2023.08.25 ON AIR

久しぶりの”Apple Wave”スタジオライヴも混じえてゲストは上村秀右

8/3から8/9まで”Kick Off The Blues vol.2″の東北ツアーをギターの上村秀右と行いました。
どこの街のどこの会場でも歓待していただき本当にありがとうございました。今年の夏のいい思い出になりました。

8/6には弘前のEAT&TALKにて「ブルーズ夜話」を久しぶりに開催しましたが、その翌日に番組のキー・ステーション”Apple Wave”のスタジオで上村秀右とトークしながらスタジオライヴを行いました。
今日はその模様をON AIRします。
話は番組で聞いていただくとして演奏曲目は以下です。

ON AIR LIST
1.Blow Wind Blow/永井ホトケ隆+上村秀右
2.Trouble No More/永井ホトケ隆+上村秀右
3.Hoochie Coochie Man//永井ホトケ隆+上村秀右

Hey!Hey! Th Blues Is Alright!

2023.08.18 ON AIR

Kick Off The Blues vol.2ツアー/弘前EAT&TALKでの「ブルーズ夜話」のライヴを聴きながら・・

ON AIR LIST
1.I Feel Like Going Home/永井ホトケ隆+上村秀右
2.Baby Please Don’t Go/永井ホトケ隆+上村秀右
3.I Feel So Good/永井ホトケ隆+上村秀右

今回は去る8/8に弘前の”EAT&TALK”で開催された「ブルーズ夜話」でのライヴ録音音源を一緒にライヴに出演してくれた上村秀右君と聴きながらトークを交えてお送りします。

トークを全て書ききれませんのでON AIRを是非聞いてください。

2023.08.11 ON AIR

ブルーズ・ライヴ名盤 vol.5

Johnny Otis Show Live At Montery

ON AIR LIST
1.Willie and the Hand Jive/Johnny Otis
2.Cry Me A River Blues/Esther Phillips
3.Since I Met You Baby/Ivory Joe Hunter
4.Kidney Stew/Eddie Cleanhead Vinson
5.Good Rocking’ Tonight/Roy Brown

伝説のジョニー・オーティス・ショーを再現した1970年のリユニオン・ライヴ”Johnny Otis Show Live At Montery”
さて今夜のブルーズ・ライヴ・アルバム名盤シリーズですが、前回は私がブルーズに突入するきっかけになった入門書のようなアルバム、マディ・ウォーターズの”Fathers And Sons”の1969年のライヴ・サイドを聞きましたが、今日はその翌年1970年にカリフォルニアのモンタレー・ジャズ・フェスティバルで録音されたジョニー・オーティス・ショウのライヴ・アルバムです。LP2枚組です。
以前も特集しましたが、ギリシャ系の白人なのに「R&B界のゴッド・ファーザー」と呼ばれるジョニー・オーティスはミュージシャンとしてだけではなく、新人ミュージシャンの発掘(エスター・フィリップス、エタ・ジェイムズなど)やラジオのDJ、クラブの経営、プロデューサー、バンド・リーダーなどいくつもの顔をもつ男でした。多方面に活動する彼はたくさんのミュージシャンと知り合うチャンスがあり、それでバックバンドを結成してフロントに立つシンガーが次々に替わって歌っていくというパッケージ・ショーを作りあげました。それが「ジョニー・オーティス・ショー」です。
この二枚組のアルバムでもいろんなミュージシャンが登場しますが、まず本人ジョニー・オーティスの1958年の大ヒットのこの曲でショーは始まります。

1.Willie and the Hand Jive/Johnny Otis

ショウの幕開けにふさわしい曲。私のブルーズ・ザ・ブッチャーでもレコーディングしたR&Bの名曲です。
「ジョニー・オーティス・ショー」は1950年代の中頃から始まったらしいのですが、どのくらいの規模でどの辺りまでツアーに行っていたのかはわかりませんが、この1969年の時はリユニオン(再結成)での特別ライヴだったようです。
そう言えば、1990年にはブルース・カーニバルのメイン・アクトで来日した。そう考えると途切れ途切れではあるがずっとやってたのかなぁ・・。
二番目に登場するのが私の大好きなエスター・フィリップス。このライヴが1970年ですからエスターがCTI系のKUDUれーべるでブレイク少し前です。エスター自身のライヴ・アルバムでも歌っているこの曲。

2.Cry Me A River Blues/Esther Phillips

次は元々はブルーズやブギを歌うピアニストだったアイヴォリー・ジョー・ハンターですが、1950年に”I Almost Lost My Mind”という少しカントリー・ウエスタン・フレイバーが入った甘いバラードが大ヒットして、次第にそっち方面にシフトを移動させカントリー・ウエスタンのフェスティバル「グランド・オール・オプリー」にも出演したこともあります。このジョニー・オーティス・ショウでもカントリー・フレイバーのヒット曲”Since I Met You Baby”を歌っています。
「君と出会ってからぼくの人生はまるで変わってしまった。君と出会ってから悩みごとを相談する人ももういらないしね、君と出会ってから俺は幸せ者だよ。君を喜ばせるように頑張るからね」まあ、勝手にしてくれと言いたくなるような曲です。

3.Since I Met You Baby/Ivory Joe Hunter

このジョニー・オーティス・ショウのライヴ・アルバムに出演しているミュージシャンはウエストコーストの人が多いのですが、ウエストコーストのジャズ・ブルーズ・ミュージシャンと言えばサックスのクリーンヘッド・ヴィンソンでしょう。私も昔、ロスのクラブでライヴを観ました。サックスも吹くが歌も歌える人で日本では藤井康一くんがクリーンヘッドに影響を受けた人ですね。
イントロのサックスのテーマからとてもいいグルーヴで、こういう音楽は本当に聞けなくなってしまいました。日本のジャズ・ミュージシャンってこういうのに本格的に取り組む人っていませんね。ファンキーで素晴らしいと思うのですが。曲名のキドニー・シチューのキドニーは腎臓やから日本でいうモツの煮込みですね。アメリカでは昔ホルモン系の料理は黒人にしかなかったんですね、今もそうか・・。
「どうも階級の高い女はアカンね、家に帰って昔から付き合ってるスーちゃんがええねん。彼女はキャビアなんかやなくてねいつものモツのシチューやねん。いつものモツシチューがええねん」

4.Kidney Stew/Eddie Cleanhead Vinson

40年代に大流行したジャンプ・ブルーズのシャウター・シンガーとして名を馳せたロイ・ブラウン。B.B.キングはじめ彼の歌い方に影響を受けたシンガーは多い。彼のこの曲はエルヴィス・プレスリーがカバーして大ヒットしました。
パーティ・ソングとしてこれは売れるでしょうね。

5.Good Rocking’ Tonight/Roy Brown

2023.08.04 ON AIR

ブルーズ・ライヴ名盤 vol.4

Fathers And Sons/Muddy Waters (Chess)

ON AIR LIST
1.Long Distance Call/Muddy Waters
2.Baby Please Don’t Go/Muddy Waters
3.The Same Thing/Muddy Waters
4.I Got My Mojo Working/Muddy Waters

LPレコードでは二枚組だった”Fathers And Sons”は一枚がライヴ盤でもう一枚はスタジオ録音になってます。
しかし、このライヴ・サイドは70年代初期に当時まだブルーズのライヴを生で聞いたことのない私にとって、ブルーズの臨場感を伝えてくれ興奮させられるものでした。
このアルバムのことは何度かこの番組で言っていますが、私がブルーズという音楽に入っていく道しるべになったアルバムでもちろんスタジオ・サイドも素晴らしいです。さて、そのライヴ・サイドを今日は聴くのですが、ライヴ録音された場所はイリノイ州シカゴの「スーパー・コズミック・ジョイスカウト・ジャンボリー」というところで、録音時期は1969年の4月のライヴです。
メンバーはマディ・ウォーターズ、マディの右腕ピアノのオーティス・スパン、ドラムがハウリン・ウルフやポール・バターフィールド・ブルーズバンドにいたサム・レイ、そしてハーモニカがポール・バターフィールド、ギターはやはりポール・バターフィールド・ブルーズバンドにいたマイク・ブルームフィールド、ベースがブッカー.T&MG’sにいたドナルド・ダック・ダン・・まぁ錚々たるメンバーです。黒人のマディやスパンがブルーズの父、そして白人のポール・バターフィールド、マイク・ブルームフィールドたちが息子という設定でFathers And Sonsというタイトルが付けられています。白人のロックファンの間でブルーズロックが流行っていた時期でこういう企画が生まれたのだと思います。
まずは強烈なマディ・ウォーターズのスライドギターから始まる一曲目から

1.Long Distance Call/Muddy Waters

めちゃウケですね。
マディがスライド・ギターでイントロを始めた瞬間から客席がざわつきますが、そこからもうすごく臨場感があっていですね、
客席からの歓声を聴くとかなり大きな会場という感じがします。
マディの素晴らしいギター・ソロでは口笛と歓声がすごくてウケている雰囲気が伝わってきます。そのあとのマイク・ブルームフィールドのギターソロも端正なソロでいいですね。
録音された1969年頃はすでに黒人音楽の主流はソウルとファンクでブルーズは黒人の間では昔の音楽になってしまった時期ですが、白人のブルーズロック・ファンたちが生まれたことでマディはじめ黒人ブルーズマンたちは経済的に一息つけたことでしょう。それもまあ有名どころのブルーズマンだけですが・・・。
次の曲はこの時代のマディのライヴの定番曲です。
次のBaby Please Don’t GoやBlow Wind Blow、I’m Ready, Mannish Boy,Mojo Workingあたりはよく演奏されていた時期です。

2.Baby Please Don’t Go/Muddy Waters

バンドがタイトでいいですね、白人メンバーもみんなブルーズに精通しているミュージシャンたちですからダメなところがありません。この曲は1935年にビッグ・ジョー・ウィリアムスが最初に歌ったものですが、その後いんろなブルーズマンに歌われてスタンダード化したものです。僕も自分のバンド『ブルーズ・ザ・ブッチャー」の最新アルバム”Feel Like Going Home”でカバーしました。そちらもよろしく。
次は私がすごく好きな曲でなんとも言えないブルーズ・ムードが漂っている曲です。
ここでもメンバーのそれぞれの音の出し方が本当にうまい。バターフィールドの抑え気味のハーモニカソロがマディのギターソロあたりはもう鳥肌ものです。

3.The Same Thing/Muddy Waters

そして、最後のこの曲の盛り上がりを聞いてください。スパンのピアノのイントロのフレイズからすでにグルーヴしている素晴らしさ。
このアルバムを始めて聴いた直後、この曲をウエストロードのレパートリーにすぐ入れました。
本当にこのアルバムに出会えてよかったし、特に今日聴いたライヴ・サイドは自分たちがライヴをやる時の大きなヒントになりました。
では

4.I Got My Mojo Working/Muddy Waters

あまり素晴らしくて客の興奮が収まらず、ドラムのバディ・マイルスを迎えてもう一度この曲をやります。もう興奮の坩堝です。でも、今日は時間がないのでそれは自分でこのアルバムをゲットして聴いてください。
間違いない名盤です。