2026.09.11 ON AIR

ニューオリンズ・ピアノの王様、ジェイムズ・ブッカー特集 vol.2

ON AIR LIST
1.All Around the World/James Booker
2.Eleanor Rigby/James Booker
3.Gonzo’s Blue Dream/James Booker
4.Professor Longhair Medley(Baldhead~Tipitina)/James Booker
5.Over The Rainbow/James Booker

ニューオリンズの伝説のピアニスト、ジェイムズ・ブッカーの2回目。
映画『Bayou Maharajah(原題)/愛すべきピアノジャンキー』の中でニューオリンズの女性シンガー、アーマ・トーマスがジェイムズ・ブッカーと一緒に演奏したときの思い出を話しているんですが、ブッカーに「今日は何を歌うの?」と聞かれて何曲か曲名をいうとあとはお喋りをしてるだけでブッカーはリハーサルを何もしなかったと話しています。
天才肌の彼の頭の中を知る由もないのですが、小さい頃から聴いてきたブルーズやR&B,ジャズなどの曲がすごい量、彼の頭の中にはインプットされていてそれをすぐさま演奏できる能力が彼にはあったのでしょう。
最初に聴いてもらうのはリトル・ウィリー・ジョンがオリジナルシンガーで、リトル・ミルトンやルース・ブラウンなどたくさんのR&B、ブルーズシンガーが歌った曲です。
歌詞は同じですが、”All Around the World”というタイトルと”Grits Ain’t Groceries”という曲名とふたつあります。「君のことを愛していないなんてことはありえない。愛しているのは当たり前だろう」という歌です。

1.All Around the World/James Booker

次はビートルズの曲のカバーなんですが、ブッカーはビートルズが好きだったらしく”Something”,”Penny Lane”,”Let It Be”,”Day Tripper”などいろいろカバーしているのですが、今回は”Eleanor Rigby”を聴いて見ましょう。

2.Eleanor Rigby/James Booker

アレンジというかピアノの流れが尋常ではないプレイですが、彼の頭の中をこの曲がそんな風に流れているんだと思うと・・やはり異才のピアニストです。
1976年にはアルバム『Junco Partnerをリリース、翌77年に『King of the New Orleans Keyboard』をリリースして70年代半ばはヨーロッパへ行ったり自分の活動を広げて行った時期でしたが、ドラッグとアルコールへの依存も強くなり次第に体調を壊すことが多くなっていったブッカーです。
最後のアルバムとなったのは1982年のアルバム『Classified』。翌83年にヘロインの過剰摂取で倒れそのまま腎不全で亡くなってしまいました。43歳でした。
次の曲はブッカーが若い頃にヒットを出した”GONZO”という曲にちなんだ曲です。”GONZO”というのは麻薬中毒者の名前らしいのですが、その”GONZO”の青い夢というタイトルです。

3.Gonzo’s Blue Dream/James Booker

誰もがブッカーの才能を認め、おそらく彼自身もピアニストとしての実力には揺るぎない自信があったと思いますが、やはりニューオリンズ・ピアノの創始者の先輩プロフェサー・ロングヘアには常に尊敬の念を持っていたのだと思います。
自分がどれだけピアノが上手くても地元ニューオリンズの音楽の大きな一面を作り残したプロフェッサーの存在は大きかったのでしょう。

4.Professor Longhair Medley(Baldhead~Tipitina)/James Booker

最後はスタンダード曲として有名なOver The Rainbowです。「虹の彼方のどこかに夢が叶う素晴らしい場所がある」という曲です。歌はなくピアノのインストルメンタルですが、僕は世界でいちばん哀しいOver The Rainbowやと思います。

5.Over The Rainbow/James Booker

ブッカーは虹の彼方に素晴らしい場所を見つけられたのでしょうか。
今でこそジェンダーへの理解は深まってきて性差別の意識はなくなる方向に向かっていますが、彼が幼少期を過ごした40年代、そして思春期の50年代は理解が少なくゲイであった彼は苦しむことも多々あったと思います。そしてドラッグの中毒となってそこから抜け出れなかったのは本当に残念です。今生きていたら87歳。年老いたジェイムズ・ブッカーのピアノもきっと良かったと思います。

2026.09.04 ON AIR

ニューオリンズ・ピアノの王様、異才ジェイムズ・ブッカー vol.1

ON AIR LIST
1.Gonzo/James Booker
2.Sweet Thing/Freddy King (James Booker p)
3.Black Minute Walts/James Booker
4.On The Sunny Side Of The Street/James Booker
5.Junco Partner/James Booker

5月の終わりから公開された偉大なピアニスト、ジェイムズ・ブッカーの生涯を描いたドキュメンタリー映画『Bayou Maharajah(原題)/愛すべきピアノジャンキー』をご覧になった方もいると思います。
映画で初めて彼のことを知った人もも多いかと思います。彼は大きなヒット曲があるわけでもなく1983年に43才の若さで亡くなってしまったのでニューオリンズの音楽を格別好きな人たちには知られた存在でしたが、ポピュラリティのあるミュージシャンではありませんでした。
私もファッツ・ドミノとかプロフェッサー・ロングヘア、アレン・トゥーサン、ドクター・ジョンなどのニューオリンズのピアニストは知ってましたが、ジェイムズ・ブッカーの音楽に出会ったのは80年代終わりあたりから自分の中でニューオリンズの音楽に急に興味が出てからです。

ジェイムズ・ブッカーは1939年にニューオリンズ生まれ。お父さんは牧師さん。
それで教会にあるオルガンに興味を持ち弾くようになり、リトル・ブッカーと呼ばれ11才でゴスペル専門のラジオ局で自分の番組を持ったほど才能に恵まれた子供だったようです。
その才能に気づいたひとりがニューオリンズのトランペッターでありバンド・リーダーでありプロデューサーでもあったデイヴ・バーソロミュー。
彼がブッカーを15才で初レコーディングさせました。そしてブッカーはこの頃からファッツ・ドミノなどの録音でスタジオ・ミュージシャンとしても活動し始めました。
音楽的にすごく早熟でその才能も傑出していたのだと思います。
20才頃まで順調に活動して22才の時1960年ピーコック・レコードからシングルでリリースされた”Gonzo”がR&Bチャート3位にランクイン。

1.Gonzo/James Booker

これがローカル・ヒットして少し名も知れたブッカーはシングルを三枚リリースしましたがその後はヒットはなし。しかし、そのピアノの腕前は音楽業界で評判になりアレサ・フランクリン、T.ボーン・ウォーカー、リンゴ・スターなどいろんなミュージシャンの録音に参加する腕利きのスタジオ・ミュージシャンになっていきました。
1969年に参加したフレディ・キングの”Freddie King Is A Blues Master”にも参加してまして、そこから一曲
ギター・インストの曲なのになぜかピアノもフィーチャーされているブッカーのビアノです。このアルバムを初めて聴いた1970年頃は僕は彼の凄さは全くわかっいなかったです。

2.Sweet Thing/Freddy King (James Booker p)

60年代の中頃からブッカーのドラッグの常習が始まり、1970年にヘロインの所持で逮捕されます。ドクター・ジョンの自伝でもネヴィル・ブラザーズの評伝でも当時のニューオリンズの多くのミュージシャンがドラッグを日常的に使用していたことが書かれています。
ジェイムズ・ブッカーはゲイでもありジャンキー(ドラッグ常習者)でもあり複雑な心の持ち主だったと思います。
ただこの映画の邦題でも「愛すべきピアノジャンキー」とジャンキーという言葉を使ってますが、僕はあまり好きではなく原題の”Bayou Maharaja”(バイユーはニューオリンズの湿地帯のことでマハラジャはインドの王様のことですが、ここでは(ニューオリンズのピアノの王様)という意味でしょう)の方がいいと思います。彼がゲイであったことやジャンキーであったことが大切なことではなく、大切なのは彼のピアノ・プレイ、彼の音楽性です。

ジェイムズ・ブッカーのソロ・アルバムを聴いたのは1976年録音の”Junco Partner”というアルバムでした。今もよく聴くアルバムですが、その1曲目がこの曲でした。

3.Black Minute Walts/James Booker

ニューオリンズ・ピアノが聴けると思ったら一曲目に流れて来たのがお聞きの不思議なクラシック調の曲でした。どこかで聴いたことがあると思ったら原曲はショパンの有名な「子犬のワルツ」でした。
ショパンの原曲タイトルは「マイニュート・ワルツ」ですが、ブッカーはそこにBlackをつけて「ブラック・マイニュート・ワルツ」というタイトルにしました。「黒い子犬のワルツ」です。一曲目にこれが出て来て驚きましたが、聴いているうちにピアノを弾けない私でもわかるとんでもないテクニックを駆使した演奏だとわかりました。
とにかくこのアルバムを聴く進むに連れてブッカーがこんなすごいピアニストだったんだと驚きました。もちろん次のようなニューオリンズ・テイストのお馴染みのナンバーも収録されているのですが、何か他のピアニストとは違う濃厚なフィーリングを感じました。

4.On The Sunny Side Of The Street/James Booker

次はアルバム・タイトル曲です。ジャンコ・パートナーですからジャンコはジャンキーつまり麻薬常習者。パートナーは仲間ですから麻薬常習者の仲間。まあその仲間が向こうからやってくる。本人が本人のことを歌っているような曲ですが、酒も飲んでいろんな麻薬もやっているどうしょうもないやつの歌です。
そのどうしょうもないものがブッカーの中に彼自身も持て余すような深くて大きな感情となってあったような気がします。

5.Junco Partner/James Booker

いろいろと問題のある人だったと思いますが、映画の中ではそのピアノ・ブレイを音楽的に説明して絶賛していたハリー・コニックJr.のシーンが的を得て素晴らしかった。彼はブッカーにピアノを教えてもらっていたミュージシャンです。もし、この映画「愛すべきピアノジャンキー」を機会があればぜひ逃さないで観てください。いい映画でした。
来週はもうすこし深くジェイムズ・ブッカーを聴きます。

2026.08.28 ON AIR

我がブルーズ・ザ・ブッチャーのニューアルバム”Live In Takutaku”がリリース!

ブルーズ・ザ・ブッチャー with 山岸潤史

『ライヴ・アット・磔磔』(p-vine PCD-18932)

ON AIR LIST
1.Tramp/blues.the-butcher-590213(ゲスト山岸潤史)
2.So Many Roads,So Many Trains/blues.the-butcher-590213(ゲスト山岸潤史)
3.Everything’s Gonna Be Alright/blues.the-butcher-590213(ゲスト山岸潤史)
4.Party Girl/blues.the-butcher-590213(ゲスト山岸潤史)

今回は手前味噌で申し訳ないのですが、7/22にリリースされた我がブルーズ・ザ・ブッチャーのニューアルバムをON AIRします。
今回はライヴアルバムです。録音は一昨年、京都のライヴハウス「磔磔」の50周年のお祝いのライヴだったのですが、ニューオリンズ在住のギタリスト山岸潤史が日本に帰ってきていたので彼をゲストに入れた録音を残しておこうというアイデアで始まったものです。
山岸が日本に帰国するたびにブルーズ・ザ・ブッチャーとのライヴは前からやっていたので別に改めてリハーサルすることもなく、当日のリハだけでオーパー・ダビングもなし当日のライヴをそのままアルバムにしました。
それでやっぱり一曲目はウエストロード・ブルースバンド時代から山岸と何度も演奏してきたこの曲でした。

1.Tramp/blues.the-butcher-590213(ゲスト山岸潤史)

当日は磔磔にたくさんのお客さんに来ていただいて演奏前から会場はムンムンとしたムードでした。
僕個人としてはウエストロード時代から数えるとライヴ・アルバムが6枚目になります。
どんなにライヴ録音が好きやねんと突っ込む人もいるかも知れませんが、スタジオで録音してもライヴのようなものなんですよ。
スタジオで録音してもみんなでせーので一緒に演奏して、テイクは三回くらいしかやらないし、後からダビングすることもありません。
お客さんがいるかいないかだけであとはスタジオもライヴも録音はほぼ同じなんです。
そういうことになっているひとつの大きな理由はブルーズという音楽の特性がそうだからです。ひとつひとつ音を積み重ねるように作っていく音楽ではないんですね。
基本的には全員の一発録りです。それはブルーズにはリアルさが必要だからです。
もうひとつ個人的には何度録音してもそんなに変わらない。
スタジオで何度もやっても急にいい演奏が取れるわけではないとぼくは思ってます。
録音以前の練習がしっかりしていなければ何度テイクを重ねても一緒です。と、偉そうなことを言ってますが、「ああ、ここをもうちょっとこうして弾けば良かったかなぁ」ということはあります。

2.So Many Roads,So Many Trains/blues.the-butcher-590213(ゲスト山岸潤史)

いつもブルーズ・ザ・ブッチャーではギターが自分だけなのでソロのバートに入るとバックの音が薄くなってしまいます。曲にもよリマスがこういうスロー・ブルーズでちゃんとしたバックアップのギターがいると本当に心強いです。
ちなみに山岸は指示しなくてもそれぞれの曲のバッキングを的確に弾ける知識とセンスと経験があります。次の曲も単音でバッキングを弾く私のギターを聴いてすぐさまコード・ワークをするところなど心強い山岸です。
コテツ君の歌です。

3.Everything’s Gonna Be Alright/blues.the-butcher-590213(ゲスト山岸潤史)

昔、山岸とよく聴いたファンキー時代に入ったT.ボーン・ウォーカーの曲です。こういうファンキー・ブルーズの曲はバックもソロも本当に山岸は上手いです。
毎晩フラフラと夜遊びばっかしている女性に酒飲んで遊んでばっかおると体壊すぞなんていう歌詞が出てきますが、勝手毎晩パーティボーイだった私なんかに言われたくないですよね

4.Party Girl/blues.the-butcher-590213(ゲスト山岸潤史)

山岸もわたしも70歳を過ぎて現在こういうピュアなブルーズのアルバムが残せて良かったと思います。ブルーズを演奏することを少しは楽しめるようになった気がします。それもブルーズ・ザ・ブッチャーが20年続けていつもバンド・ブルーズをできる状態が保たれてるところが大きいです。メンバーに感謝です。
”Live In Takutaku”はP-Vineレコードからリリースされてレコード店はもちろんネットでも購入できます。
また9/17からリリースツアーが始まるのでライヴ会場ではアルバムと同時にTシャツなどのグッズ、そして今年になって亡くなってしまった名ドラマー&シンガーのジェイムズ・ギャドソンと私たちブッチャーがコラボした7インチシングルも販売します。7インチシングルは限定なのでお早めにどうぞ。
P-Vine Records HP→https://p-vine.jp/music/pcd-18932
ツアースケジュールはこの番組のHPに掲載されているので参考にしてください。

2026.08.21 ON AIR

暑気払いブルーズギター・インストルメンタル名曲集 vol.3

ON AIR LIST
1.Matt’s Guitar Boogie #2/Matt “Guitar” Murphy
2.The Sad Nite Owl/Freddie King
3.Overall Junction/Albert King
4.Blind Arthur’s Breakdown/Blind Blake
5.Pico/Lowell Fulson

暑気払いブルーズギター・インストルメンタル名曲集の3回目 最終回です
今日の最初はブルーズ・ブラザーズの映画でご存知の方もいると思いますが、ギター名人マット・マーフィです。映画ではハンバーガー屋のオヤジ役でアレサ・フランクリンが奥さん役で出演してました。彼はメンフィスでジュニア・パーカーのレコーディングに参加したのを最初に、メンフィスそしてシカゴで多くのブルーズマンの録音、ライヴに参加していました。よく一緒に活動していたのはピアニストのメンフィス・スリムで、彼のアルバム”At The Gate Of Horn”での共演はぜひ探して聴いてください。
聴いてもらうのはマット・マーフィの1990年の”Way Down South”というアルバムからです。曲名が”Matt’s Guitar Boogie #2”ですが、実はマット・マーフィは”Matt’s Guitar Boogie”という曲を63年のヨーロッパ・ツアーのライヴ録音に残しているので、今日聴いててもらうのは最新版のような感じで”Matt’s Guitar Boogie #2”というタイトルで新たに録音したんだと思います。
とにかくギターのスピード感が素晴らしいです。元々、超絶にリズムのいい人でソロを弾かなくてもリズム・ギターだけで聴かせてくれる達人です。

1.Matt’s Guitar Boogie #2/Matt “Guitar” Murphy

このアルバム”Way Down South”にはマットの弟さんも参加していて弟さんもギターうまいです。いいアルバムです。
最近You Tubeはじめネットにはギターのうまい男の子とか少年少女とかたくさん出てくるのですが、ほとんどがすごい早弾きができる子なんですが、早弾きするためだけにギター弾く訳ではないので・・特に私のように歌うための伴奏楽器としてギターを使う場合はいかにリズムを正確に刻んで全体をグルーヴさせるということがまず大切で、そのあとその曲にそのギターソロがフィットしているかどうかで早弾きはいらないです。まあ早弾きできない者の言い訳みたいになってしまいますが・・。
次の曲のようにムーディに弾きたいと思うことはよくあります。
2分20秒の短くシンプルな曲ですが、とても印象に残るブルーズのインスト曲です。曲名は「夜遊びする悲しい人」

2.The Sad Nite Owl/Freddie King

ナイト・オウルは夜のフクロウですが、そこから夜遊びする人とか夜型の人とかの意味になります。フレディ・キングはギター・インスト曲をたくさん録音しましたが、こういうスローの曲は珍しいです。
次はアルバート・キング。アルバートはもっとたくさんインスト曲あるかなと思ったら意外と少ないですね。まあライヴになると特にですが、ギター・ソロが長い人なのでなんかインストが多い印象があるのかもしれません。イントロがカッコいいですから聞き逃さないでください。

3.Overall Junction/Albert King

ブルーズのギター・インストはエレキより前のアコギの時代からあってたくさんのギター名人が登場しました。
時代をグーンと遡って1929年です。日本は昭和4年、ラグタイム・ギターの名人ブラインド・ブレイクの録音です。とても1人でやっているとは思えない超絶テクニックのギター・プレイです。
正確であることはもちろんですが何コーラス弾いてもリズムが崩れない。なんか曲芸のような感じもしますが、これだけ弾けたらさぞ気持ちいいでしょうね。

4.Blind Arthur’s Breakdown/Blind Blake

素晴らしいです。この手のアコギ時代のブルーズギター名人もたくさんいるのですが、今回はモダン・エレキ・ブルーズで聞いてもらいました。
最後はですね、大御所ロウエル・フルソンのインスト曲ですが、「オマエふざけてんのか」という感じの曲です。ふざけてはいなくてファンキーです。ファンキーってこういうことなんとちゃうかと言いたい曲です。「ピコ」と曲名もふざけた感がありますが、曲がですね彼の大ヒット曲”Tramp”のオケをそのまま使ってるような曲です。まあ、歌を抜いてインストのオケに使ったという・・そのB級な発想が素晴らしくファンキーです。一度ステージでやってみたいなと思ってます。

5.Pico/Lowell Fulson

原曲の”Tramp”知ってる人はわろてまうおもろい曲ですよね。

三回にわたって暑気払いブルーズギター・インストルメンタル名曲集やりました。元気になったでしょうか。前からブルーズ・ギターのインスト特集をやってくれというリクエストはあったのですが、いかがでしたか。念を押しときますがブルー

2026.08.14 ON AIR

暑気払いブルーズギター・インストルメンタル名曲集 vol.2

ON AIR LIST
1.Frosty [1962 Single Version]/Albert Collins
2.Two Bones And A Pick/T.Bone Walker
3.Blues In D Natural/Earl Hooker
4.Steady Groove/Robert.Jr.Lockwood
5.San-Ho-Zay /Magic Sam

暑気払いブルーズギター・インストルメンタル名曲集の2回目です

ブルーズ・ギタリストでインストルメンタル曲を多く残している人といえば、今日最初に聞いてもらうアルバート・コリンズもそのひとり。コリンズは「テレキャスターの魔術師」と呼ばれたギタリストですがいつもフェンダー社のテレキャスターを使っていていい音を出していました。
初期の頃はあまり歌が上手くないのでインストルメンタル曲を聴いている方が安心して聞けました。でも、歌っているうちにだんだんと歌もそれなりに味が出ていい感じになっていきましたがやはりギターソロの範囲が広い人でした。ライヴでは長いシールドを使って客席まで降りてきて弾くと言うサービス精神たっぷりのパフォーマンスをやってくれました。なんか懐かしい。では最初の曲、曲名がフロスティですから、「霜が降りる」「ひやっと冷たい」「寒い」という意味です。彼の曲名にはFrostyとかFrostbiteとかIcy BlueとかSnow Coneとか冷たい、涼しい関連のタイトルが多いのですが、演奏はいつもHotです。

1.Frosty [1962 Single Version]/Albert Collins

次の曲はT.ボーン・ウォーカーがアトランティック・レコードに残したアルバム”T.Bone Blues”からで1957年の録音。当然T.ボーン名義になっていますが、ジャズ・ギタリストの名手バーニー・ケッセルが参加していてT.ボーンと2人でギターでハモったりしているおしゃれながらダイナミックな曲で、バックの演奏、アレンジ、サウンドが全て完璧なインスト曲です。Two Bones And A Pickの曲名の意味がよくわからないのですが、Two Bonesは二本の骨、Pickはギターを弾くときのピック「日本の骨とピック」?誰か意味がわかったら番組HP経由で教えてください。

2.Two Bones And A Pick/T.Bone Walker

ジャズ・ギタリストの名手バーニー・ケッセルとのコラボでしたが、T.ボーンはジャズ・ギタリストというジャンルに入れてもおかしくないです。ギター・プレイのタイミングやリズムの取り方、コードの使い方、ギターのフレイジングにジャズの要素が入っていて、ジャズとブルーズの美味しいところを知っているのがT.ボーンのギターです。
次のアール・フッカーはT.ボーンとはちょっとテイストの違ったギター名人です。
かのジョン・リー・フッカーの従兄弟ですが、互いにあまりに違う芸風で笑ってしまいます。ジョン・リー・フッカー最高のブルーズ・ヴァィスを持っていますが、アール・フッカーは歌を歌いませんでしたがギターに関しては多彩な技を持った名人。逆にスライドもレギュラーも上手いギターの名手としてシカゴ・ブルーズの多くの録音に参加しスタジオ・ミュージシャン的でもありました。聴いてもらうの1960年の録音でこれはスライド・ギターのインストルメンタル曲。タイトルのDナチュラルはマイナーではない。Dメイジャーのことです。なんか安易な感じですが素晴らしいスライド・ギターが聞けます。

3.Blues In D Natural/Earl Hooker

アール・フッカーはギターの職人的なスタンスで活躍した人ですが、ギター職人といえば次のロバート・Jr.ロックウッド
サニーボーイ・ウィリアムスン他多くのレコーディングで見事なギター・プレイを残した人です。伝説のブルーズマン、ロバート・ジョンソンの義理の息子でジョンソンからギターを直接教えてもらった唯一のブルーズマン。彼のギター・テクニックにはそのジョンソンの影響とジャズ的なアプローチがミックスされた見事なブルーズギターで印象に残ります。
彼が1972年にデルマーク・レコードからリリースした初めてのソロ・アルバム”Steady Rollin’ Man”に収録されたインスト曲で、私もカバーして時々弾いてますがおそらく一生の課題曲です。

4.Steady Groove/Robert.Jr.Lockwood

次は1968年デルーマーク・レコードからリリースされたマジック・サムの2枚目のアルバム”Black Magic”に収録のSan-Ho-Zay
この曲はフレディ・キングが作ったものですが、ぼくにとってはブルーズを聴き始めた頃にサムのアルバムで聴いたのが先だったので忘れられないギター・インストの曲です。カリフォルニアにあるSan Jose(サン・ノゼ)を英語読みすると「サン・ホゼ」に。
最初に組んだウエストロード・ブルーズバンドでも亡き塩次伸二が取り上げてステージの一曲目としてよく演奏していました。

5.San-Ho-Zay /Magic Sam