ニューオリンズの豊かな音楽
愛すべきニューオリンズのピアニストたち Vol.4


ON AIR LIST
1.Land Of 1000 Dances/Chris Kener
2.I Like It Like That/Chris Kenner
3.Mother-In-Law/Ernie K-Doe
4.Right Place Wrong Time/Dr.John
5.Southern Nights/Allen Toussaint
ずっと聞いておられる方はわかったと思うのですが、50年代にデイヴ・バーソロミューがプロデューサーとしてニューオリンズの音楽を引っ張って行った役割を60年代にしたのがアレン・トゥーサンです。彼はピアニストでありシンガーでもあるのですが、アーマ・トーマス、リー・ドーシー、ベニー・スペルマンなどニューオリンズの個性あふれるシンガーをデビューさせ、多くのヒット曲を世に出しました。
先ずは邦題が「ダンス天国」原題が”Land Of 1000 Dances”
ご存知の人も多いと思います。ウィルソン・ピケットはじめ多くのカバーがあるR&Bの有名曲ですがオリジナルシンガーはクリス・ケナーです。この曲のアレンジとプロデュースをしたのもアレン・トゥーサンです。曲を作ったのは本人とファッツ・ドミノの名前がクレジットされています。多分ウィルソン・ピケットのシャウトを混えた歌とスピード感のあるハードバージョンの方が有名ですし、僕もそのピケットのヴァージョンでこの曲を知りました。原曲はニューオリンズらしい、いなたい感じがする、いやゆったりした感じのものです。当時流行っていたダンスの名前、ツイストやマッシュポテト、アリゲーター、ワトゥシなどがたくさん出てきます。
1.Land Of 1000 Dances/Chris Kener
1962年リリースのオリジナル「ダンス天国」でした。みんなでコールアンドレスポンスする「NaNaNaNa・・」というパートはオリジナルにはないんですね。あれはこの曲をカバーしていた「カンニバル&ザ・ヘッドハンターズというグループが付け加え、ウィルソン・ピケットがそれをカバーして広めたので「NaNaNaNa・・」が定番になりました。
もう一曲クリス・ケナーの代表曲でアレン・トゥーサンがプロデュースしたのが1961年の”I Like It Like That”
ピアノを弾いているのもトゥーサンです。曲名のI Like It Like Thatは「そういう感じが好きなんよ」とか「そんなんが俺は好きや」という意味でダンスナンバーに何曲かこんタイトルがあるのですが、パーティでダンスをしてる時に「このノリがめちゃええんよ」と言う感じ。
2.I Like It Like That/Chris Kenner
楽しいですね。ニューオリンズ必須のダンスナンバーです。
50年代から60年代のニューオリンズの歌手たちに共通しているのは、例えば同じ時代の有名なサム・クックやレイ・チャールズ、アレサ・フランクリンのようなゴスペル色が強く教会で鍛えられた歌の上手さがあるというより、どこか素朴でストレートで実直な歌の味わいがあります。いまのクリス・ケナーも先週聞いてもらったベニー・スペルマンやリー・ドーシーなんかもそうです。そして次のアーニー・ケイドゥもいなたい味のあるシンガーです。
曲はアレン・トゥーサンが曲も作りプロデュースもした曲です。
1961年に全米チャートで1位になりました。曲名のMother-In-Lawは義理の母親。「義理の母は私が知る限り最悪の人間だ。私たち(嫁さんと自分)を放っておいてくれたなら幸せな家庭を作れるのに、義理母は何かと口を出してくる。私が給料を持って帰るといくら稼いだのかって嫁さんに聞く。もう出て行って2度と帰ってこないでほしい」まあ世界中に鬱陶しい義理母はいるんでしょう。全米チャートの1位になったということは共感する人たちがたくさんいたということです。
3.Mother-In-Law/Ernie K-Doe
嫁はんのおかんなんとかならんかという感じがヒシヒシと伝わってきます。
いまの曲で素敵なピアノ・ソロを弾いていたのはアレン・トゥーサンです。
アレン・トゥーサンは60年代から70年代にかけて相当数のレコーディング・プロデュース、作詞作曲に参加したと思いますが、70年代に入ると地元のファンク・グループ”ミーターズ”を録音に起用してニューオリンズならではファンクを作ります。聞いてもらう1973年のドクター・ジョンのアルパム”In The Right Place”も彼がプロデュースしたいいアルバムです。その中から一番ヒットした曲”Right Place Wrong Time”
「正しい場所にいたはずなのにタイミングが悪かったんだ。正しいことを言おうとしたのに言葉を間違えてしまった。立ち止まろうとしているのに走り続けてしまう。頭の中は混乱しているけどなんかすごく楽しい」ちょっとぶっ飛んだファンキーな歌詞です。
4.Right Place Wrong Time/Dr.John
ミーターズのバックの演奏も素晴らしく、70年代の半ばくらいに日本のミュージシャンたちの間でもミーターズは評判になっていました。
今日の最後はアレン・トゥーサン自身が歌っている曲を聴きましょう。この曲好きな人たくさんいると思います。ニューオリンズを代表する曲の一つでしょう。
5.Southern Nights/Allen Toussaint
来週はニューオリンズの個性的なピアニストたちを少し昔に遡って聞いてみようと思います。









