追悼:クラレンス・カーター vol.1
90才で亡くなってしまったスケールの大きなサザンソウル・シンガー、クラレンス・カーター
This Is Clarence Carter/Clarence Carter

The Dynamic Clarence Carter/Clarence Carter

ON AIR LIST
1.Slip Away/Clarence Carter
2.Funky Fever/Clarence Carter
3,I Can’t See Myself/Clarence Carter
4.The Road Of Love/Clarence Carter
5.I’d Rather Go Blind/Clarence Carter
豪速球の歌だが大味にならず、よく通る声だがソリッドにはならず柔らかさがある大好きな歌声のクラレンス・カーターが5/13に亡くなってしまった。90才だったそうです。前回のドン・ブライアントの訃報に引き続きまた素晴らしいサザン・ソウルシンガーが天国へ行ってしまいました。
クラレンス・カーターと言っても知らない方が多いと思うので少し経歴を紹介。
1936年南部アラバマのモンゴメリーという街で生まれています。生まれながら盲目というハンディを持っていましたがアラバマ州立大学で音楽学位を習得しています。1960年中頃にカルヴィン・スコットとデュオを結成します。このカルヴィン・スコットも盲目のシンガーで2人はクラレンス&カルヴィンという名前でしたが、レコードデビューと同時に”The C&C Boys”という名前に変えて活動を始めたが、カルヴィンが大きな交通事故に遭いデュオか解消されます。その後クラレンス・カーターはソロ・アーティストとしてマッスルショールズのフェイム・レコードと契約します。
シングルを集めた初めてのアルバムが出たのが1968年。タイトルが”This Is Clarence Carter” このアルバムから何曲かチャート入りしましたが、R&Bチャート2位、ポップ・チャートでも6位まで上がったヒットを聴いてみよう。のっけからこれは不倫の歌ですね。Slip Awayですから「抜け出す」でたぶん結婚している彼女に抜け出せないか。こんなこと頼むのは間違っているけど旦那に気付かれずに抜け出して会えないだろうか。君に会いたいんだ」
1.Slip Away/Clarence Carter
思うように会えない気持ちを歌った切ないいい曲ですが不倫の歌ですからね。やっぱりアメリカ人は不倫の歌が好きなんですね。典型的なサザンソウルって言う感じで好きなタイプの曲ですが、この録音をしたマッスルショールズのフェイム・レコードのスタジオ・ミュージシャンの素晴らしさがわかる曲を次に聞いて見ますか。もちろんクラレンスの歌はパワフルさとスピード感を併せ持った素晴らしいものです。ドラムがロジャー・ホーキンス、ベースがデビッド・フッド、ギターがジミー・ジョンソン、そしてプロデュースとエンジニアがリック・ホール
2.Funky Fever/Clarence Carter
もう一丸となった演奏がすごい勢いで走ってくるみたいで素晴らしいです。
次の歌は別れの歌。タイトルが”I Can’t See Myself”ですから自分自身が見えないですか。私の人生から去っていく君。いい場所を見つけて誰かのいい奥さんになってほしいと思っている(まあ女性からしたら大きなお世話ですが、まあ最後にいい男ぶりたいんでしょう)そう言うときながら君のことを思うと涙が止まらないと。楽しい時間を過ごしたねっと。でも、ちょっとした喧嘩をすると君はどこかへ逃げて行ったね。どこかってそれはもう新しい男がおったんとちゃうか。君のことを思うと涙が止まらないと・・知らんがな。もっと付き合ってる時に大事にしてたらよかったんとちゃうか。こんな説明で申し訳ないですが、すごくええ曲ですよ。
3.I Can’t See Myself/Clarence Carter
今まで聞いたアルバム”This Is Clarence Carter”が1968年でヒット・シングルもあったことから翌年69年にすぐセカンド・アルバム”The Dynamic Clarence Carter”がリリース。これも素晴らしいアルバムなんですが、自作のブルーズ曲”The Road Of Love”が耳に残りました。途中のスライド・ギターソロは当時フェイム・スタジオのスタジオ・ミュージシャンもしていたデュアン・オールマン。とても印象に残るギターを弾いています。
”The Road Of Love”ですから「愛の道」ですが、愛の道を1人では歩かない。もし君が一緒に行ってくれないのなら誰か他の女を探すしかないだろうと言う歌詞なんですが、ブルーズには「お前が一緒に行ってくれないのなら他の女を探す」と言う歌詞がよくでてくるのですが、すぐに他の女を連れて行くと言うのもなんだかなぁ・・と言う気もしますが、いい曲ですよ。
4.The Road Of Love/Clarence Carter
「君が他の男と去って行くのを見るくらいなら目が見えなくなった方がマシだ」という強烈な失恋、恨み節ソングでオリジナル・シンガーは女性のエタ・ジェイムズですが、エタとは違って一つ抑えたような表現が素晴らしいです。
5.I’d Rather Go Blind/Clarence Carter
このアルバム以降70年代半ばまでほぼ毎年アルバムをリリースしてクラレンス・カーターは活躍します。それはまた来週。


