2015.5.29.ON AIR MUSIC

GOLDEN BEST : JACKIE WILSON (ULTRA-VIBE CDSOL-5109)
THE MAN AND HIS MUSIC : SAM COOKE (RCA R32P-1041)
20150519-01 20150519-02

ON AIR TRACK LIST
1.Shake Shake Shake : Jackie Wilson
2.Twinstin’ The Night Away : Sam Cooke
3.Baby Workout: Jackie Wilson
4.Shake : Sam Cooke
5.A Change Is Gonna Come : Sam Cooke

サム・クックとジャッキー・ウィルソンの2回目。ふたりとも黒人音楽の主流がリズム&ブルーズからソウルへ移行する50末~60年代に活躍した当時のスターだ。前回少し話したが、歌や音楽は最後にはその個人の性格や人間性が現れてしまうから同じ時代に同じフィールドで活躍していても出てくる歌はまったく違う。しかし、ショー・ビジネスの世界で成功するためには、本人の才能や運だけではどうしょうもない。そこには才能のあるプロデューサーやマネージャーがいないと大スターにはなれない。サムはミュージシャンでありながら自らをプロデュースできたし、会社を設立するなどマネージメントの才能もあった。その音にいつも何か新しさを感じさせるサムに比べて、ジャッキーは古いラスベガスのショーのようなサウンドが続く。歌を歌うしかないジャッキーは先見の明のないマネージャーやプロデューサーに新しい自分を作ってもらえず先細りしていき、75年にステージで心臓発作で倒れたのが原因で植物人間のようになり長い闘病生活の末、84年に49才でこの世を去った。
一方、サムはそれよりもっと早い64年にいまだに真相がはっきりしない女性がらみの事件で発砲され射殺された。33才という若さだった。政治社会に対する意識も高かった黒人シンガー、サムが生きいたらどんな曲を作り歌っていただろうといまも惜しまれる。最後のA Change Is Gonna Comeはサムが人種の平等を求めて作ったメッセージ・ソングで、永遠に歌い継がれる名曲。

2015.5.22.ON AIR MUSIC

GOLDEN BEST : JACKIE WILSON (ULTRA-VIBE CDSOL-5109)
THE MAN AND HIS MUSIC  : SAM COOKE (RCA R32P-1041)
20150519-01 20150519-02

ON AIR TRACK LIST
1.Reet Petite/Jackie Wilson
2.I’ll Come Running Back To You/Sam Cooke
3.To Be Loved/Jackie Wilson
4.You Send Me/Sam Cooke
5.Lonely Teardrops/Jackie Wilson
6.Everybody Loves To Cha Cha Cha/Sam Cooke

50年代終わりから60年代にかけて黒人音楽シーンの大の人気者だったふたり、ジャッキー・ウィルソンとサム・クック。
日本ではサム・クックの方が圧倒的に知名度が高いのですが、アメリカの黒人ミュージシャンたちのインタビューなんかでは、例えばマイケル・ジャクソンなどもジャッキー・ウィルソンに影響を受けたことを盛んに話してます。ジャッキーのそのステージのダンサブルでワイルドな様子は実際見てみないと分からないのですが、こちらのyoutubeを見てもらうとその片鱗は少しわかるかと思います(https://www.youtube.com/watch?v=1WXZmjUtlJw)軽やかなステップを見てください。たぶん、マイケルはステージでのダンスにもすごく影響を受けていると思います。
ワイルドなジャッキーに比べてどこか優美なイケメン・サムはこちら(https://www.youtube.com/watch?v=7yIMt-aZjCo)
でも、なぜサムが白人層までそしてヨーロッパや日本まで人気を広げたのにジャッキーはそこまでいかなかったのか、この同時代の才能にあふれたふたりのそれぞれの性格と個性、そして運命を二回に渡って音源を聴きながら話してみようと思います。

2015.5.15.ON AIR MUSIC

追悼 シーナ (Sheena&The Rokkets vol.2)
25th Anniversary DREAM BOX : SHEENA & THE ROKKETS
(Victor VIZL-81)
20150514
ON AIR TRACK LIST
1.Heart Ni Hi O Tsukete : Sheena&The Rokkets
2.Cry Cry Cry : Sheena&The Rokkets
3.Rough Neck Blues : Sheena&The Rokkets
4.Happy House : Sheena&The Rokkets
5.You May Dream: Sheena&The Rokkets

 

 

 

先週に引き続き、2/14に若くして逝去した亡きシーナへの追悼番組をOn Airします。
日本の女性シンガーの中でシーナはかなり個性的な存在だった。例えば最近増えている弾き語りの女性シンガー・ソングライターでもないし、クラブ系の女性シンガーでもない、歌謡ポップロックの歌手でもない、アンダーグラウンドなシンガーでもない。
シーナはローリング・ストーンズ、キンクスなど60年代ブリティッシュ・ロックとパンクをルーツに持ちながら、更にその奥にあるR&Bやブルーズのテイストもあり、ガールズ・グループのロネッツのようなポップな要素もある。
歌声はビター&スウィートであるだけでなく、曲のタイプによって出てくる声がそれぞれ違うのだ。僕は「シーナの7色の歌声」と呼んだこともあるが、いろんな歌声を出してもそれがわざとらしく聴こえないところが希有なところだ。それはシーナ自身は意識していたのか無意識だったのかわからない。歌う時、録音する時に曲によって咄嗟にその曲のイメージの声を出していたのかも知れない。
ファッションから化粧からステージでの立ち振る舞いまでシーナにはシーナの確固とした美意識がはっきりとあった。その美意識は歌の中にもありそれが作られてきたルーツは彼女のヒップな、自由な精神から来ていると思う。それは天性のものだ。
ステージでの彼女を見ていると、「ロックは楽しいよ。歌うことは楽しいよ。ダンスすることは楽しいよ。そして、ライヴで来てくれたみんなと一緒に盛り上がることも楽しいよ」と言っているようだった。
そして、愛するマコチャンと生きてきたことも家族と一緒にいることもシーナにとってはこの上なく楽しいことだったと思う。
いま、そのすべてがなくなってしまったことを思うと、この世を去らねばならなかったシーナのことを想うと落涙しそうになる。

ロケッツはシーナを大切に心の中にしまってこれからもロックの宇宙を飛び続けると宣言している。
マコチャン、また一緒にブルーズを演りましょう!ブルーズの話をしましょう!そして、シーナの話をしましょう!
奈良くん、川嶋くん、追悼ライヴ「シーナの夜」の時は最高のバックアップをありがとう!

Hey!Hey!Sheena Is Always Alright! And We’re Alright!

2015.5.8.ON AIR MUSIC

追悼 シーナ (Sheena&The Rokkets vol.1)
GOLDEN HITS THE ALFA YEARS/SHEENA & THE ROKKETS
(SONY MUSIC DIRECT INC. MHCL1131)
20150513
ON AIR TRACK LIST
1.Lemon Tea : Sheena&The Rokkets
2.Koi No Dance Tengoku : Sheena&The Rokkets
3.You Really Got Me : Sheena&The Rokkets
4.Pinup Baby Blues : Sheena&The Rokkets

 

 

 

 

今年2月14日若くして天国に召されたシーナへの僕なりの追悼をします。
シーナの夫でありロケッツのバンマスであるマコちゃん(鮎川誠)とは、彼がサンハウス在籍時代からの付き合いでもう40年近くなる。僕の中では音楽業界で数少ない心を許せる友人であり、少し年上で聡明な彼から兄のように教えられることも多い。
そのマコチャンの奥さん、そして歌手としてシーナを紹介してもらったのは、ちょうど”You May Dream”がヒットしていた頃だった。もちろん、美しくキラキラと輝いて、不思議なオーラのあったシーナはとても魅力的でキュートと呼ぶにふさわしい女性だった。何度もステージを一緒にさせてもらって歌ったが、「ホトケは歌ってる時に恥ずかしがって私の目を見ないよね」と笑って言われてしまった。「シーナ、それはあなたがキュートできれいだったから古い男の僕はまともに見れなかったんだよ」と天国にいるシーナに伝えたい。
そのステージでの華やかなシーナからは想像できないくらい、一転してお宅では本当に料理が上手な奥さんであり鮎川家を仕切るお母さんだった。
番組で曲を流しながらひとりいろんなことを想い出していた。
でも、何がいちばん素晴らしいかと言えば、邪心など微塵もなく本当にロックを歌うことが、歌を歌うことが心から好きなのがシーナのすべての曲からわかることだ。歌うことを心から愛して楽しみ、ひとつひとつの曲を慈しみ大切にするという歌手にとっての最初の気構えを改めてシーナに教えてもらった。
ありがとう、シーナ。
また、次回もシナロケを聴きます!
Hey! Hey! Sheena Is Alright!

2015.5.1. ON AIR MUSIC

BLUES BLUES BLUES/SHERWOOD FLEMING
(KTI KTIC1016)

2015-05-11-2ON AIR TRACK LIST
1.Blues Blues : Sherwood Fleming
2.No Life For A Working Man : Sherwood Fleming
3.Come Back Baby : Sherwood Fleming
4.Bold Soul Brother (Bold Soul Sister) : Sherwood Fleming
5.No Support Blues : Sherwood Fleming

 

 

 

 

今年3月にリリースされたブルーズの新譜、シャーウッド・フレミングの「ブルース ブルース ブルース」
シャーウッドはなんと79才だ。そして初めてのアルバムだ。60年代の終わり頃にシングルを数枚出しただけでよほどコアなブルーズ・フリークでなければ、彼のことは知らない。実際、僕も知らなかった。ブルーズマンにはシングルを数枚出しただけでヒットせずに終わったような人はたくさんいる。しかし、レコーディングはなかったし話題にもならなかったが、彼はずっとウエストコーストのゲットーで歌い続けていたのだ。その歌声はまさに深みのある魂にあふれたパワフルなブルーズ・ヴォイスだった。
79才・・・・すでに仕事からリタイアしている人たちは、この現役のブルーズを歌わざるを得ない79才の歌声をどう思うのだろうか。しかも、そのブルーズの中には、相変わらず白人から圧迫される黒人社会からの告発という社会的な強烈なメッセージも含まれている。彼はずっとそういう状況に怒りつづけ、歌い続けてきたのだ。漫然と歌って来たのではなかった。
ブルーズの新譜に共感できるものが少ない昨今、このアルバムには覚醒させられた。