2026.06.26 ON AIR

追悼:ドン・ブライアント vol.1

生涯、音楽に誠実であったメンフィスの名シンガー&ソングライター、ドン・ブライアント

ON AIR LIST
1.Don’t Turn Your Back On Me/Don Bryant
2.It’s So Lonely Being Me/Don Bryant
3,I’ll Go Crazy/Don Bryant
4.99 Pounds/Ann Peebles
5.I Can’t Stand The Rain/Ann Peebles

メンフィスの偉大なソウル・シンガーでありソング・ライターのドン・ブライアントが去年の12月に亡くなりました。かなり遅ればせになってしまいましたが今日はドン・ブライアント追悼放送です。
彼は同じメンフィスのオーティス・レディングやアル・グリーンやO.V.ライトのように広く知られるようなヒット曲はなかったのですが、でもいい曲がいくつもあり、またそのディープで真っ直ぐな歌い方が好きなファンがいまもたくさんいます。
彼は60年代にメンフィスのハイ・レコードから10枚のシングルをリリースしましたがアルバムのリリースは一枚。そのアルバムもカバー・アルバムで自作の曲はなかったのです。なぜ自分で曲を作れるシンガーなのに自作の曲が入ったアルバムをハイ・レコードはリリースしなかったのか納得できません。そして彼は70年代に入るとそのハイ・レコードのソング・ライター&スタッフとなりシンガーとしての活動を辞めてしまいます。シンガーを辞めてしまった理由もよくわからないのですが、ヒットが出ないことに落胆したのか、自分の性格が裏方のソングライターの方に向いていると思ったのか・・・。
最初に聞くのは1965年デビュー二作目の曲ですが、60年代サザン・ソウルの曲という感じです。「俺に背中を向けないで」というタイトルですが、背中を向けて去っていく彼女に俺のそばにいてほしいという曲。初めて聞いたのは自分が20代中頃、2分9秒という短い曲ですが印象に残りました。

1.Don’t Turn Your Back On Me/Don Bryant

1975年に日本のキングレコードから「メンフィス・サウンド・オリジナル・コレクション」というシリーズで何枚かメンフィス・ソウルのLPレコードがリリースされまして、その三枚目がドン・ブライアントのシングル曲を集めたコンピレーション・アルバムでした。ジャケットを番組HPに出しておきますのでご覧になってください。これは素晴らしいアルバムです。
ドン・ブライアントはバラード・シンガーというわけではないのですが、初期の頃はバラード系の曲が多かった気がします。
そのシングル盤の中でも次は大好きな曲です。「彼女と別れてしまい自分の人生は空っぽになってしまった。本当に自分は孤独だ」
当時20代半ばの自分の胸に刺さった曲でした。

2.It’s So Lonely Being Me/Don Bryant

本当にいいシンガーですし、いい曲やと思います。メンフィスを中心としてアメリカ南部にはドン・ブライアントと同じようにゴスペルに根ざしたR&B,Soulシンガーがたくさんいました。大半は黒人のコミュニティでの人気でポップ・チャートに曲が上がることもなかったのですが、それでもアルバムを出しながら黒人のクラブ回りのツアーをする「チタリン・サーキット」で歌手として生き延びていくこともブライアントはできたと思います。
次の曲もいかにもサザン・ソウルという曲調で飾り気のないサウンドにドン・ブライアントの実直な歌声が心に残ります。

3.I’ll Go Crazy/Don Bryant

同時代のスプリームスやテンプテーションズ、マービン・ゲイ、ミラクルズといったヒット曲を量産したソウル・グループ、シンガーを抱えていた「モータウン・レコード」のような華やかさやボッブス性はメンフィスソウルにはなかったです。音作りも素朴でシンガーもゴスペルやブルーズのテイストを持って実直に歌う人たちが多かったですね。

それで70年代に入るとドン・ブライアントは歌手を辞めてしまい、ソングライターとなり「ハイ・レコード」のスタッフのような仕事も始めます。
そんなときに出会ったのがのちに結婚するアン・ピーブルズという女性シンガーです。その出会った最初の頃にアンに作った曲が次の曲です。1971年の録音。

4.99 Pounds/Ann Peebles

99Pounds とは約45キログラムですが、これは初めてドンがアンに会ったときに痩せてて小さい女性だけどとても輝いていた印象から作った曲です。
アン・ピーブルズというシンガーはブルーズ・テイストのあるシンガーで、ボビー・ブランドが歌った”I Pity The Fool”とかリトル・ジョニー・テイラーがヒットさせた”Part Time Love”といったブルーズをとてもいい感じで歌ってます。
そんな彼女のブルーズ・テイストが生かされた曲を2人は共作しました。それが大きなヒットとなった”I Can’t Stand The Rain”
「窓を打ち付ける雨の音が耐えられない。もうここにはいない彼との甘い思い出が蘇ってくるから・・・」

5.I Can’t Stand The Rain/Ann Peebles

79年に彼は奥さんのアンと来日公演で来日しました。40年以上経って歌手として復活した晩年の素晴らしい歌を聞こうと思います。
来週もドン・ブライアントの追悼をやります。

2026.06.19 ON AIR

ジャズ・オーケストラのブルーズを聴いてみよう

Basie In London/Count Basie And His Orchestra

ON AIR LIST
1.Jumpin At The Woodside/Count Basie And His Orchestra
2.Corner Pocket/Count Basie And His Orchestra
3.Alright, Okay, You Win/Count Basie And His Orchestra & Joe Williams
4.Untitled/Count Basie And His Orchestra

前回は4/2に急逝した偉大なドラマーでもあり心優しいミュージシャンでもあったジェイムズ・ギャドソンの追悼放送を三回に渡って聴いていただきました。
今回はそのギャドソンの故郷であるカンザス・シティで30年代に一世を風靡したジャズ・ピアニストでありオーケストラ・マスターであるカウント・ベイシーと彼のオーケストラを聞きます。ギャドソンが子供の頃にはまだそのカンザス・シティ・ジャズの名残はあったのではないかと思います。
カウント・ベイシーはピアニストで「スウィングジャズの王様」と呼ばれた偉大なジャズマンです。1920年代からピアニストとして活動を始めいろんなバンドに入ったり、歌の伴奏の仕事などをしてましたが、自分のオーケストラを結成したのは1930年代中頃。スウィング・ジャズのスウィングというのはダンス・ミュージックを表す言葉でブルーズでもブギウギでも使われることがあります。カウント・ベイシー・オーケストラはブルーズを基調にしている曲が多くあるところも僕が親しみを持てるところですが、バンドのアンサンブルを大切にしながらバンド全体のリズムのグルーヴで押してくる感じが特徴です。そういうのをスウィング・ジャズと呼んでます。まずはその典型的な曲で、これはカウント・ベイシー・オーケストラのテーマ・ソングみたいな曲です。強力なスウィングのグルーヴを楽しんでください。今日聞いてもらうアルバムはタイトルが「ベイシー・イン・ロンドン」でロンドンとなっていますが、録音したのはスウェーデン。1956年のライヴ録音です。

1.Jumpin At The Woodside/Count Basie And His Orchestra

1956年にベイシー楽団はヨーロッパ・ツアーを行ったのですが、ベイシー本人がロンドンが大好きで実際ロンドンの演奏も素晴らしかったそうですが、なぜロンドンで録音しなかったんですかね。それでタイトルはロンドンにしてアルバムジャケットの撮影もわざわざベイシーはロンドンまで行ったそうです。なんかスウェーデンのこのコンサートに行った人たちがちょっとかわいそうですが。
このバンドの大きな魅力の一つはドラムのソニー・ペインとベースのエディ・ジョーンズそしてギターのフレディ・グリーンのリズムセクションが中心となって作り出す鉄壁のグルーヴとホーンセクションを加えたときの大きなダイナミズムです。小さな音からドラムが爆発したような大きなサウンドまで迫力に圧倒されます。
次の曲もビッグ・バンドの魅力を聞かせてくれ一曲です。

2.Corner Pocket/Count Basie And His Orchestra

それぞれのソロも素晴らしいですが、ホーンセクションの音のミックスも本当に気持ちよくてアンサンブルが素晴らしいです。しかしソニー・ペインのドラムは怪物が暴れてるみたいで、でも絶対ビートは外さずステディでダイナミズムもすごくあります。
当時のジャズ・オーケストラには普通、専属の歌手がいてカウント・ベイシー・オーケストラにはジミー・ラッシングという歌手が結成された当初からいたのですが退団してしまい、54年に専属歌手となったのが今から聞いてもらうジョー・ウィリアムスです。曲はジャズ・ブルーズの有名曲で惚れた弱みみたいな歌です。「わかったよ、オレの方が恋してしまったから君の勝ちだ。それでオレになにができる?なんでもするよ。君に恋した俺の負けだよ」歌詞が洒落てます。

3.Alright, Okay, You Win/Count Basie And His Orchestra & Joe Williams

カウント・ベイシーは本当に少ない音でいろんな表現をするピアニストで次の曲でもその名人芸が聞けます。ベースの絡んだ2人のやりとりもいいです。とてもメロディックである種ポップで全員が入ってきた時の豪快なサウンドはロックよりもロックです。ジャズがどんな音楽かなとなんとなく興味を持っている人はこう言うアルバムからジャズに入っていくのもいいかもしれません。

4.Untitled/Count Basie And His Orchestra

カウント・ベイシー・オーケストラと双璧をなすのがデューク・エリントン・オーケストラでそちらも素晴らしい華やかな楽団で好きです
こういうクオリティの高いビッグ・バンド・ジャズのライヴを聴きながらお酒飲みたいですね。

 

2026.06.12 ON AIR

追悼:ジェイムズ・ギャドソン/In Memory Of James Gadson vol.3

ON AIR LIST
1.The Greatest Love/Band Of Pleasure feat.永井ホトケ隆
2.Woke Up This Morning/blues.the-butcher-590213 with James Gadson
3.Kansa City/blues.the-butcher-590213 with James Gadson
4.Linda Lou/blues.the-butcher-590213 with James Gadson
5.Got To Find My Baby/James Gadson

4月2日に亡くなってしまった親愛なる、そして偉大なドラマーのジェイムズ・ギャドソンの追悼放送の三回目となります。
今日はちょっと個人的な話をしてみようかなと思うのですが、前回そして前々回の放送でOn Airしたように僕は最初ビル・ウィザースのアルバムでジェイムズ・ギャドソンという素晴らしいドラマーがいることを知ったわけです。1973年頃でした。それから彼がマービン・ゲイやジャクソン5やダイアナ・ロスなど本当にたくさんのスタジオの仕事をしていることを徐々に知りました。そんな中、ギャドソンと初めて会ったのは90年代、ギターの山岸潤史の六本木のライヴ・セッションに誘われて行ったらそこでギャドソンを紹介されたのです。一緒に演奏もしました。でも演奏のことは「あのジェイムズ・ギャドソンだ」と舞い上がっていたのであまり覚えてません。それから彼が日本の来る時に何度か一緒にセッションさせてもらいました。
今日はまず思い出深いレコーディングの一曲を。1996年にビクターのJVCレーベルからリリースされた”JVC SOUL All STARS”というコンピレーション・アルバムに参加しました。その時バンドは山岸潤史が組んでいた「バンド・オブ・プレジャー」ドラムのジェイムズ・ギャドソンをはじめギターがデイヴィッド・T・ウォーカー、ベースが清水興、キーボードが続木徹そしてギターに山岸潤史。録音の2日前くらいに山岸から電話があり「ホトケ、歌いに来いへんか」と。それで急いで曲を決めて録音したのがこの曲でした。

1.The Greatest Love/Band Of Pleasure feat.永井ホトケ隆

オリジナルはニューオリンズのアーロン・ネヴィル。この録音のときにギャドソンはテンポとグルーヴのことを気遣ってくれて、ちょうどぼくとギャドソンが向かい合わせの位置にいたのですが、「俺のドラムから始めるからいい感じのグルーヴになったら好きなところで歌に入ってくれ」と言われました。ギターのデヴィッド・Tも素晴らしいソロを弾いてくれて、本当はもっとソロ弾いて欲しかったんですけどね。みんなでコーラスもやって本当にいい思い出です。

2013年にギャドソンがブルーズ・ザ・ブッチャーのライヴレコーディングに参加してくれて”The Sure Shot Live”というアルバムを作りました。録音は東京と大阪と二回ライヴをそのまま、オーバーダビングなしで録りました。70年代の初めにビル・ウィザースのアルバムでギャドソンのドラムに感動してから40年が過ぎ、その間にたくさんのギャドソンの録音をいろんなアルバムで聴いてきたし、ドラムの沼澤くんにとっては師匠とダブル・ドラムという初めての録音でいろんな意味でテンションの上がるライヴでした。
アルバムではギャドソンが3曲ブルーズを歌ってくれました。今日はアルバムから彼のその3曲を聴いてみようと思います。
まずはB.B.キングのオリジナル曲です。

2.Woke Up This Morning/blues.the-butcher-590213 with James Gadson

リハーサルの時にあまりにギャドソンの歌がよくて「もう全部歌ってくれませんか」と言ったら「なん言ってるんだ。おまえがボスだろう」って言われてしまいました。
ギャドソンはカンザス・シティの生まれで若い頃はドラムではなくて歌をやりたかったそうでドゥ・ワップのグループを組んでいたそうです。だからコーラスもめちゃ上手い人でした。次は生まれ故郷カンザス・シティのことを歌った有名なブルーズ曲でその名前の通り”Kansas City”いくつかバージョンがあるのですが、僕が歌っているのはリトル・リチャード・バージョンですが、ギャドソンは本家の一番ヒットした1959年のウィルバート・ハリソンのバージョンです

3.Kansa City/blues.the-butcher-590213 with James Gadson

カンザス・シティは1930年代には「カンザス・シティ・ジャズ」と呼ばれるジャズが盛んになった街で、カウント・ベイシー、ジェイ・マクシャン、ビッグ・ジョー・ターナー、チャーリー・パーカーなどたくさんのミュージシャンが活躍した街です。ギャドソンはそういう音楽が盛んな街に生まれ育った人でした。亡くなってしまって本人の意向でお墓は故郷のカンザスシティになるそうです。

4.Linda Lou/blues.the-butcher-590213 with James Gadson

このライヴ録音のときに初日、僕が演奏でちょっとしたミスをしてしまい休憩時間に楽屋で「すいません、間違ってしまって」とギャドソンに謝るとギャドソンは笑って「オレは三つくらい間違えたよ。気にすんな」と言ってくれました。本当はギャドソンは一つも間違えてないのにそう言って励ましてくれたのです。本当に懐の大きな優しい人でした。
最後は「ハイ・リアリティーズ」というハイ・レコードのコンピレーション盤に歌手として入っているギャドソンです。
この歌がもう本当にぼくは好きです。

5.Got To Find My Baby/James Gadson

僕も長い音楽人生の中でいろんな人と会ってきましたが、本当に素晴らしい人でした。音楽的にはもう歴史に残るドラマーであり歌手であります。皆さんもきっとどこかでギャドソンがドラムを叩いている曲をこれからも耳にすると思います。

ミスター・ジェイムズ・ギャドソン、あなたは背も高くて身体も大きな人でしたが、心も大きな人でした。優しくしていただき、録音のときは気を遣っていただきありがとうございました。あなたとこうして歌とビートと音を残せたことは私の一生の名誉です。私のことを最後までホトケと言えずに「ホトキ」と呼んでくれてたことも忘れません。また会えると思っていたのに本当に残念です。自信のない私に「おまえはブルーズを知っているからいい。ブルーズが何かって知っていることが大切なんだ」と言ってくれた言葉は本当に嬉しかったです。私はもう少し生きていると思うので頑張ります。ありがとうございました、ミスター・ジェイムズ・ギャドソン、安らかに。

 

2026.06.05 ON AIR

追悼:ジェイムズ・ギャドソン/In Memory Of James Gadson vol.2

ON AIR LIST
1.Dancing Machine/The Jackson 5
2.I Want You/Marvin Gaye(3:20 FO)
3.You Can Run But You Can’t Hide/Freddie King
4.Cold Women With Warm Hearts/Albert King
5.I’ve Always Been Lonely/B.B.King

「イン・メモリー・オブ・ジェイムズ・ギャドソン」と題して前回から4月2日に亡くなったドラムのジェイムズ・ギャドソンへの追悼をしています。
前回はぼくが初めてギャドソンのドラムを聞いたビル・ウィザースのアルバムから今に残る名曲とギャドソン自身が歌も歌っていた”The Watts 103rd Street Rhythm Band”時代の音源を聴きました。ビル・ウィザースのアルバムからヒット曲が何曲が出て「このドラムを叩いているのは誰なんだ」とギャドソンは超売れっ子ドラマーとしてレコーディングに引っ張りだこになります。大きなグルーヴがありながらもシャープであり、聴く者の体を揺らすそのリズムはバーナード・パーディや ジェイムズ・ブラウンの2人のドラム、クライド・スタブルフィールドやジャボ・スタークスのように本当に気持ちのいいリズムだ。それであまりにたくさんの録音に参加したものでギャドソン自身が参加したアルバムを覚えていないということもあった。
さすがに次の1974年の大ヒット曲は覚えていただろうけど。R&Bチャート1位、ポップチャートでも2位まで上がったこの曲。この曲のドラムがジェイムズ・ギャドソンだと知ったのはかなり後だった。

1.Dancing Machine/The Jackson 5

このジャクソン5の曲だけでなくダイアナ・ロスなどモータウンの録音もたくさん参加してます。大きなグルーヴでありながらスネアの鋭いショット、そして何より歌心のあるドラミングはギャドソンならではのもので当時のシンガーやプロデューサーが欲しがったのはよくわかります。
次のマービン・ゲイの大ヒット曲もドラムはジェイムズ・ギャドソン。どこかで聴いたことがあるかもしれません。

2.I Want You/Marvin Gaye(3:20 FO)

70年代半ばあたりでギャドソンが参加したレコーディングをざっと挙げるとダイアナ・ロス、テンプテーションズ、クインシー・ジョーンズ、ランディ・クロフォード、ハービー・ハンコック、ジャクソン5など。
それでこの番組はブルーズの番組なのでブルーズマンの録音に参加しているジェイムズ・ギャドソンを探してみました。なんとブルーズの3大キング全員のレコーディングに彼は参加してます。さすがです。
まずは1975年にRSOレコードに残されたフレディ・キングの”Lager Than Life”というアルバムからですが、翌年76年にフレディは心不全で亡くなりましたのでこのアルバムがフレディ・キングの遺作ということになります。曲は白人ブルーズマン、ポール・バターフィールドのオリジナルです。

3.You Can Run But You Can’t Hide/Freddie King

フレディ・キングはじめサウンド全体がブルーズ・ロック的ですが、ギャドソンは余計なフィルは入れずにタイトなドラミングでクールです。

次はアルバート・キングの1976年のアルバム”Truckload Of Lovin’”に参加しているギャドソンですが、スタックスレコードで有名になったアルバート・キングですが、そのスタックス以降のアルバムの中ではクオリティの高いアルバムで僕はすごく好きなアルバムです。
曲はシャッフル・ビートの曲ですがギャドソンの余計なリフを叩かない真っ直ぐなステディなビートが気持ちいい曲です。

4.Cold Women With Warm Hearts/Albert King

ブルーズでドラムやっている人はこのキャドソンのブルーズにおけるシャッフル・ビートを聞いてみるといいかもしれません。ちなみにこのアルバムのベースにはチャック・レイニー、ギターにワウワウ・ワトソン、キーボードにジョー・サンプルなど腕利きのミュージシャンが参加していて演奏のクオリティは高いです。
最後はB.B.キングのアルバムに参加しているギャドソンのドラムです。

5.I’ve Always Been Lonely/B.B.King

ジェイムズ・ギャドソンはカンザス・シティの生まれなのですが、1959年にウィルバート・ハリソンが歌った”Kansas City”という曲がヒットした頃、ギャドソンは20歳です。元々カンザス・シティという街は大きな都会で1920年代から30年代はカンザス・シティ・ジャズというのが流行りました。音楽のある街です。そのカンザス・シティ・ジャズの中にはカウント・ベイシー・オーケストラはじめビッグ・ジョー・ターナー、チャーリー・パーカー、ジェイ・マクシャーンなどがいました。
こうしてギャドソンが参加した曲を探していくと本当にキリがないのですが、ある時六本木のテンプスというソウル・バーで飲んでいる時に流れていた曲がギャドソンがドラムを担当していたのにギャドソンが「このドラム誰だろう?」って言いまして、みんなで「ギャドソン、あんたや」って笑ったことがありました。もうレコーディングしすぎて自分が参加したアルバムも覚えられなかったんでしょう。懐かしい思い出。

来週はギャドソンがぼくのバンド「ブルーズ・ザ・ブッチャー」のアルバム”The Sure Shot Live”に参加してくれたのでそれを中心に聞きたいと思います。