20才でした。彼が参加した”Hard Road”というアルバムも優れた一枚です。
Someday After A While (You’ll Be Sorry)/John Mayall & The Blues Breakers
ピーター・グリーンの鋭いギター・ワークが気持ちいいですね。

ヤードバーズ時代に「クラプトンは神だ」と言ったロンドンの若者たちがいたそうですが、ブルーズ・ギターリストという観点から聴くとピーター・グリーンの方がブルーズの匂いがあり、ピーターの方が好きだという人も多いです。僕の印象で言うとクラプトンは非常にきれいな、美しいブルーズギターを弾く人で、ピーターはよりオーセンティックなディープなブルーズギターを弾く人です。
もう一曲ピーター在籍のブルーズブレイカーズを。
Looking Back/John Mayall & The Bluesbreakers