★祝来日!メイヴィス・ステイプルズ大特集「メイヴィスと黒人音楽の歴史」Vol.3
ステイプル・シンガーズのスタックスレコード黄金時代


ON AIR LIST
1.Respect Yourself/The Staple Singers
2.I’ll Take You There/The Staple Singers
3.If You’re Ready (Come Go With Me)/The Staple Singers
4.Touch A Hand,Make A Friend/The Staple Singers
来日するソウル・ゴスペル・シンガーのレジェンド、メイヴィス・ステイプルズ特集の3回目
1970年にメンバーの移動があり息子のパーヴィスがグループを離れて代わりに姉妹のイヴォンヌが参加。ファミリー・グループという姿勢は変わらないまま70年代へ。
時代は黒人たちが自分らしさを表現し権利を堂々と主張するブラック・パワー、ブラック・イズ・ビューティフルの時代に突入。そんな時代背景の中、ステイプル・シンガーズが歌ったこの曲が大ヒット。彼らにとってチャート2位まで上がった初めての大きなヒットとなりました。「おまえが誰も彼もバカにして尊敬しないのなら誰もおまえのことを尊敬してくれないだろう。まずは自分に誇りを持って尊敬できる人間にならなきゃ」と歌ったこの曲は黒人として誇りを持ってしっかり生きていこうとメッセージした曲でした。1971年リリース。
1.Respect Yourself/The Staple Singers
この曲はゴスペルやメッセージ・ソングを歌って来た誠実なイメージのグループのステイプル・シンガーズ”にぴったりの曲。お父さんポップスの温かい説得力のある歌声から始まり、その後に続くメイヴィスの濃厚なゴスペル・ヴォイスでグルーヴが盛り上がって行く・・という素晴らしい出来になっています。
いまのRespect Yourselfの後にリリースされたのがチャート一位に輝いたI’ll Take You Thereでした。
黒人としての誇りや尊厳を大切に同じ黒人同胞に救いの手を差し伸べようとする次の歌は強い共感を得ました。
「誰も泣いていない誰も心配することのない場所にあなたを連れて行ってあげよう」
2.I’ll Take You There/The Staple Singers
この曲は二つのコードの繰り返しですが、そして歌詞も多くないんですがバンドのグルーヴとメイヴィスの歌のグルーヴとコーラスの素晴らしさで全くコード二つと感じさせない曲になってます。
今の2曲を含むアルバム”Be Atitude Respect Yourself”でステイプル・シンガーズは70年代の優れたソウル・グループとして歴史に残ることになりました。ゴスペル・ルーツのグループが60年代にフォーク・ソングやメッセージ・ソングを取り入れ、そこに70年代の新しい黒人の認識を示唆する曲がヒットしました。名盤です。プロデュースはスタックスレコードの共同経営者だったアル・ベル。録音はマッスルショールズ、フェイム・スタジオ。
1973年にはスタックス・レコードからの三枚目”Be What You Are”がリリース
このアルバムは前作の”Be Atitude Respect Yourself”からのコンセプトを引き継いだ内容でヒューマンな歌が歌われている。
同時代のビル・ウィザースの”Grandma’s Hands”をこのアルバムでカバーしているが、そのビル・ウィザースやカーティス・メイフィールドに通じるメッセージを感じる次の曲がチャート9位まで上がった。
とてもポジティヴな歌で「もし用意ができてるならさぁ私と一緒に行こう」
3.If You’re Ready (Come Go With Me)/The Staple Singers
初期のゴスペルの核心を失わずに70年代という時代のソウル・ミュージックに新しいスタイルを作り、それが共感を得てヒットしてメジャーになったゴスペルグループはいないと思います。
もう一曲メッセージソングです。
「新しい時代の息吹を感じないか。変化が起こっている。さあ、手を伸ばして、手に触れて、友達を作ろう。私たちは世界をよりよい場所にする道を進んでいるんだ」
4.Touch A Hand,Make A Friend/The Staple Singers
ヒットに恵まれた70年代のステイプルズ・シンガーズでしたが、いつも彼らの心にあるのはゴスペルでそれは揺るがないものでした。ずっと誠実な姿勢を変えなかった本当に尊敬するグループです。メイヴィスはインタビューでもよくパパ、パパとお父さんのことを話題に出すんですが本当にお父さんを中心に結束の強いグループで、メイヴィスはグループをいちばん大切に活動していたのでソロ活動への強い動きはしませんでした。
来週は80年代のメイヴィス・ステイプルズの歩みを聞いてみます。