WHAT'S NEW

2017年03月24日
2017年03月17日
2017年03月10日
2017年03月03日
2017年02月24日
2017年02月17日
2017年02月17日
2017年02月10日
2017年02月03日
2017年01月27日
2017年01月20日
2017年01月15日
2017年01月13日
2017年01月06日
2016年12月30日
2016年12月23日
2016年12月16日
2016年12月09日

2017.03.24 ON AIR

ニューオリンズピアノ特集 Vol.2

img01

Holy Cow/Allen Toussaint (Rounder 0011661914421)

Iko Iko/Dr. John(ATCO eastwest japan AMCY-3041)

Iko Iko/Dr. John(ATCO eastwest japan AMCY-3041)

Rockin' Pneumonia And The Boogie Woogie Flu Pt.1 & 2/Huey "Piano" Smith (P-Vine PVCP-8111)

Rockin’ Pneumonia And The Boogie Woogie Flu Pt.1 & 2/Huey “Piano” Smith (P-Vine PVCP-8111)

Sunny Side Of The Street/James Booker (Rounder CD2119)

Sunny Side Of The Street/James Booker (Rounder CD2119)

My Blue Heaven/Fats Domino (EMI AMERICA CDP 7465812)

My Blue Heaven/Fats Domino (EMI AMERICA CDP 7465812)

 

ON AIR LIST
1.Holy Cow/Allen Toussaint (Rounder 0011661914421)
2.Iko Iko/Dr. John(ATCO eastwest japan AMCY-3041)
3.Rockin’ Pneumonia And The Boogie Woogie Flu Pt.1 & 2/Huey “Piano” Smith (P-Vine PVCP-8111)
4.Sunny Side Of The Street/James Booker (Rounder CD2119)
5.My Blue Heaven/Fats Domino (EMI AMERICA CDP 7465812)

前回ニューオリンズピアノのリクエストをいただいたので、今日はその二回目。
前回はニューオリンズピアノの代表、プロフェッサー・ロングヘアから始まり、意外と知られていない凄腕ピアニスト、カズン・ジョーそしてヨーロッパでも人気のあったチャンピオン・ジャック・デュプリーと聞きましたが、今日はプロフェッサー・ロングヘアのあとのニューオリンズのピアニストたちを聞きます。
プロフェッサー・ロングヘアは「フェス」と呼ばれたんですが、フェス以降のニューオリンズのピアニストは全員と言っていいほど何らかの形でフェスの影響を受けています。今日はまずはアラン・トゥーサン。
一昨年、2015年の11月にアラン・トゥーサンは、旅先で77才で急死したのですが、そのアランが「子供の頃は一日中、フェスのピアノを真似して弾いていた」というくらいフェスのピアノは躍動的で発想が自由で、それまでにない魅力的なピアノだったわけです。しかし、その影響を受けたアランもそれまでになかった音楽を作って、残してくれた人でした。アラン・トゥーサンはニューオリンズだけでなく、アメリカの音楽界、世界の音楽界に功績を残した人でした。僕は最初、プレイヤーとしての彼よりソング・ライター、プロデューサーとしてのアラン・トゥーサンの名前を知りました。60年代ニューオリンズから送り出されてくるヒット曲の多くは彼の手になるものでした。まずはニューオリンズR&Bの代表的シンガー、リー・ドーシーに1966年作った曲を2013年に自分のソロ・アルバム”Song Book”でピアノの弾き語りをしています。
彼のピアノがよくわかるので今日はこの曲をまず聞いてください

1.Holy Cow/Allen Toussaint
アラン・トゥーサンはソロ・アルバムを初めて出したのが1958年で、それはすべてインストのアルバム、それから12年後の1970年になって初めて歌の入ったアルバムをリリース。それまではいまのリー・ドーシー、アーマ・トーマス、ジェシー・ヒル、アーロン・ネヴィル、アーニー.K・ドゥなどの曲を作り、バックでピアノを弾き、プロデュース、アレンジするという裏方でした。だから、アレン・トゥーサンの作る曲やサウンドとかグルーヴの印象はあったのですが、彼のピアノに対する印象しいまのような曲のところどころで感じられるだけでした。

ニューオリンズのピアノやニューオリンズの音楽を身近に感じさせてくれたのが、1972年リリースのドクター・ジョンの「GUMBO」というアルバムでした。このアルバムでプロフェッサーの「ティピティーナ」や「ビッグ・チーフ」がカバーされててプロフェッサーを知り、ヒューイ・ピアノ・スミスのことも知りレコードを買いにいった記憶があります。では、そのドクターの名盤「GUMBO」からニューオリンズの有名曲
2.Iko Iko/Dr. John
このアルバム「GUMBO」はドクター・ジョンも「ニューオリンズの音楽をみんなに知ってもらいたいから作った」と言ってましたが、これからニューオリンズの音楽を知りたいと思っている方に是非お薦めのアルバムです。
では、その「GUMBO」でも取り上げられているヒューイ・ピアノ・スミス。ガンボでは4曲ヒューイの曲が収録されてますが、今日はそのガンボには入っていない彼の代表的な曲を
「オレはロックする肺炎とブギする風邪にかかってしまった」というパーティ・ソング
3.Rockin’ Pneumonia And The Boogie Woogie Flu Pt.1 & 2/Huey “Piano” Smith
もうめちゃくちゃ好きな曲で、これ聴くとニューオリンズへ行きたくなるんですが、もうファンキーで楽しくてビールのんでクロウフィッシュたべて音楽で踊る・・・心の底からそういうことを教えてくれたのはニューオリンズの音楽かも知れません。
次はニューオリンズにたくさんいるピアニストにも一目置かれていたジェイムズ・ブーカー。ニューオリンズのミュージシャンのバックだけでなく、アレサ・フランクリン、リンゴ・スター、ドゥービー・ブラザーズなど。76年に作られた「ジャンコ・パートナー」というすばらしいアルバムがあるのですが、今日はSpider on the Keysと言うアルバムからニューオリンズの定番ソングをピアノ・インストでやっているのでそれを聞いてください。
4.Sunny Side Of The Street/James Booker
アルコール依存と麻薬中毒に精神病を抱えて、44才という若さでなくなったジェイムズ・ブッカー。

最後は絶対に外せないニューオリンズの宝、いやアメリカの国宝、ファッツ・ドミノ。ニューオリンズでいちばんヒット曲の多いのがファッツ。
ニューオリンズのマーチング・バンドを想い出させるビートとニューオリンズでしかできないサウンド。うしろで聴こえるファッツのピアノもニューオリンズ・ピアノ。
5.My Blue Heaven/Fats Domino
リクエストをいただいたので2週に渡り、駆け足ですがニューオリンズ・ピアノを聞きました。

リクエストがありましたら番組HP(http://blues-power.jp)のご意見、ご感想からメールを送ってください。

2017.03.17 ON AIR

ニューオリンズピアノ特集 Vol.1

img

Professor Longhair/The Professor Longhair Anthology (RHINO R2 71502)

img02

The History Of New Orleans R&B vol.1(Rhythm&Blues Records RANDB013)

ON AIR LIST
1.Bold Head/Roy Byrd & His Blues Jumpers
2.Hey Little Girl/Professor Longhair
3.Tipitina/Professor Longhair
4.Box Car Shorty And Peter Blue/Cousin Joe
5.Junker Blues/Champion Jack Dupree

去年の暮れに番組のHPにニューオリンズピアノのリクエストをいただいたので、だいぶ時間が経ちましたが今日と来週はニューオリンズピアノ特集
想い浮かぶニューオリンズのピアニストを出してみると・・・
ジェリー・ロール・モートン、アール・ハインズ、チャンピオン・ジャック・デュプリー、ヒューイ・スミス、タッツ・ワシントン、ファッツ・ドミノ、スマイリー・ルイス、カズン・ジョー、ルーズヴェルト・サイクス、プロフェッサー・ロングヘアー、リトル・リチャード、アラン・トゥーサン、ドクター・ジョン、エディ・ボ、ジェームズ・ブッカー ロニー・バロン、ダヴェル・クロフォード、ハリー・コニックJr.,マルシア・ボール、ジョン・クリアリーなどなど・・
本当にニューオリンズはピアニストの宝庫で、19世紀の終わり頃にニューオリンズがジャズのメッカとなりトランぺッターのルイ・アームストロングなど偉大なミュージシャンを輩出していた頃から、ジェリー・ロール・モートンなど素晴らしいピアニストがたくさんいました。
しかし、現在言われている「ニューオリンズ・ピアノ」というスタイルを作り上げたのは、プロフェッサー・ロングヘアだと思います。
では、まずそのプロフェッサーの曲から聞いてみましょう。1950年ヒット・チャートの5位まで上がった曲。当時はまだプロフェッサー・ロングヘアという芸名ではなく本名のロイ・バードでした。
1.Bold Head/Roy Byrd & His Blues Jumpers

いまの曲が唯一ヒット・チャートに上がったプロフェッサーの曲ですが、そんなにヒット曲がないのに彼のフォロワーがたくさん生まれたのかというと、そのピアノ奏法が革新的だったからです。彼のフォロワーのひとつりであり、のちにニューオリンズの音楽を作り出したアラン・トゥーサンは子供の頃とにかく毎日アラン・トゥーサンを聞いて 彼のマネをしてピアノを弾いていたそうです。
彼はブルーズやブギウギのピアノに西インド諸島のルンバとかカリプソのリズムに、ニューオリンズのセカンド・ラインと呼ばれる伝統的なマーチングのリズムをミックスし、時折トリッキーな、面白いフレイズを挟むことでファンキーなピアノ・スタイルを作った偉大な人です。その彼のピアノがよくわかると思うので、ベースとふたりで演奏している録音を聞いてみます。
2.Hey Little Girl/Professor Longhair(RHINO R2 71502)
この曲名から名付けられたクラブ「ティピティーナス」がニューオリンズにあり、そこではフェスティバルの時にプロフェッサー・ロング・ピアノ・ナイトというニューオリンズのピアニストが一同に会するイベントも開かれてました。
3.Tipitina/Professor Longhair

ルイ・アームストロングの時代に彼より5,6才年下の1907年生まれのカズン・ジョーというピアニストがいるんですが、彼はビリー・ホリディからチャーリー・パーカーなどジャズ畑のミュージシャンとも、コテコテのブルーズマン ライトニン・ホプキンスともやった凄腕ピアニストでした。力強く、スピード感もあるブルーズ・ピアノを聞いてみましょう。
4.Box Car Shorty And Peter Blue/Cousin Joe

いまのカズン・ジョーより三つほど年下のチャンピオン・ジャック・デュプリーもニューオリンズ出身です。 彼はボクサーをやっていたこともあるのでチャンピオンというあだ名が付いています。いまから聞いてもらうのはのちにファッツ・ドミノが”Fat Man”として作り替えてヒット・チャートの6位まで上がった曲の元歌です。
5.Junker Blues/Champion Jack Dupree

ニューオリンズ・ピアノを代表するプロフェッサー・ロングヘアはいまのチャンピオン・ジャックとかその前のカズン・ジョー、そして大先輩のジェリー・ロール・モートンなどのピアノを聞いてニューオリンズで育った世代で、そういう様々なピアノ・スタイルにルンバやカリプソのグルーヴを取り込んで、ファンキーなピアノ・スタイルを作った偉大なピアニストです。まあ、本人はそんなに意識して新しいものを作ろういう気はなかったと思います。自然とそういうスタイルになったのだと思います。

2017.03.10 ON AIR

Kotez & Yancy ニューアルバム”Here Comes The Band”を聴く

Here Comes The Band (Air Plane Records AP1064)
img

ON AIR LIST
1.Here Comes The Band/Kotez & Yancy
2.This Little Light Of Mine/Kotez & Yancy
3.But I Do/Kotez & Yancy
4.You Send Me/Kotez & Yancy

 

 

 

 

久しぶりの日本のミュージシャンのアルバム紹介です。KOTEZ&ヤンシー・・ふたりともよく知ってるというか、コテツくんは一緒にバンドをいまやっているし、ヤンシーくんはデュオ・ライヴをやってました。
コテツ&ヤンシーは、2001年デビューですからもう16年にもなるんですね。今回のアルバム”Here Comes The Band”は4作目、9年ぶりだそうです。もっとアルバム出していた気がしたんですが・・。
ふたりともこのデュオ以外にたくさんいろんな活動をしていて、ヤンシーくんは関ジャニや八代亜紀さんといった超メジャーな方のレコーディングからLeyonaやバンバン・バザール、近藤房之助と、それにCMもたくさんやっています。
コテツくんは僕とやっているブルーズ・ザ・ブッチャーの他にもムーニーさん、リーとのデュオほかセッションやスタジオワーク、ハーモニカ教室もやってます。前回のアルバムはふたりだけの録音で原点に戻ったような感じだったのですが、今回はホーン・セクションも含めたバンド・スタイルでの録音でベリー・ゴージャスになっています。
では、まずアルバム・タイトル曲。まさにアルバムのコンセプトを表したようなタイトルです。曲はヤンシー君が書いています。
1.Here Comes The Band/Kotez & Yancy

40年代、50年代のアメリカのジャズ・オーケストラ風でどこか懐かしい感じがする曲とサウンドでとてもいい感じです。

次はコテツくんの歌を聞いてみましょうか。この曲はトラディッショナルなゴスペル・スタンダードの曲でもう数えきれないくらいいろんなシンガーに歌われていますが、僕はメイヴィス・ステイプルズの歌が印象に残っています。
「僕の小さな光で輝かせよう。僕が行くところどこでも輝かせよう」
2.This Little Light Of Mine/Kotez & Yancy

ファンキーな感じでいいですね。どっちかというとコテツくんがテンション高めな歌で、ヤンシー君の方がレイドバックしている歌というテイストですが、次はヤンシー君の歌です。
曲はニューオリンズのクラレンス・フロッグマン・ヘンリーが歌った曲で、作ったのはシンガー・ソングライターのボビー・チャールズ。いまソング・ライターと言いましたけれど、ボビー・チャールズは楽器が何もできないソングライターなんです。だから、メロディがアタマに浮かぶとギターとかピアノ弾ける友達に来てもらってそこで自分で歌って曲を作る人で、本当に珍しい人です。でも、本当にいい歌詞やメロディを作る人でカバーするされている曲も多いです。タイトルのBut I Doの前にI Don’t Know Whyがついていて、I DON’T KNOW WHY BUT I DOなんですが、
「訳分からんけど君が好きなんや。君が行ってしまってから昼も夜もオレはずっと泣いてる。もうどうしたらええんかわからんのや。他の誰か新しい娘が見つかると自分に言い聞かせる。でも君を愛してる」
3.But I Do/Kotez & Yancy

コテツくんとはもう10年も一緒にブルーズ・ザ・ブッチャーをやってきているのですが、実はヤンシーくんとも定期的にデュオでライヴをやっていた時期もありました。まあ、ふたりともR&Bやブルーズ・テイストのものが好きですが、ヤンシーくんは日本のハッピーエンドやシンガー・ソングライターに影響を受けている部分もあります。
もう一曲。このアルバムでは、コテツくんがBring It On Home To Meというサム・クックの名曲のカバーを歌っているんですが、もう一曲サムの名曲を歌っています。
4.You Send Me/Kotez & Yancy

ふたりとも45才は過ぎていて、自分の音楽のスタイルを確立しているいい時期だと思います。
2人は東京では門前仲町のBIG HORNというお店で月いちやっているので聴きに行ってみてください。
今日聴いたアルバム”Here Comes The Band”はエア・プレイン・レーベルからリリースされています。

2017.03.03 ON AIR

ローリング・ストーンズの新譜「ブルー&ロンサム」とその原曲を聴く Vol.3

img01

BLUE & LONESOME/The Rolling Stones(LP 571494-4)

img02

Rooster Blues&Lightnin’ Slim’s Bell Ringer/Lightnin’ Slim(Excello CDCHD 517)

img03

Sings Gospel Blues/Little Johnny Taylor(Jewel P-Vine PJ-103)

img04

South Side Blues/Elmore James&Eddie Taylor&Jimmy Reed(COBBLESTONE 9001)

ON AIR LIST
1.Hoo Doo Blues/The Rolling Stones
2.Hoo Doo Blues/Lightnin’ Slim
3.Everybody Knows About My Good Thing/The Rolling Stones
4.Everybody Knows About My Good Thing/Little Johnny Taylor
5.Ride em On Down/The Rolling Stones
6.Ride em On Down/Eddie Taylor

今回選ばれた曲のブルーズマンの中で一般的にいちばん名前が知られていないのが、リトル・ジョニー・テイラーといまから聴くライトニン・スリムだと思います。ライトニン・スリムは50年代ナッシュビルのエクセロというレコード会社でデビューしたのですが、このエクセロにはストーンズが昔カバーしたKing BeeやShake Your Hipsなどのオリジナルのブルーズマン、スリム・ハーポが在籍してました。だから同じエクセロ・レーベルのこのライトニン・スリムも当然知っていたと思います。スリム・ハーポより更にダウン・ホームなフィーリングのライトニン・スリムは僕も大好きです。
「もしお前の女が陽気になったり、外で遊び始めたら誰か他の女を探したほうがいい。その女はお前を落ち込ませるに違いない。そうなったらもう女の好きにさせた方がええよ。そのやっかいな浮気女は浮気な男のとこに行くんやから」
まあ、女が他に男作ったら早く別れた方がいいよという歌。女性は気持ちが変ったら元には戻りまへん。
1.Hoo Doo Blues/The Rolling Stones
こういうダウンホームな感じを自分たち風にやるのがストーンズは上手い。
では次は原曲。1957年の録音です。
2.Hoo Doo Blues/Lightnin’ Slim
原曲は歌とビートがゆったりとしたダウンホームな南部のブルーズ。

次の曲は僕としてはストーンズがカバーするするには向いてなかった感じがします。とくに歌が・・。元々の原曲を聞いてなかったらそう思わなかったかも知れませんが、もうこの原曲が好きで昔から聞いているので・・・。原曲のリトル・ジョニー・テイラーという人は一般的にそんなに知られてませんが、ゴスペル出身のモダン・ブルーズ系のすごく歌の上手いシンガーです。しかも歌だけでなく、アレンジしっかりされててあまりにも原曲が出来すぎているのでどうかなという感じです。
My Good Thingsは自分の女房のことで自分が家にいない間にやってくる郵便局員とか牛乳屋とかが自分の女房と出来てるんとちゃうかという疑心暗鬼な歌です。直訳すると「オレのええもんをみんなが知ってる」まずはストーンズを聞いてみましょう。
気合いの入ったスライド・ギターはゲストのクラプトンです。
3.Everybody Knows About My Good Thing/The Rolling Stones(3分40くらいでFO)
ミック、ちょっと気合いは入り過ぎですよね。こういうモダン・ブルーズよりもハウリン・ウルフ、リトル・ウォルターのようなシカゴブルーズとか、ライトニン・スリムのような南部のいなたいブルーズの方がミックの歌に向いてると思います。
では、リトル・ジョニー・テイラーの原曲は1971年録音
4.Everybody Knows About My Good Thing/Little Johnny Taylor

次はシカゴ・ブルーズ黄金時代のギターの名手エディ・テイラーのカバーです。この曲なんかは今回のストーンズのアルバムでいちばん良かったように思います。
5.Ride em On Down/The Rolling Stones
エディ・テイラーはシカゴ・ブルーズのヒット・メイカー、ジミー・リードの右腕でシカゴ・ブルーズのグルーヴを作ったひとりです。スタジオやバック・ギタリストとしての役割が多くてソロ・アルバムはあまりないのですが、シカゴブルーズでは絶対に外せないブルーズマンです。
6.Ride em On Down/Eddie Talor

最後に鹿児島のブルーズ・バー”Mojo”のマスターのこうたろうくんが、ストーンズのアルバムを聞いた印象をTwitterでこうツイートしてました「ストーンズも素晴らしかった。しかし、オリジナルは堪らない」と。僕もほぼその意見です。
ストーンズの気持ちとか心意気もすごくよく分かるし、自分たち流にそれぞれの曲をしっかりカバーしていてやっぱりいいバンドだなぁと思います。
でも、その片方でオリジナルのもつグルーヴとかサウンドの素晴らしさ、そしてオリジナルの歌の重さと深さをすごく感じました。自分もカバーをやっている身として、すごく学習する機会になったし、改めてカバーの難しさを感じました。
そして、このストーンズの新しいアルバムからオリジナルの黒人ブルーズに耳を傾ける人が増えることをなによりも願っています。
「ブルーズ&ソウル・レコード」というブルーズの雑誌にはストーンズが今回カバーした曲のオリジナルが全部付録CDに入ってます。解説もついているので、是非ブルーズ&ソウル・レコード」を買って聞き比べてください。

2017.02.24 ON AIR

ローリング・ストーンズの新譜「ブルー&ロンサム」とその原曲を聴く vol.2

img01

BLUE & LONESOME/The Rolling Stones(LP 571494-4)

img02

WEST SIDE SOUL/Magic Sam (delmark P-vine PCD-23639)

img03

Change My Way/Howlin’ Wolf(Chess UNIVERSAL MUSIC UICY-76527)

ON AIR LIST
1.Commit A Crime/The Rolling Stones
2.Commit A Crime/Howlin’ Wolf
3.All Of Your Love/The Rolling Stones
4.All Of Your Love/Magic Sam
5.Just Like I Treat You/The Rolling Stones
6.Just Like I Treat You/Howlin’ Wolf

ストーンズのニューアルバム「ブルー&ロンサム」とそのオリジナル・ブルーズを聴き比べるシリーズ第二回です。
今日の一曲目はハウリン・ウルフのヤバいブルーズをストーンズのカバーから聴いてみよう。
「オマエはコーヒーに入れるクリームの代わりに毒を入れてオレを殺そうとしてる最悪の女や。毒を入れたあとオマエは座っておれを見ておれが死ぬのを願っているやろ」という歌詞

1.Commit A Crime/The Rolling Stones
次はハウリン・ウルフのオリジナル・バージョンです。1966年にチェス・レコードからリリース。
2.Commit A Crime/Howlin’ Wolf
聴き比べるとまず全体のサウンドの作り方とグルーヴ感が違います。やはりストーンズはロックバンドですからラウドです。ラウドで埋まってしまっている音もありますが、ウルフのオリジナルはラウドではなくひとつひとつの音がくっきりしている。僕はブルーズを聴くのにはこのストーンズのラウドさがギリギリセーフです。ちょっとウルフとは違うヤバい感じをストーンズは作っていていい感じにロックしてますよね。

正直に言うと今回のストーンズのアルバム中で好きになれない曲が次のAll Of Your Loveでした。君のすべての愛を僕のものにしたいと言うマジック・サムの熱い求愛の歌
3.All Of Your Love/The Rolling Stones
いまのストーンズのカバーが耳に残っている間にオリジナル、原曲のマジック・サム・ヴァージョンを聞いてみてください。
4.All Of Your Love/Magic Sam
最初、僕はストーンズのカバーがマジック・サムのAll Of Your Loveには聴こえなかった。
ストーンズはピアノソロが入ってるんですが、なぜギターソロにしなかったのか。あとのソロもハーモニカだし、最後にギターが出てくるんですが、ギターリスト、マジック・サムの曲なのになぜもっとギターソロに行かなかったのか・・・。

マジック・サムはとてもよくしなる、よく伸びる声の持ち主で、高い声を出す時でもシャウトはしていない、あくまでも抑制の効いた中で歌のテンションを上げていくという、自分の声の美しさを維持したままのテンションの高さなんですが、カバーしたミックはもり上がるにつれてがなっている感じが出てくる。そこが僕は好きやないんです。とくに最後の方のそのがなりが強くなってしまい、そこは要らないかなという気がする。この選曲自体がミックに合っていない気がします。
今回のアルバムで言うとBlue And Lonesome,All Of Your Love,Everybody Knows About My Good Thing,I Can’t Quit You Babyのようなミディアムからスローのブルーズに関して、僕は聞いていてあまりいいとは思えなかった。
ストーンズの良さが出るのは次のロッキン・ブルーズ・スタイルのよりダンサブルなブルーズだと思う。
次はオリジナル、ハウリン・ウルフ 1961年リリース
まずは2016年リリースのストーンズから
「オマエにこんなにしてやってんのに、オマエもオレに同じようにしてくれよ」と歌ってます。
5.Just Like I Treat You/The Rolling Stones
では、次、原曲のハウリン・ウルフなんですが、曲が進むにつれてリズムのグルーヴが強くなっていくのが感じられます。ブルーズの魅力のひとつは同じことを繰り返すことによって得られるグルーヴの陶酔感なんですが、そういうグルーヴが生まれないで演奏しているとただ三つのコード繰り返しているだけの退屈な曲になります。この曲なんかはとくに素晴らしいグルーヴ感を感じさせるものです。
6.Just Like I Treat You/Howlin’ Wolf
ハウリン・ウルフは60年代イギリスで当時のロック・ミュージシャンたちにすごく人気があったと思います。その歌声の圧倒的な存在感、それから曲のメロディや歌詞がキャッチーなものがあるところ、でもその底に南部のアーシーなリアルなブルーズがどっしりある。
もうひとつ、ギタリストにとってはヒューバート・サムリンという個性的で切れ味のいいギターを弾くギタリストがウルフの右腕だったこと。
いまの曲にはそのヒューバートとシカゴ・ブルーズギターの名人ジミー・ロジャース、ベース:ウィリー・ディクソン、ピアノ:ヘンリー・グレイ、ドラム:サム・レイとシカゴ・ブルーズの強者のメンバーが集まってます。