2017.09.22 ON AIR

メイヴィス・ステイプルズの75才の誕生日と
彼女の功績を祝ったコンサート

I’ll Take You There – An All-Star Concert Celebration [Live] /Mavis Staples

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ON AIR LIST
1.Respect Yourself/Mavis Staples & Aaron Neville
2.Will The Circle Be Broken/Mavis Staples, Bonnie Raitt, Taj Mahal, Gregg Allman & Aaron Neville
3.The Weight/Full Ensemble
4.Turn Me Around/Mavis Staples & Bonnie Raitt

 

 

 

 

今日は大好きなメイヴィス・ステイプルズの75才を祝うコンサートのライヴ・レコードを聴きます。リリースは今年6月ですがコンサートが開かれたのは2014年の11月ですから、リリースまでにずいぶんと時間がかかっています。

お祝いのコンサートということでメイヴィス・ステイプルと親しいミュージシャンが本当にたくさん参加しているので、僕があまり知らない人もいるのですが知っているところで名前を上げると、ボニー・レイット、ウィルコ(ジェフ・トゥウィーディ)、グレッグ・オールマン、タージ・マハル、ジョーン・オズボーン、アーロン・ネヴィル、マイケル・マクドナルド、エミルー・ハリスなどです。
ではまずアーロン・ネヴィルとのメイヴィスのデュエットを。曲はメイヴィスがステイプル・シンガーズ時代1971年にリリースされたもので、ゴスペル・グループであり、メッセージ・ソングを歌い続け平等や平和そして人種差別の撤廃を訴えたグループらしい歌です。「君自身を大切にしょう、そして仲間も大切にしょう」
1.Respect Yourself/Mavis Staples & Aaron Neville

いまアーロン・ネヴィルが歌っていたパートがメイヴィスのお父さんローバック”ポップ”ステイプルズが歌っていたパートです。お父さんは2000年に亡くなりましたが、ステイプル・シンガーズというグループは1940年代にお父さんと子供たちで結成されたファミリー・ゴスペル・グループです。結成された時、メイヴィスは10才くらいだったと思います。53年メイヴィス14才の時にレコード・デビューです。そして17才くらいの頃にVee Jayレコードからリリースされた「Uncloudy Day」や「Will The Circle Be Broken」がヒットして、それはいまもゴスペルの名曲になっています。
では、その名曲「Will The Circle Be Broken」をこのコンサートで超豪華メンバーで歌っているので聴いてみましょう。
2.Will The Circle Be Broken/Mavis Staples, Bonnie Raitt, Taj Mahal, Gregg Allman & Aaron Neville
寒くて曇った日に亡くなった妹が霊柩車に乗せられて行く時に、運転手に少しゆっくり走ってくれないか、大好きな可愛い妹がいなくなるのが辛いんだよ。神様、天国では輪(The Circle)は壊れることなく、空にはもっといい安住の家があるんですよねと訊ねている歌です。

いまのメンバーの中のグレッグ・オールマンはこの前この番組で追悼特集しましたが、今年の5月に亡くなってしまいましたが、きっと空の上の安住の家にいるんだと思います。
メイヴィスはステイプル・シンガーズ時代からいろんな歌を歌い、さっきのRespect Yourselfをリリースしたスタックス・レコード時代のあとはカーティス・メイフィールドのカートム・レコードで映画のサントラにもなった”Let’s Do It Again”というナンバーワンヒットも出しました。ちょっとポップな歌も歌ったこともありましたし、プリンスのプロデュースでメイヴィスはソロを2枚だしましたが、ずっと一貫して変らないのはゴスペルとメッセージソングを歌いつづける姿勢です。その大きな柱は75年間なにも変っていません。
次の曲は覚えているロック・ファンの方もいると思いますが、ザ・バンドの最後のアルバム「ラスト・ワルツ」でステイプル・シンガーズで歌ったザ・バンドの曲です。これはこのメイヴィスの75才記念アルバムに参加した人みんなで歌ってます
3.The Weight/Full Ensemble
ここ数年メイヴィスはこれまた僕の好きボニー・レイットとよくデュオでライヴをやっているんですよ。YouTubeにも映像が出てるんですが、なんとかこのふたりを日本に呼ぶことはできませんかね。まあ、ふたりともアメリカの音楽の国宝みたいな人たちですからね、ギャラも高いと思いますが・・・・。
4.Turn Me Around/Mavis Staples & Bonnie Raitt
メイヴィスは年とともに少し声が出づらくなっていますが、元気でライヴ活動を続けているし、ここ数年はメイヴィスをリスペクトする白人のロックバンド「ウィルコ」や「ノース・ミシシッピ・オールスターズ」などにプロデュースやバックアップされていいアルバムをリリースしています。
オルタナティヴな音楽を目指す若い白人の彼らは、変らない彼女の音楽への姿勢に共感するところがたくさんあるのでしょう。
僕は1975年にロスで初めて生のステイプル・シンガーズをテレビの公開ライヴでみました。それから3回メイヴィスを見ています。いつもソウルフルで本当に素晴らしい歌を聴かせてくれます。ずっと元気で歌い続けて欲しいです。I Love Mavis!