やっと見つけたテンプテーションズの来日盤レコード!
In Japan / The Temptations (Tamla Motown/日本ビクター SMOT51)
ON AIR LIST
1.Plastic Man / The Temptations
2.I Can’t Get Next To You / The Temptations
3.Love Woke Me Up This Morning / The Temptations
4.Just My Imagination / The Temptations
5.Papa Was A Rolling Stone/ The Temptations
ここしばらくレコード店に行くと必ず心の中で「テンプテーションズ、イン、ジャパン」と念じながらレコードを探していたが、ツアー先の大阪の中古レコード店でとうとうゲットしました。念じていて見つけたときはちょっとドキっとしました。少し高めの値段でしたがややレアなレコードなので即買い。
なぜこのアルバムを探していたかというと個人的に強く想い出に残っているのが、この73年に来日した時のテンプテーションズ。ソウルのコーラス・グループをライヴで聞いたのがこれが初めて。ソウルでNo.1のグルーブを聞いたわけです。その時の素晴らしいライヴの思い出がずっとあり、日にちと会場は違うのですが、この来日時のライヴアルバムがあるというのでずっと探していたわけです。
テンプテーションズは60年代初めに結成されて64年にリリースした”My Girl”が大ヒットして”Get Ready”,”The Way You Do the Things You Do”,”I Can’t Get Next To You”,”Papa Was A Rolling Stone”など60年代から70年代にかけてヒット曲がたくさんあるグループです。何度もメンバー・チェンジを繰り返しながら今も活動していて今年60周年記念アルバムもリリースしました。
64年にデヴィッド・ラフィンが加入してMy Girlの大ヒットが出た時のメンバーがオーティス・ウィリアムス、メルヴィン・フランクリン、ポール・ウィリアムズ、エディ・ケンドリックスの五人でこれですごい人気グループになりました。当時の映像がYOUTUBEなどで観ることができますが、歌だけでなく振り付け、ダンスも衣装も素晴らしいです。洗練されていて美しいステージ・パフォーマンスが見れます。68年にデヴィッド・ラフィンが脱退してデニス・エドワードが加入、73年にポール・ウィリアムズが自殺で亡くなり、エディ・ケンドリックスが脱退し新たにデイモン・ハリスとリチャード・ストリートが加入します。この来日のメンバーはその頃、オーティス・ウィリアムス、メルヴィン・フランクリン、デイモン・ハリスとリチャード・ストリート、そしてデニス・エドワードでした。
彼らはアルバムやシングルでも素晴らしいのですが、とにかくライヴの素晴らしさはソウル・グループのトップクラスでステージでのコーラスはもちろん、ダンスや振り付け、身のこなし、ステージ衣装も含めそのエンターテナーぶりは有名です。そんな彼らの初来日のステージを73年に観ることができたのはラッキーでした。
まずはそのライヴ・アメバム”n Japan / Temptations “のステージの始まりから三曲目までを続けて、彼らのライヴをちょっと味わってください。
最初からとても力強い歌と抜群のコーラス・ワークを聞くことができます。
1.Plastic Man / The Temptations
2.I Can’t Get Next To You / The Temptations
3.Love Woke Me Up This Morning / The Temptations
途中で「ありがと」と日本語で言ってましたが来日ライヴアルバムならではです。最初のプラスティック・マンはモータウン・レコードのプロデューサーで作曲家でもあり、この時代のテンプスの曲を一手に引き受けていたノーマン・ホイット・フィールドの曲で1973年のリリース。この来日コンサートの時は彼らのピカピカの新曲だったわけです。二曲目のI Can’t Get Next To Youは69年のヒット曲、アル・グリーンもカバーしている名曲ですがテンプスのこのライヴのテンポはかなり早いです。そして三曲目のバラード”Love Woke Me Up This Morning”と連奏するところはソウル・ショーのもう定番の流れです。
このライヴ盤を聴いて改めて思ったのはバック・ミュージシャンがかなり上手い。皆さんもソウルやブルーズのコンサートで感じたことがあると思いますが、バックバンドが良くなくてコンサートのクオリティが低くなっていること。
でも、このライヴは約半世紀前にぼくがすごく感動した理由の一つがわかりました。それはテンプスだけでなくバック・ミュージシャンも素晴らしかったからです。
調べましたら、テンプテーションズのステージというのは振り付け、ダンスの完璧さも含めて成り立っているので一つのツアーライヴの曲目曲順はきっちり決まっているようです。いわゆるショーとしてきちんと組み立てられていいるわけです。今のような連奏もたくさんあり、バックのメンバーも固定して練習しないとうまくできないわけです。録音にも参加しているメンバーがこのツアーにも参加したていたり、他のミュージシャンの録音にも参加している名うてのスタジオ・ミュージシャンだったり、全員とにかく上手い。
ライナー・ノーツを書かれている福田一郎さんがラスベガスで見た時とほぼ同じショー構成だったと記されてます。
全曲聞くことができないのでステージ最後の二曲をつ続けて聴いてください。
最初の曲はグラディス・ナイト&ザ・ピッブスでもヒットしましたし、ローリング・ストーンズもカバーしたJust My Imaginationで1971年チャート1位になっています。そして二曲目のステージ最後の曲は前年の1972年の全米1位、グラミーに輝いた”Papa Was A Rolling Stone”
MCからステージ最後の盛り上がりを感じます
4.Just My Imagination / The Temptations
5.Papa Was A Rolling Stone/ The Temptations
実はこのテンプテーションズのコンサートを聴きに行った時、あまりに素晴らしかったのでぼくは仲間と一生で一回きりの楽屋口で「出待ち」をしました。雪が舞い散っている寒い夜だったんですが、若かったのとライヴで興奮していたので寒さは感じなかったんでしょう。かなり長い間待ちました。
そしてメンバーが出てくると雪の中にいた僕たちにびっくりして、ぼくはオーティス・ウィリアムスに「寒かっただろう?大丈夫?」とハグされました。メンバー全員すごく優しくて紳士的でした。
その時ぼくらは「今夜のコンサートはすごく良かったです」とひとこと伝えたかっただけなんです。それを言うための出待ちでした。いい音楽を聞かせてもらった時の純粋な気持ちだったと今も思います。
デビューからのメンバーはオーティス・ウィリアムスだけになったが現在もテンプテーションズは活動しており、今年になって結成60周年を記念した”60 Temptations”をリリースしました。
そのアルバムもいつかON AIRしたいと思います。