中古盤放浪記 vol.15
ジュニア・ウエルズの初期録音

ON AIR LIST
1.Come On In This House/Junior Wells
2.Little By Little/Junior Wells
3.Messin’ With The Kids/Junior Wells
4.It Hurts Me Too/Junior Wells
5.Universal Rock/Junior Wells
先週はバディ・ガイの若き日の録音を聞きましたが、そのバディとコンビを組むことも多かったジュニア・ウエルズの若き日の録音が今回の特集。
ブルーズのハーモニカ・プレイヤーと言えば、天才と呼ばれるリトル・ウォルターを筆頭にサニーボーイ・ウィリアムスンのI(ジョン・リー・ウィリアムスン)とII(アレックス・ミラー)のふたり、ジェイムズ・コットン、ウォルター・ホートン、ビリーボーイ・アーノルド、キャリー・ベル、スヌーキー・プライヤー、シェイキー・ジェイクなどなど錚々たるメンバーが浮かぶが、今回聴くジュニア・ウェルズのハーモニカも私は好きだ。そして歌も個性的で魅力的だ。
そう言えば日本に来たブルーズマンで最初のハーモニカ・プレイヤーはジュニア・ウエルズだった。いやその前にThe Acesでやって来たルイス・マイヤーズもハーモニカを吹いたがどちらかと言えばギタリストの印象が強い。ジュニアはその時バディ・ガイとの初来日だった。ふたりは60年代からコンビを組むことが多く、印象に残るアルバムもいくつかある。
今回聞いてもらうのはジュニア・ウエルズが1957年から63年にプロフィール、チーフ、USAといった小さなマイナーレーベルに残したシングルをコンピレーションしたアルバム。若き日のジュニア・ウエルズ。まずは彼の代表曲の一つでもあるこの曲。
この当時のギターはアール・フッカー、ベースはウィリー・ディクソン、ベースはデイヴ・マイヤーズ
「出ていった彼女に君が泣いていても楽にはならないだろう。だからこの家に戻って来てくれ。そうしたら僕は心から愛するよ。僕には他の女ができて、君には他の男ができたけど頼むからこのいつも家に戻って来てくれ」とヨリを戻したい歌ですが・・どうでしょう。戻りますかね。
1.Come On In This House/Junior Wells
歌にもハーモニカにもなんとも言えない独特の臭さがあるジュニアですが、どこかチンピラ風なストリートの匂いがあるところが魅力です。実際彼はピストルを持ってバーにいるようなヤバい写真も残っているのだが、そういうラフでタフな場所で彼は生きて来たわけだからブルーズにもそういうテイストは出てしまうリアル・ブルーズ。
次はジュニア・ウエルズ的R&Bテイストを入れ込むとこうなるみたいな個性的なブルーズで彼の代表曲。
一晩中出かけて帰って来ない彼女、キスをしょうとしてもイヤがる彼女、少しずつおまえを失っていくのがわかる。少しずつおまえの愛が遠ざかっていく、なんとなく嫌われてしもたな・・という歌。
2.Little By Little/Junior Wells
コーラスが入っている感じやシャッフルビートだけど三連符が効いている三連シャッフルなど少しポップで新しい感じがする60年代初期のシカゴ・モダン・ブルーズ。マディ・ウォーターズやハウリン・ウルフなどシカゴ・ブルーズの大物の後に出てきたこういうモダン・ブルーズに気づいたのはプロデューサーでもあったウィリー・ディクソン。
次も人気のある曲でジュニアのやんちゃな感じでてます。
3.Messin’ With The Kids/Junior Wells
次はエルモア・ジェイムズのオリジナルですが本当にたくさんのブルーズマンがカバーしている。私もカバーしてますがみんな少し切ない歌詞に男は胸が打たれるのだと思う。愛する女性が愛してる男に心を傷つけれるのを見ると自分の心も傷つけられると始まり、彼は別の女性を愛しているのにあなたは彼にべったりとくっついて彼を愛している。あなたと彼がうまくいかないであなたが傷つけられるとあなたを愛している私も傷つくんだ。にっちもさっちもどうにもならない関係のブルーズ。
4.It Hurts Me Too/Junior Wells
この時代のジュニアのギタリストはまだバディ・ガイではなくてアール・フッカーがメインで参加していますが、至る所にギター名人アール・フッカーの技が出てます。
次の曲はとにかくリズム・セクションのドラムのフレッド・ビロウとベースのジャック・マイヤーズのふたりにギターのアール・フッカーで作るリズムの切れとグルーヴがすごくて、ジュニアはあまり目立ってないのですがどうしても聴いてもらいたい一曲。
5.Universal Rock/Junior Wells
せんじつ、このアルバムを中古でなぜ買ったのかと言えばジャケットのデザインです。かっこいいと言うより「イナタかっこいい」まあB級感の良さでしょうか。それで買ったんですが、家に帰ってレコード棚を見たら同じ音源のP-Vine レコード版がありました。CD版もありました。またトホホでした。今度バディとジュニアのコンビのアルバムも聞きます。来週からは生誕100年のチャック・ベリーを三週連続です。