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2024.05.17 ON AIR

60年代ニューヨークのディープ・ソウル・シンガー、フレディ・スコット

The Very Best Of Freddie Scott(BSMF-7714)

ON AIR LIST
1.Hey Girl/Freddie Scott
2.Are You Lonely For Me/Freddie Scott
3.(You) Got What I Need /Freddie Scott
4.Cry To Me/Freddie Scott

アメリカの東北でニューヨークの北、ボストンに近いロードアイランド州のプロヴィデンスという街でフレディ・スコットは1933年に生まれています。子供の頃はおばあちゃんのゴスペル・グループに入って歌っていました。ロード・アイランド大学に入って薬学の勉強をしていたのですが、卒業後にシンガーとして56年にデビュー。でも、鳴かず飛ばずでしたがソングライターとしても活動をしていたようです。それがデビューから6年後1962年にジェリー・ゴフィン、キャロル・キング作「Hey Girl」という曲がヒット。ポップチャート、R&Bチャート共に10位まで上がりました。この時フレディ・スコット29歳です。まずその”Hey Girl”を聞いてみましょう。別れ間際の彼女に君に行ってしまわれたら俺はどうして生きていけいいいんだと言っている歌ですが、ともすると単調になりがちな曲調ですがフレディ・スコットの歌の後半に向かっていくソウルフルな歌唱力が素晴らしいです。

1.Hey Girl/Freddie Scott

今日のON AIRのタイトルが「60年代ニューヨークのディープ・ソウル・シンガー、フレディ・スコット」なんですが、ディープ・ソウルという言い方は南部のソウルを指すこととが多いのですが、60年代に今日のフレディ・スコットやガーネット・ミムズ、ハワード・テイト、リンダ・ジョーンズなどニューヨークあたりで活躍していたゴスペルに根ざしたシンガーのことをニューヨークのディープ・ソウル・シンガーと呼びます。
フレディ・スコットは今のHey Girlのヒットが出てから次のヒットがなかなか出ませんでした。いわゆる一発屋で終わるのかと思われましたが、4年後66年にAre You Lonely For Meが大ヒット、R&Bチャートの1位になります。「寂しくないかオレに会えなくて。オレはおまえに会えなくて寂しいよ。最後の金を使って故郷のジャクソンヴィルへ帰るよ。待っててくれよ。お前のいる故郷へ帰るよ」この曲でも彼の歌唱力の素晴らしさがよくわかります。

2.Are You Lonely For Me/Freddie Scott

この曲はR&Bチャートで一位、ポップ・チャートでも39位まで上がりましたが、広く白人層まで名前が知れ渡ったシンガーにはなりませんでしたが、ブラック・ミューシックのエンターテイメントの世界では歌の上手い歌手として認識されました。

フレディ・スコットはソングライターでもあり、アレサ・フランクリンのお姉さんであるアーマ・フランクリンのプロデューサーをやったり、デモ・テープ・シンガーもやってました。最初に聞いてもらった”Hey Girl”もチャック・ジャクソンのために書かれた曲をデモ・テープでフレディが歌ったところ「フレディの歌、ええやん」ということになりフレディが正式に録音されました。
次は少しアップテンポの曲で硬派なディープ・ソウルを聞かせてくれます。

3.(You) Got What I Need /Freddie Scott

では、最後に僕の大好きな曲で1962年に同じディープ・ソウル・シンガー、ソロモン・バークによってヒットとなった”Cry To Me” 「君の恋人が君を一人にして誰からも電話もない時泣きたい気持ちにならないか。ぼくはここにいるよ、おいでぼくの胸で泣きなよ。一人っきりでグラスのワインを飲むことほど悲しいことはない。一人きりで歩くことはない。ぼくの手を掴んでぼくと一緒に歩かないか・・泣きたい時はぼくの前で泣いていいんだよ。」

4.Cry To Me/Freddie Scott

最後のヒットが1970年にリリースされたボブ・ディランの名曲”I Shall Be Released”のカバーでした。そこからあまり名前を聞かなくなってしまったのですが彼は地道に活動していました。
2000年に入ってからもライヴ活動を続けてオールディーズのミュージシャンが集うコンサートなどにも出演したりアルバムもリリースしていましたが、ヒットには至りませんでした。
そして、フレディ・スコットは2007年にニューヨークで74歳でその生涯を閉じました。
今日聞いてもらったフレディ・スコットのアルバム”The Very Best Of Freddie Scott”は1/26に日本のBSMFレコードからリリースされています。日本ではあまり知名度はありませんでしたが、ゴスペル・ベースの実力のあるシンガーでどんな歌にもソウルを吹き込んだ歌手、フレディ・スコットでした。

2024.05.10 ON AIR

The Birth Of Boogie Boogie/ブギ・ウギの誕生(P-Vine PCD-25379)

ON AIR LIST
1.Pine Top’s Boogie Woogie(Take1)/Pine Top Smith
2.Yancey Limited/Jimmy Yancey
3.The Dirty Dozen/Speckled Red
4.I Don’t Know /Cripple Clarence Lofton
5.Boogie Woogie Prayer/The Boogie Woogie Trio

ある日、P-Vine レコードから今日ON AIRする「ブギ・ウギの誕生」のアルバムが送られて来た。それでP-Vine レコードのディレクターのAさんにお礼のメールをしたところ、去年NHKの朝ドラの「ブギ・ウギ」が評判になっている頃にAさんに「ブギ・ウギ・ピアノ」のコンピレーション・アルバムを出したらどうですか?と提案したのはこの私だったことがわかった。そう言えば飲んでる席でAさんにそんなことを言ったのをすっかり忘れていた。ブギウギが話題になっていたので日本盤で解説や歌詞が付いたアルバムをリリースしたらブギ・ウギをより知ってもらえると思ったからだ。そしてこのアルバムの選曲と解説をしているのが今年1月28日に亡くなったミュージシャンであり音楽ライターでもあった小出斉君だ。このアルバムが彼のライターとしての最後の仕事となった。
では、小出君の解説に沿ってこのアルバムを今日は聞きます。去年から今年にかけてこの番組でもブギ・ウギ・ピアノの特集を数回に分けてやって来たので今日は以前と曲が被らないように選曲したいのですが、ブギウギが広く知られるきっかけとなったこの曲はもう1度聞いてください。

1.Pine Top’s Boogie Woogie(Take1)/Pine Top Smith

1928年に録音されたパイントップ・スミスのこの曲がブギウギと名前がつけられた最初の曲で、これがヒットしたことで最初のブギウギ・ブームが始まりました。小出君の解説にも書かれていますが、歌詞に「ぼくの言う通りに踊って欲しいんだ。ストップと言ったら止まって踊るときにはブギウギと声をかけるから」と言う歌詞でもわかるようにブギウギは新しいダンス・ミュージックだったんです。
ブギウギの流行によってピアニストたちの演奏の技にも磨きがかかり、いろんなタイプのブギウギの曲が生まれていくのですが、次はピアノ演奏のスピード感が素晴らしく崩れないリズムのグルーヴ、特に左手で見事にキープされたリズムには息を呑みます。
1939年録音のジミー・ヤンシーのピアノ・インスト曲

2.Yancey Limited/Jimmy Yancey

次のスペックルド・レッドは「バレルハウス・ピアニスト」と呼ばれ、20年代から30年代にいろんな街を放浪しながらバレルハウスと呼ばれる酒場で夜な夜なピアノを弾いて生活した人です。大きな街であれば酒場にピアノがあり放浪のブルース・ピアニストとして金を稼ぐことができたという当時の酒場でのピアノの普及率に驚きます。改めて言いますがエレキ・ギターが普及する前、ブルーズはピアノの時代だったのです。日本だといまだにライヴハウスにピアノがないところが多いです。
曲名のダーティ・ダズンというのは子供が相手の子供のお母さんを茶化して言う遊びで、ぼくが子供の頃に「オマエの母さんデベソ」とか言い合ってたのと同じです。

3.The Dirty Dozen/Speckled Red

今のは1929年の録音でしたが、次のクリップル・クラレンス・ロフトンの曲はその約10年後の1939年頃の録音です。
ブギ・ウギ・ピアノのブームは意外と長く続きブルーズのスタンダードな音楽形式の一つとなり、そこからジャンプ・ブルーズやギターによるブギ、そしてロックンロールへと繋がっていきました。
ではクリップル・クラレンス・ロフトンのヒット曲。

4.I Don’t Know /Cripple Clarence Lofton

ちなみにクリップル・クラレンス・ロフトンのクリップルというのは手足が不自由なことでクラレンス・ロフトンも生まれながらにして片足が不自由だったそうです。

ブギ・ウギ・ピアノの魅力を広く白人たちにも知らしめたのが1938年にNYのカーネギーホールで催された「フロム・スピリチュアルズ・トゥ・スイング」というコンサートで、この番組でも以前そのライヴアルバムをONAIRしました。そこに登場した名ピアニストの3人が、ピート・ジョンソン、アルバート・アモンズ、ミード・ルクス・ルイス。その3人がピアノ3台で繰り広げたブギウギの素晴らしさがブギウギをよりボビュラーなものにしました。では「ブギウギ・トリオ」と名付けられた3人による演奏です。

5.Boogie Woogie Prayer/The Boogie Woogie Trio

今日聞いた「ブギ・ウギの誕生」は4/10にP-Vineレコードからリリースされています。選曲も解説も充実しているので是非ゲットしてください。
解説の最後に2023年12月29日という日付があり小出君は亡くなるちょうど1ヶ月前にこの原稿を書き上げている。かってブルーヘヴンというバンドで共に活動した小出君の最後の仕事にこのアルバムのリリースを提案した私が少し関われてよかったと思う。小出君のご冥福を祈ります。永井ホトケ隆でした。

2024.05.03 ON AIR

内容が良くて値段がお得なブルーズ廉価盤の紹介

Lighting’ Hopkins/Four Classic Albums Third Set
(Avid Entertainment EMSC1363)

ON AIR LIST
1.Children’s Boogie/Lightnin’ Hopkins
2.Automobile Blues/Lightnin’ Hopkins
3.Rolling And Rolling/Lightnin’ Hopkins
4.Heavy Snow/Lightnin’ Hopkins
5.Rocky Mountain/Lightnin’ Hopkins

今日は小遣いの少ない若者にも安く買える、しかも質の高いブルーズのコンピレーション・アルバムの紹介です。
たまたまレコード店で見かけゲットしたライトニン・ホプキンスの二枚組廉価盤「ライトニン・ホプキンス/フォー・クラシック・アルバムズ サード・セット」を紹介します。これはライトニンのアルバムが4枚収録されていて全42曲で1400円という廉価CDです。この中の二枚を僕はすでに持っているのですが他の二枚はないので値段も安いので即買いしました。
収録されているアルバムは”The Rooster Crowed In England”と”Lighting’ Strikes”そしてLightnin’ (The Blues Of Lightnin’ Hopkins)さらに”Last Night Blues”の4枚のアルバム、テキサス・ブルーズの偉人のアルバムが廉価で4枚これは聞き応えあります。

”The Rooster Crowed In England”というアルバムは1959年にライトニンの故郷テキサス、ヒューストンで録音されイギリスの”77records”というレーベルからリリースされたもので59年と54年の録音が収録されています。このアルバムを僕は知らなかったけどイギリス人がコンピレーションしたものはセンスが良かったり、面白いものが多いので興味がありました。まずはその”The Rooster Crowed In England”のアルバムから1曲
ライトニンによくあるタイプの曲で語りをしながらのギター・インストルメンタル曲です。ギターのリズムめっちゃいいです。
ジョン・リー・フッカーにBoogie Chillunという有名な曲がありますが、これはChildren’s Boogie

1.Children’s Boogie/Lightnin’ Hopkins

喋ってる声だけでカッコイイ!もうギターも素晴らしすぎてバンドなくてもライトニンのギターだけで踊れます。これいつも僕は爆音で聴いてるんですが、ジミヘンみたいです。
ちなみに調べましたら今の曲が入っているアルバム”The Rooster Crowed In England”のオリジナルレコード盤は¥15,000くらいでオークションにでてますが、このCDは4枚入って¥1400ですから・・安いです。

今日聞いているLighting’ Hopkins/Four Classic Albums Third Setという二枚組CDの中の次はLightning’というアルバムからAutomobile Bluesという曲を。
Automobileオタモビールですから自動車ブルーズです。
ライトニン独特の哀愁のあるブルーズです。歌詞は「オマエが新しい車に乗ってるのを見たよ。ハンサムなドライバーの横でオマエは嬉しそうにしてた。化粧もバッチリしてオマエは新しいドライバーを見つけたんだな。オレはまだ愛してるよ」

2.Automobile Blues/Lightnin’ Hopkins

ブルーズによくある車を題材にしたもので運転するドライバーが男という設定です。ロウエル・フルソンにも”Too Many Drivers”という「お前には運転手が多すぎる」つまり「遊んでいる男が沢山いる」というブルーズがあります。まあ、車はアメリカの必需品ですからこういうブルーズもたくさん生まれるのでしょう。
ちなみに「ライトニンに駄作なし」と言う言葉がありますが、その言葉通りで「このアルバムはあかんなぁ」というのはありません。どのアルバムもそれなりにどこか聴きどころがあります。ライトニンのアルバムはどれも音楽的にやっていることは同じでギターがエレキかアコギかあるいは弾き語りかデュオか何人かバンドでやってるかくらいの違いです。でも、ライトニン本人はどんなシチュエーションでもほとんど、いや全く変わらないブルーズマンです。なのにアルバムを見つけると買ってしまうという・・ライトニンには常習性があります。
次はこの4枚のアルバムの中ではいちばん有名な、名盤と呼ばれているVee Jay レコードの”Lighting’ Strikes”
1961と62年にテキサス、ヒューストンで録音され、2曲がドラムとベース入り他はライトニンひとりの弾き語りでアルバムです。
シャッフル・ビートのグルーヴがたまらないダンス・ナンバーです。

3.Rolling And Rolling/Lightnin’ Hopkins

こういう曲はもうライトニンの独壇場。誰もこのひとりでやっている格好良さはできないです。
次のスローブルーズ曲も”Lighting’ Strikes”に入ってる曲ですが、イントロのギターからしてもうすごいです。
ニューヨークでクリスマスの時にすごい雪が降った話みたいですが歌詞がよくわかりません。でもなんかすごいことになってます。
最初のアグレッシヴなギターが嵐のような雪模様を表現してるのでしょうか。

4.Heavy Snow/Lightnin’ Hopkins

なんかライトニンを聞いていると小さいことはどうでもよくなってきて元気出るんですよ。
似た曲がいっぱいあってもいいんです。なんでもそうですけど色々やらないとダメなんじゃないかと悩んだりする時にライトニン聴くと得意なのが二種類あればいいのかなんて思ってしまう。
もう一枚は”Last Night Blues”これは1962年にハーモニカのサニー・テリーを迎えてドラムのベルトン・エヴァンスとベースのレナード・ガスキンのバンドスタイルで録音したもの。ライトニンはアコースティック・ギターを弾いてます。ではそのアルバムから

5.Rocky Mountain/Lightnin’ Hopkins

途中で「ホォー」って雄叫びをあげてたのはハーモニカのサニー・テリーです。

ON AIRしたアルバムのジャケット写真とか曲名は番組のHPに掲載しているのでぜひ参考にしてください。
覚えておいてください、「ライトニンに駄作なし」!

2024.04.26 ON AIR

レイ・チャールズのブルーズ

“The Genius Sings The Blues” & “Yes Indeed!”

ON AIR LIST
1.The Midnight Hour/Ray Charles
2.Night Time Is The Right Time/Ray Charles
3.I’m Movin’ On/Ray Charles
4.Lonely Avenue/Ray Charles
5.Hard Times/Ray Charles

いろんな分野で才能のある人のことを「天才」とか英語で「ジニアス」とか言いますが、僕はあまりそう呼ぶのが好きではないです。もちろん才能があることはわかるんですが、天才と呼ばれるのは桁外れに才能がある人のことで普通は才能よりもかなり努力している人のことだと思います。安易に天才という言葉を使うのはその人の努力を見ていないようで好きではないです。でも、今日聞いてもらうレイ・チャールズは天才だと思います。しかも努力の人でもありました。
実際彼がステージに呼び出される時のMCでは”Ladies & Gentleman,Genius Ray Charles”と呼ばれています。

今日はそのレイ・チャールズのブルーズ時代の素晴らしい曲を聴いてみようと思います。レイがまだ自分のオリジナルのヒットを出す前、彼は50年代ウエストコースで売れていたピアノのブルーズマン、チャールズ・ブラウンみたいになりたいと思いチャールズ・ブラウンのような曲を作って歌ってました。そのチャールズ・ブラウンの影響がもろにわかるブルーズを聴いてみましょう。
1952年アトランティック・レコードでの最初のセッションで録音された曲です。

1.The Midnight Hour/Ray Charles

ジャズ・テイストのブルーズです。レイには悪いのですがこれと言った特徴のない曲です。40年代から50年代はまだレイの才能が開花する前で同じ黒人で広く人気のあったチャールズ・ブラウンやナット・キング・コールなどが彼の目標だったんですね。
次は大手のABCレコードに移籍する直前にアトランティック・レコードから1959年にリリースされたシングルです。このブルーズのテイクでは完全にレイ・チャールズらしさが出ています。つまりゴスペル・テイストが溢れていてブルーズがR&Bに移行していく新しさが感じられます。イントロのサックスの切り込み方もブルージーでカッコいいし、途中から歌うレイのバック・コーラス「レイレッツ」の女性シンガー、マージー・ヘンドリックスの強烈な歌声も忘れられません。

2.Night Time Is The Right Time/Ray Charles

今の曲は60年代にレイ・チャールズ大好きシンガー、イギリスのジ・アニマルズのエリック・バードンが録音してます。ぼくは中学生の頃、最初にこの曲を聞いたのはそのエリック・バードンが最初でした。
レイ・チャールズには50年代にリリースしたブルーズをコンピレーションした”The Genius Sings The Blues”というブルーズ・アルバムがありその中に入っている次の曲が好きで何回かトライして歌ったのですがなかなかうまく歌えない曲です。バックの演奏も難しい曲です。オリジナルはカントリー&ウエスタンの有名シンガー、ハンク・スノウです。

3.I’m Movin’ On/Ray Charles

カントリー・ウエスタンのオリジナルなんですがブルーズであり、ゴスペルでありR&Rっぽくもあるというクールな曲です。今のも1959年のリリースですがやはりすでにレイ・チャールズのサウンドが出来上がってます。
1954年にレイは”I Got A Woman”という曲をリリースするのですが、それが彼を有名にした曲でブルーズをベースにしながら新しいR&Bサウンドと彼の素晴らしい歌唱が花開いた曲です。
次の曲は名ソング・ライター、あの「ラストダンスは私に」のドク・ポマスが書いた曲です。
「君がこの街からいなくなってから寂しい日々だ。部屋には窓が二つあるが陽は差さない。泣きたいよ、死にたいよ。私は寂しい通りに住んでいるよ」

4.Lonely Avenue/Ray Charles

レイ・チャールズは60年代に”Georgia On My Mind”はじめ数えきれないくらい後世に残る曲を発表しました。白人のカントリー&ウエスタンの曲も自分流のゴスペル・マナーで歌い、アレンジしてゴスペルのようにするんですが、でもどこかに白人にも受けるようにポップス性を残したアレンジやサウンドにするという技。
次のハード・タイムズはレイ・チャールズ自身が作った曲で曲も詞も素晴らしいブルーズ曲です。
「おふくろが亡くなる前にオレに言った。私は天国へ逝く時が来たけど神様へのお祈りを忘れるんじゃないよ。辛い時期がやってくるから」
ジャズ風のテンション・コードを混じえて醸し出すフルーズのムードはレイ・チャールズならではの重さ。そして見事なサックスのソロ。やはりレイは偉大です。

5.Hard Times/Ray Charles

こういう曲はムードがすごく大切なんですが、コードをそのまま弾いてもレイの歌声もそうなんですが全体のサウンドがなかなかこんな感じにはならないんです。歌声のテイスト、ピアノのタッチ、サックスの音色とフレイジング、ドラムやベースのバックアッブ。短い曲ですがすごく難しい曲です。

今日はレイ・チャールズのブルーズアルバム”The Genius Sings The Blues”と”Yes Indeed!”という二枚のアルバムから選曲しましたが、レイの音楽が如何にフルースとゴスペルに根ざしているかがわかる二枚です。
是非ゲットして聞いてみてください。
実はまだあまり発表できないのですが先日、盟友のギターの山岸潤史がニューオリンズから帰って来ましてと盟友のヴォーカリスト上田正樹、そしてコーラスのYoshie.Nに入ってもらって四人でレイ・チャールズの曲をアコースティックで少しレコーディングしました。またリリースされる日にちがわかったら番組で紹介します。それから一言、先場所の大相撲で優勝した青森五所川原出身のタケル富士、素晴らしかったです。おめでとうございました。相撲ファンとしては本当に気持ちのいい力士の登場を喜んでます。また国技館に見に行きます。

2024.04.19 ON AIR

ブルーズ・ライヴ名盤

アルバート・コリンズ必殺のライヴ盤”Albert Collins And The Ice Breakers Live ’92-’93”

ON AIR LIST
1.Ice Man/Albert Collins
2.If You Love Me (Like You Say)/Albert Collins
3.T-Bone Shuffle/Albert Collins
4.Frosty/Albert Collins

しばらくやっていなかったブルーズ・ライヴ名盤シリーズ
”Albert Collins And The Ice Breakers Live ’92-’93”というタイトル通りテキサス・ブルーズギターの勇者、アルバート・コリンズの92年と93年のライヴからのコンピレーション・アルバムで別に日本タイトルで「ラスト・ライヴ」とつけられている。ラスト・・つまり93年がコリンズの最後のライヴツアーとなった音源も入っている。しかし、93年のイリノイ州で行われたライヴの録音は亡くなる数ヶ月前とは思えないいつもと変わらぬ歌声と切れ味の鋭いギターを弾いている。アルバムジャケットには彼が愛用したフェンダー・テレキャスターがフェンダーのアンプに掛けられており、しかもギターのネックには彼が多用したカポタストも付けてあり改めてホロとさせられる。
まずアルバムの一曲目
コンサートの始まりのMCから登場するコリンズの最初のギターの一音の格好良さは最高です

1.Ice Man/Albert Collins

ギターもアンプも壊れてしまうのではないかと思えるほどのギターの音の炸裂ぶりがすごいです。
アルバート・コリンズのすごいところは彼と似たようなギタリストがいないということ。アルバート・コリンズのギター・スタイルはアルバート・コリンズしかいない。例えばバディ・ガイでもオーティス・ラッシュでもそのギターはB.B.キングに影響されたことがわかるギター・スタイルですし、スティービー・レイボーンでもアルバート・キングの影響を受けたのがモロにわかります。でもコリンズのギターはコリンズしかいません。
実は僕はアルバート・コリンズを最初あまり好きではなかった。理由は歌があまり良くなかったからでアルバムもその歌のことを本人も自覚していたのかインストルメンタルの曲が多かったんです。でも、78年にアリゲーター・レコードからアルバムを出し始めてからは歌もそれなりに彼らしいものになり、この最後のアルバムではなかなかええ感じです。と、ちょっと上から目線でしたが・・。次の曲はライヴでよく歌っていた曲です。

2.If You Love Me (Like You Say)/Albert Collins

82年、88年、91年、92年と4度来日してくれたのでライヴを観ている方も多いと思います。めちゃ長いシールドを使って客席に降りてくるパフォーマンスやギターを背中に回して弾いたり、ギターがしゃべっているように弾いたりいろいろと楽しいことをライヴでやってくれたコリンズでした。
1932年テキサスの生まれで偉大なブルーズマン、ライトニン・ホプキンスの親戚になります。彼のギターは彼しか弾けないと先ほど言いましたが、彼のギターのチューニングが普通のレギュラー・チューニングではなくてDmチューニングという変則チューニングなので普通のレギュラーでコピーして弾いても彼のようにはならないのです。
では彼と同じテキサスの偉大な先輩、モダン・ブルース・ギターの父、T.ボーン・ウォーカーの名曲をのカバーを。

3.T-Bone Shuffle/Albert Collins

81年アリゲーター・レコードからのライヴ・アルバム””Frozen Alive”や84年の”Live In Japan”といったライヴアルバムもいいのでまたON AIRしたいと思います。
とにかく80年代にロバート・クレイなどとブルース・シーンを活性化してくれたコリンズの業績は大きかったです。
とにかくいつも安定したバンド・サウンドでクオリティが高く素晴らしいライヴを見せてくれました。
最後は彼を代表するインスト曲です。

4.Frosty/Albert Collins

なんか気持ちいいですね。コリンズのギターを聴いているとスッキリします。それは彼のギターがフレイズももちろんいいんですか、その前にとにかくリズムがいいからです。そして音色。ミスター・テレキャスターと呼ばれテレキャスターというギターの音を本当にうまく引き出して弾いてます。
今日のブルーズ・ライヴ名盤はアルバート・コリンズの”Albert Collins And The Ice Breakers Live ’92-’93”を聴きました。
ぼくのバンド、ブルーズ・ザ・ブッチャーで五月に新しい”Feel Like Going Home”のLPレコードをリリースするので北陸東北ツアーやります。山梨の甲府、長野、金沢、富山、福島、山形、石巻、仙台、いわき、柏と回りますこの番組のHPにまたツアースケジュールをアップしますので見てください。
来週はレイ・チャールズのブルーズです。