2026.10.02 ON AIR

ニューオリンズの豊かな音楽

愛すべきニューオリンズのピアニストたち Vol.3

ON AIR LIST
1.It’s Raining / Irma Thomas
2.Ruler Of My Heart / Irma Thomas
3.Lipstick Traces (On A Cigarette) / Benny Spellman
4.Fortune Teller / Benny Spellman
5.Yes We Can / Lee Dorsey

前回はニューオリンズの偉大なソングライターであり、プロデューサー、ピアニストでもあったアレン・トゥーサンがプロデュースした男性R&Bシンガー、リー・ドーシーを聴きましたが、今回は同じくアレン・トゥーサンがプロデュースした女性シンガー、アーマ・トーマスを聞きます。まずはアレン・トゥーサンが作詞作曲もしてプロデュースもした1962年にリリースされた曲で「雨が降っている窓辺に座って離れてしまった恋人のことを切なく思っている」という名曲です。

1.It’s Raining / Irma Thomas

2分6秒という短い曲ですが心に残る曲です。アーマ・トーマスはあまり歌い上げない歌い方で素朴でどこかに品のある歌声が魅力です。ちなみにこの曲を作ったアレン・トゥーサンは作詞作曲者の名前をナオミ・ネヴィルとしてますが、これは彼の母親の旧姓を使ったものです。いろんな曲にナオミ・ネヴィルの名前が出てくるので昔、僕はどんな女性が作っているのだろうとずっと思ってました。
次の曲もアレン・トゥーサン(ナオミ・ネヴィル)の作詞作曲でプロデュースもアレン・トゥーサンです。曲名が”Ruler Of My Heart”でRulerは「支配者」という意味ですから「私の心の支配者」。自分の心を支配する愛する彼がいなくなって失恋したけれど彼が自分のところに戻ってくるのを待っているという歌です。1963年リリース。

2.Ruler Of My Heart / Irma Thomas

ソウル・ミュージックをよく知っている方ならこの曲がオーティス・レディングの”Pain In My Heart”と同じ進行だと気がついたと思います。オーティスはこの曲の歌詞を変えて”Pain In My Heart”を作りました。アーマの翌年64年のリリースです。
アレン・トゥーサンの作詞作曲そしてプロデュースの名曲はたくさんあるのですが、次の曲をぼくが最初に聞いたのはビートルズのリンゴ・スターの1978年のソロ・アルバム「バッド・ボーイ」でした。そのアルバムで一番好きな曲が次の曲でした。オリジナルシンガーはベニー・スペルマン。
1962年アレン・トゥーサンの名曲です。
「彼女が残していったタバコの口紅のあとを見て彼女への愛を募らせる」という歌です。

3.Lipstick Traces (On A Cigarette) / Benny Spellman

今のLipstick Tracesのシングル盤のB面がイギリスのロックバンド、ローリング・ストーンズやフーにカバーされた「占い師」(フォーチュン・テラー)これもアレン・トゥーサンの曲です。60年代にイギリスのロックバンドの人たちがアメリカ、ニューオリンズから届くこういうR&Bのシングル曲を楽しみにしていた光景が目に浮かんでなんかええですよね。

4.Fortune Teller / Benny Spellman

昔、オバマ前大統領が演説の決まり文句として「Yes We Can」(私たちはできる)を使っていましたが、音楽好きのオバマさんはこの曲からあの言葉を言ったのではないかと思います。
歌詞の内容が「すべての男たちがいろんな問題を解決して兄弟のように生きよう。心の平和を見つけてせかいじゅうの女性たちを尊重しょう。そして子供達の為にもっとより良い世界にしょう。きっとできる。うまくいく」世の中の平和とみんなの平等を歌った名曲です。

5.Yes We Can / Lee Dorsey

いまの曲は1973年にポインター・シスターズのカバーでもヒットしました。まだまだアレン・トゥーサンが作ったりプロデュースしたニューオリンズの名曲があるし、アレン・トゥーサン自身が歌っている名曲もあるので来週もまずアレン・トゥーサンから。