追悼:ジェイムズ・ギャドソン/In Memory Of James Gadson vol.2




ON AIR LIST
1.Dancing Machine/The Jackson 5
2.I Want You/Marvin Gaye(3:20 FO)
3.You Can Run But You Can’t Hide/Freddie King
4.Cold Women With Warm Hearts/Albert King
5.I’ve Always Been Lonely/B.B.King
「イン・メモリー・オブ・ジェイムズ・ギャドソン」と題して前回から4月2日に亡くなったドラムのジェイムズ・ギャドソンへの追悼をしています。
前回はぼくが初めてギャドソンのドラムを聞いたビル・ウィザースのアルバムから今に残る名曲とギャドソン自身が歌も歌っていた”The Watts 103rd Street Rhythm Band”時代の音源を聴きました。ビル・ウィザースのアルバムからヒット曲が何曲が出て「このドラムを叩いているのは誰なんだ」とギャドソンは超売れっ子ドラマーとしてレコーディングに引っ張りだこになります。大きなグルーヴがありながらもシャープであり、聴く者の体を揺らすそのリズムはバーナード・パーディや ジェイムズ・ブラウンの2人のドラム、クライド・スタブルフィールドやジャボ・スタークスのように本当に気持ちのいいリズムだ。それであまりにたくさんの録音に参加したものでギャドソン自身が参加したアルバムを覚えていないということもあった。
さすがに次の1974年の大ヒット曲は覚えていただろうけど。R&Bチャート1位、ポップチャートでも2位まで上がったこの曲。この曲のドラムがジェイムズ・ギャドソンだと知ったのはかなり後だった。
1.Dancing Machine/The Jackson 5
このジャクソン5の曲だけでなくダイアナ・ロスなどモータウンの録音もたくさん参加してます。大きなグルーヴでありながらスネアの鋭いショット、そして何より歌心のあるドラミングはギャドソンならではのもので当時のシンガーやプロデューサーが欲しがったのはよくわかります。
次のマービン・ゲイの大ヒット曲もドラムはジェイムズ・ギャドソン。どこかで聴いたことがあるかもしれません。
2.I Want You/Marvin Gaye(3:20 FO)
70年代半ばあたりでギャドソンが参加したレコーディングをざっと挙げるとダイアナ・ロス、テンプテーションズ、クインシー・ジョーンズ、ランディ・クロフォード、ハービー・ハンコック、ジャクソン5など。
それでこの番組はブルーズの番組なのでブルーズマンの録音に参加しているジェイムズ・ギャドソンを探してみました。なんとブルーズの3大キング全員のレコーディングに彼は参加してます。さすがです。
まずは1975年にRSOレコードに残されたフレディ・キングの”Lager Than Life”というアルバムからですが、翌年76年にフレディは心不全で亡くなりましたのでこのアルバムがフレディ・キングの遺作ということになります。曲は白人ブルーズマン、ポール・バターフィールドのオリジナルです。
3.You Can Run But You Can’t Hide/Freddie King
フレディ・キングはじめサウンド全体がブルーズ・ロック的ですが、ギャドソンは余計なフィルは入れずにタイトなドラミングでクールです。
次はアルバート・キングの1976年のアルバム”Truckload Of Lovin’”に参加しているギャドソンですが、スタックスレコードで有名になったアルバート・キングですが、そのスタックス以降のアルバムの中ではクオリティの高いアルバムで僕はすごく好きなアルバムです。
曲はシャッフル・ビートの曲ですがギャドソンの余計なリフを叩かない真っ直ぐなステディなビートが気持ちいい曲です。
4.Cold Women With Warm Hearts/Albert King
ブルーズでドラムやっている人はこのキャドソンのブルーズにおけるシャッフル・ビートを聞いてみるといいかもしれません。ちなみにこのアルバムのベースにはチャック・レイニー、ギターにワウワウ・ワトソン、キーボードにジョー・サンプルなど腕利きのミュージシャンが参加していて演奏のクオリティは高いです。
最後はB.B.キングのアルバムに参加しているギャドソンのドラムです。
5.I’ve Always Been Lonely/B.B.King
ジェイムズ・ギャドソンはカンザス・シティの生まれなのですが、1959年にウィルバート・ハリソンが歌った”Kansas City”という曲がヒットした頃、ギャドソンは20歳です。元々カンザス・シティという街は大きな都会で1920年代から30年代はカンザス・シティ・ジャズというのが流行りました。音楽のある街です。そのカンザス・シティ・ジャズの中にはカウント・ベイシー・オーケストラはじめビッグ・ジョー・ターナー、チャーリー・パーカー、ジェイ・マクシャーンなどがいました。
こうしてギャドソンが参加した曲を探していくと本当にキリがないのですが、ある時六本木のテンプスというソウル・バーで飲んでいる時に流れていた曲がギャドソンがドラムを担当していたのにギャドソンが「このドラム誰だろう?」って言いまして、みんなで「ギャドソン、あんたや」って笑ったことがありました。もうレコーディングしすぎて自分が参加したアルバムも覚えられなかったんでしょう。懐かしい思い出。
来週はギャドソンがぼくのバンド「ブルーズ・ザ・ブッチャー」のアルバム”The Sure Shot Live”に参加してくれたのでそれを中心に聞きたいと思います。