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2017.12.15 ON AIR

「2017年 今年の思い出」

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ON AIR LIST
1.Blow Wind Blow/James Cotton
2.Around And Around/Chuck Berry
3.I Love The Life I Live/Gregg Allman
4.Boom Boom/blues.the-butcher-590213 & ムッシュかまやつ
5,Texas Flood/blues.the-butcher-590213

今年を振り返ると、ブルーズ界にとってはやはりブルーズ・ハーモニカのレジェンド、ジェイムズ・コットンが3月に亡くなったことが大きかったですね。
生まれたミシシッピーを9才の時に離れて憧れのハーピスト、サニー・ボーイ・ウィリアムスンに弟子入りのような形でヘレナに移り、それからメンフィスでデビューそしてシカゴへ・・・その時々でいつも印象に残るブルーズをプレイしてきたジェイムズ・コットン。残された音源は自己名義のものからハウリン・ウルフ、マディ・ウォーターズなどのバックについたものなどかなりの量になりますが、どの時代でもコットンは聞き応えのあるものを残してきた。

最初に聴いてもらうのはマディ・ウォーターズのバックでもいつもパワフルで的確なバックアップをしていたコットンですが、そのマディの曲です。
1.Blow Wind Blow/James Cotton
ハーモニカと歌、ジェイムズ・コットン、ギター、マット・マーフィとルーサー・タッカー、ピアノ、パイントップ・パーキンス、ベース、カルビン・ジョーンズ、ドラム、ウイリー・スミスと文句なしのメンバーでのBlow Wind Blowでした。

ジェイムズ・コットンが亡くなったのが3/16。その2日後18日に今度はロックン・ロールの王様、チャック・ベリーがその90才の生涯に幕を閉じました。ポピュラー・ミュージックの中でほとんど革命に近い音楽をチャックは残し、その恩恵を僕らも受けそしてこれからもたくさんのミュージシャンが受けていくんだと思います。
この番組でも三回に渡ってチャック・ベリーの追悼をやりましたが、今日はその三回でもON AIRできなかったこの曲を
2.Around And Around/Chuck Berry

グレッグ・オールマンが亡くなったことも悲しいことでした。69才でまだまだやれる年齢だったのに残念です。
僕がアフリカン・アメリカン、つまり黒人のブルーズを知るきっかけを作ってくれたのはオールマン・ブラザーズでした。70年代の最初、オールマンの演奏が素晴らしかったこともありましたが、僕にとってはグレッグ・オールマンの歌がよくなかったらオールマンを好きにならなかったし、その後ろにあった黒人ブルーズへも入っていかなかったと思います。
最後のアルバムとなった”Southern Blood”でウィリー・ディクソンのブルーズを歌っています。
3.I Love The Life I Live/Gregg Allman

個人的なおつきあいもしていただいていたムッシュ、ムッシュかまやつさんが亡くなられたのは、いろんな意味でつらいことでした。
音楽的なことを本当にたくさん残された方ですが、一緒にいる時に人としての生き方、人との接し方とかたくさん教えていただきました。自分より年が上で心を開いて接することができる数少ない人でした。少し相談ごとをした時にムッシュから「ホトケさんはブルーズ歌ってそのまま行ってください」と言われたことを大切にしたいと思います。
そして、ムッシュと一緒に作れたアルバム「ロッキン・ウィズ・ムッシュ」はブルーズ・ザ・ブッチャーのそして自分の大切な宝です。
4.Boom Boom/blues.the-butcher-590213 & ムッシュかまやつ
ムッシュ、ありがとうございました。

自分がやっているバンド、ブルーズ・ザ・ブッチャー、今年は6月に結成10周年記念アルバム”Rockin’ & Rollin'”をリリースしました。この番組と同じようにブルーズ・ザ・ブッチャーというバンドも僕の日常の大切なひとつです。
では、今年リリースした”Rockin’ & Rollin'”から
5,Texas Flood/blues.the-butcher-590213

2017.12.08 ON AIR

追悼:Fats Domino
Fats Domino/Rockin’ 50’s(東芝 LLR=8161)

追悼:Fats Domino

ON AIR LIST
1.Blueberry Hill/Fats Domino
2.The Fat Man/Fats Domino
3.Going To The River/Fats Domino
4.Ain’t That A Shame/Fats Domino
5.My Blue Heaven/Fats Domino
6.I’m In Love Again/Fats Domino

 

 

 

去る10月24日、僕の誕生日でしたが、その日に大好きなニューオリンズのミュージシャン、ファッツ・ドミノが亡くなりました。89才でした。
ファッツ・ドミノのことをご存知ない方も多いかと思いますが、ニューオリンズのR&Bの大ヒット・メーカーでピアニストで歌手でソング・ライターです。ロックン・ロールの殿堂入りもしていて、アメリカの人間国宝のようなミュージシャンです。
名前を知らない方でも、「ブルーベリー・ヒル」「私の青空/マイ・ブルー・ヘヴン」など彼の曲をどこかで耳にしたことはあると思います。
それで今日は僕が1972年に初めて買った思い出のファッツ・ドミノのレコードでファッツを偲びたいと思います。
このアルバムは日本の東芝レコードがコンピレーションしたもので50年代ファッツの全盛時代のヒット曲が網羅されています。
では、まずみんなが聞き覚えがあるはずのこの曲から
I Found My Thrill On Blueberry Hillってこの歌は始まるのですが、このThrillという言葉は「ぞくぞくする、わくわくする」という意味で、この歌の場合は「ブルーベリーの丘の上でわくわくを見つけた」つまり、「ブルーベリーの丘の上で恋を見つけた。ブルーベリーの丘であなたを見つけた」でも、これ失恋の歌で、その後に「いまは離れてしまったけどあなたは僕の一部だから」と続きます。つまりあなたを忘れてないよということですね。
1.Blueberry Hill/Fats Domino
1956年チャート2位まで上がったファッツ・ドミノの大ヒット曲でした。
ファッツ・ドミノがデビューしたのは1950年ですが、ちょうどそれまでRace Musicと差別的な呼ばれ方をされていた黒人音楽がR&Bと呼ばれるようになった頃で、ジョン・リー・フッカーのようなアーシーなブルーズとダイナ・ワシントンやライオネル・ハンプトンのようなジャズ・ブルーズ、そしてワイノニー・ハリスやルイ・ジョーダンたちのジャンプ・ブルーズ、そしてこのファッツ・ドミノやルース・ブラウンたちのR&Bと、まあ黒人音楽にいろんなタイプが出てきて花盛りの時代でした。
そんな中、ファッツ・ドミノのこの曲がR&Bチャートの二位まで上がりました。
2.The Fat Man/Fats Domino

1963年にインペリアル・レコードからABCレコードに移籍してからはヒットに恵まれなかったけど、世界的に知られていたのでヨーロッパへツアーしたりアメリカ国内でもライヴ・パフォーマーとしてはずっと人気のある人でした。
日本にも1974年に来てくれまして僕は大阪のフェスティバル・ホールで見ました。
ファッツは「ロックン・ロールの創始者」のひとりとしてチャック・ベリーやリトル・リチャードたちと同じジャンルに入れられることが多いのですが、それは彼が売れていた時代がR&Rの流行った時代と一致していたからだと思います。音楽的にはR&RというよりR&Bと呼んだ方が的確だと思います。「ニューオリンズR&Bの創始者」のひとりと呼んだ方がいいと思う。
次のブルーズ・テイストのある曲も彼の魅力のひとつです
「川へ行って溺れ死んでしまおう。愛するあの子がこの町を出ていってしまった。オレは頭を垂れて泣いたょ。彼女に会ったらさよならと言ってくれ。みじめな気持ちで生きることにオレはもう疲れたよ」
3.Going To The River/Fats Domino

次はジョン・レノンもカバーしていた曲でこれをよく知っている人も多いと思います
4.Ain’t That A Shame/Fats Domino(B-4)
ファッツ・ドミノは歌手として語られることが多いですが、ピアニストとしてもその力強いピアノのタッチとリズムはのちのニューオリンズのピアニストたちに大きな影響を与えました。
次の曲でもピアノが素晴らしいです。
5.My Blue Heaven/Fats Domino
実は僕は70年代の中後期「ブルー・ヘヴン」という名前のバンドをやっていました。そのバンド名はいまのMy Blue Heavenからいただきました。そのくらいファッツ・ドミノが好きでした。初めてライヴを見た時の彼が楽しそうにニコニコしながら歌い、ピアノを弾くステージはその会場にいた人たち、みんなを幸せにしてくれました。悲しい歌でもその悲しみを吹き飛ばすようなパワーとリズムのグルーヴ・・温かい感じがしました。
もう一曲
6.I’m In Love Again/Fats Domino

2017.12.01ON AIR

ROLL WITH THE PUNCHES/Van Morrison(Caroline International/Hostess HSU-10156)
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ON AIR LIST
1.I Can Tell/Van Morrison
2.Bring It On Home To Me/Van Morrison
3.Going To Chicago/Van Morrison
4.Teardrops From My Eyes/Van Morrison

 

 

 

 
今日は敬愛するヴァン・モリソンのニューアルバム「ROLL WITH THE PUNCHES」です
ヴァン・モリソンは1945年北アイルランド生まれ。デビュー50周年で37枚目のアルバムだそうです。現在70才ですがめちゃくちゃ元気です。
新しいアルバムはカバーとオリジナルで構成されていて、ジェフ・ベック、クリス・ファーロウ、ジョージィ・フェイム、ポール・ジョーンズなど昔からのモリソンの音楽仲間が参加してます。
では、まず1曲。ヴァン・モリソンより5才ほど年上の同じイギリスのヴォーカリスト、クリス・ファーロウとのデュエットで、声の質が似ていてどっちがどっちかわからないのです。
オリジナルは60年代イギリスのロック・ミュージシャンに絶大な人気があったボ・ディドリー
1.I Can Tell/Van Morrison
クリス・ファーロウとヴァン・モリソンは60年代にブルーズやR&B、ジャズが好きな歌手としてイギリスでライバルでもあったし盟友でもあったと思います。いま70才を過ぎてふたりで一緒に歌えるというのは格別の思いがあるのではないでしょうか。嬉しいことにふたりとも歌声が変ってないです。

次の曲は74年のヴァンのアルバム”It’s Too Late To Stop Now(魂の道のり)にも収録していた彼の大好きな曲です。
オリジナルはサム・クック。ヴァン・モリソンならではの味わい深いカバーで途中のジェフ・ベックのギター・ソロも絶妙です。
2.Bring It On Home To Me/Van Morrison
ジェフ・ベックの歌の合間に入れるギターが本当に的確で、印象に残ります。ええですね。

次の曲はヴァン・モリソンとは親友のキーボード奏者のジョージ・フェイムが参加しています。60年代の中頃には「イエ・イエ」とか「ゲッタウェイ}とかチャートのNo.1になったヒットも出しました。ジョージもブルーズやリズム&ブルーズにどっぷり浸かって来たひとりです。まあ、60年代にイギリスでブルーズやR&Bなど黒人音楽に影響を受けなかったミュージシャンはひとりもいないと思います。

3.Going To Chicago/Van Morrison
ジャズ・テイストのブルーズですが、たぶん若い頃からブルーズもシカゴ・ブルーズから、このアルバムでもカバーしているライトニン・ホプキンスのようなカントリー・ブルーズ、ボ・ディドリーのようなロッキン・ブルーズとすごく幅広く聴いて歌っていたヴァン・モリソン。その蓄積が素晴らしいです。

ヴァン・モリソンはお母さんが歌手だったようで、お父さんも音楽が好きで古いブルーズやジャズのレコードが家にあって聴いていたのでこういう歌手になる下地は子供の頃に作られたんですね。いわゆる労働者階級の貧しい家だったけど、お父さんにギターやサックス買ってもらって、それらを覚えて15才くらいからバンドを始めてます。
1963年にロンドンのブルーズ、R&Bが盛り上がった様子に刺激され故郷アイルランドで「ゼム」を結成。64年にデッカからデビュー。
僕がその「ゼム」を聴いたのが15才の時。「グロリア」とか、そのあとソロになってからの「ブラウン・アイド・ガール」というヒットもありましたが、とても個性的で心に残る歌を歌う人という印象でした。
1993年にロックの殿堂入りして、グラミーも獲得してます。
でも、今回のアルバムを聴いていると、最初の「ゼム」の頃からブルーズとR&B、ジャズを大切にしてきて本当にぶれていなかったシンガーだなと思います。
では、R&Bの女王ルース・ブラウンのカバーをうたっているので聴いてみましょう。
4.Teardrops From My Eyes/Van Morrison
今年中にもう一枚アルバムをリリースすると言われているヴァン・モリソン。リリースされたらまたON AIRしたいと思います!

2017.11.24 ON AIR

ブルーズ界の至宝、ボビー・ブルー・ブランド中期、円熟のアルバム

Midnight Run/Bobby Blue Bland(ビクターVDP-1508)
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ON AIR LIST
1.Ain’t No Sunshine When She’s Gone/Bobby Blue Bland
2.Take Off Your Shoes/Bobby Blue Bland
3.Midnight Run/Bobby Blue Bland
4.Starting All Over Again/Bobby Blue Bland

 

 

 

 

九月の最初のON AIRで映画「Take Me To The River」のサントラを流した時に、僕がどうにも納得できなかったのがボビー・ブルー・ブランドの歌う”Ain’t No Sunshine”にラップをからませたことでした。映画そのものは悪くない映画でしたし、共感できるところもたくさんありましたが、そのシーンのその曲だけは僕はダメでした。
ボビー・ブランドは黒人音楽の国宝のようなシンガーです。もし、ブランドの方から「オレの歌にラッパーをからませてくれよ」と言ったのながまだしも、録音スタジオで初対面のラッパーをブランドにからませるコンセプトがまったくわからなくて、はっきり言って僕はブランドに失礼だと思ったし、完全にオーバー・プロデュース。
しかも歌った歌がブランドの歌が素晴らしい”Ain’t No Sunshine” ブランドの歌だけで充分でかえってラップが邪魔になっていると僕は感じました。そのラッパーに罪はないですよ。彼も頼まれてきただけですから。
それで今日はそのブランドの歌だけの”Ain’t No Sunshine” をどうしても聴いてもらいたくてON AIRします。
1989年リリースの「ミッドナイト・ラン」というアルバムにブランドが歌ったテイクです。
1.Ain’t No Sunshine When She’s Gone/Bobby Blue Bland

ボビー・ブルー・ブランドは50年代から60年代にかけて若き日に在籍したデューク・レコードでの録音がやはりいちばん素晴らしいと言われていますが、今日聴くマラコレコード時代もいい曲がたくさんあります。
次はTake Off Your Shoesというタイトルですが、「オレの芝生の上を歩くのなら少なくともオマエの靴は脱げ」と歌ってます。
「仕事で遅くなって家に帰る途中でモーテルから出てくるオマエと男を見た。オレが買ってやったドレスに合う赤い可愛い靴をオマエは履いていた。オレの芝生の上を歩くのなら少なくともオマエの靴は脱げ」
要するに他の男と浮気をするならオレの買ってやった靴は履くなよ。それを履いておれの芝生(心)を踏みにじるな・・・と。
2.Take Off Your Shoes/Bobby Blue Bland

ではアルバム・タイトル曲です。ちょっとレゲエのリズム・テイストが入っていて、そういうのにも軽やかに乗っていくブランドはさすがです。
ただ単に恋愛の歌なのか、不倫の逢瀬を楽しむ歌なのか・・
「アップタウンもダウンタウンもみんなベッドの準備をしてる。僕の灯りはまだ点いてそして僕の欲望に油を注がなきゃ。
彼女に会いに行く時間だ、僕は一日中待ってたんだ。僕の愛の時計の目覚ましが行く時間だと言ってる。
ミッドナイト・ラン、真夜中に走る。僕と彼女は目一杯楽しむんだよ」
3.Midnight Run/Bobby Blue Bland
「彼女と会ったら、彼女がいい香水をつけてた。部屋の中に入った時、愛の輝きはまだ輝いている。彼女はオレを喜ばせ、痛みを和らげてくれる彼女に会うために、オレは雨の中を10マイルもやってきたんだ」
不倫かな・・。

次はメンフィスのスタックスレコードにいたメル&ティムという男性デュオが1972年に歌った曲で、チャートの5位くらいまで上がったヒット曲です。別れたはずの彼女だけど嫌いになったわけではなく、彼女がやり直すのなら・・「もう一度始めることは大変だけど、僕らだったらできるよ」Starting all over again is gonna be rough But We Gonna Make It
4.Starting all over again/Bobby Blue Bland
ブランドは2013年の6月に83才で亡くなりました。ギターやハーモニカ、ピアノなど楽器を弾かないブルーズマン、つまりスタンダップ・シンガーとして最も有名で実力のある人でした。僕もブルーズを歌う者としてボビー・ブランドはいつも心にある人です。このマラコ・レコード自体もたくさんいいアルバムがあるので探してみてください。

2017.11.17 ON AIR

シカゴ・ダウンホーム・ブルーズの極みスモーキー・スマザーズ

Smokey Smothers Sings The Backporch Blues/Smokey Smothers
(OLDAYS RECORDS ODR6216)

Smokey Smothers Sings The Backporch Blues/Smokey Smothers(OLDAYS RECORDS ODR6216)

ON AIR LIST
1.Come On Rock Little Girl/Smokey Smothers
2.I’ve Been Drinkin’ Muddy Watter/Smokey Smothers
3.I Ain’t Gonna Be No Monkey Man No More/Smokey Smothers
4.You’re Gonna Be Sorry/Smokey Smothers
5.Way Up In The Mountain Of KentuckySmokey Smothers

 

 

 

今日はどっぷりダウンホーム・シカゴ・ブルーズです。
実は今日聴いてもらうアルバムはブルーズの隠れた名盤と言われるスモーキー・スマザーズの「Smokey Smothers Sings The Backporch Blues」Backporch というのは家の裏口のポーチ、裏口のベランダみたいなことです。だから直訳するとスモーキー・スマザーズが歌う裏口ベランダのブルーズと鳴りますが、まあ裏口での噂話みたいなことでしょう。

1. Come On Rock Little Girl/Smokey Smothers
当時シカゴでいちばん売れていたジミー・リード・スタイルのブルーズですが、ゆったりとしたダウンホーム感がいいです
スモーキー・スマザーズと言う人はこれといったヒットもないですが、50年代にはハウリン・ウルフのバック・ギタリストで、アール・フッカーやボ・ディドリーともやっていました。

このアルバムは1962年にリリースされたのですが、62年というとマディ・ウォーターズやハウリン・ウルフのシカゴ・ブルーズの全盛がちょっと過ぎた頃で、このスモーキーはマディたちの次の世代のシカゴ・ブルーズマンで当時33才です。その下の世代、この頃20歳くらいだったのがマジック・サム、バディ・ガイ、オーティス・ラッシュでフレディ・キングが28才。もうシカゴにはいろんなタイプのブルーズ・ギタリストがめちゃたくさんいた頃です。それでそのフレディ・キングがこのアルバムで6曲参加しています。フレディとスモーキーのふたりのギターの絡み方が素晴らしくシカゴ・ブルーズのギターのお手本みたいな曲を聴いてください。
2.I’ve Been Drinkin’ Muddy Watter/Smokey Smothers

ギター二本がグイグイとドライヴしていくのをドラムが一緒にグルーヴしていくのですが、このドラムがフィリップ・ポールというこれまた名人で、フレディ・キングの大ヒット”Hide Away”ほかキング・フェデラルというレコード会社のスタジオ・ミュージシャン・ドラマーでいい曲にたくさん参加しています。ベースがいないのでドラムがすごく生々しく録音されていてドラムの人がシャッフルのリズムを研究するのにもこのアルバムはいいと思います。実はこのよく翌日にその大ヒット”Hide Away”がレコーディングされています。だから次世代のブルーズが生まれていく貴重な時代の録音です。
もう1曲フレディ・キングが参加している曲を聴いてみましょう
3.I Ain’t Gonna Be No Monkey Man No More/Smokey Smothers
生々しいサウンドでいいですね。60年代初期シカゴのブルーズクラブの風景が浮かんできます。
ピアノとかハーモニカとかホーンが入っていないのですごくギター・サウンドの作りがわかるし、彼の生まれ故郷南部ミシシッピーの匂いがやっぱりしてます。参加しているフレディ・キングがインタビューでジミー・ロジャーズのことを絶賛していましたが、フレディとかバディ・ガイとかマジック・サムがこういう伝統的なシカゴ・ブルーズギターを直接受け継いだ世代で、その後になるとやはりB.B.キング・スタイルのチョーキングを多様するモダン・ブルーズのスタイルになっていくんですが、彼らはしっかり南部スタイルも体得してます。
まあ、時代の流れとは言え、こういうギター二本、ドラムみたいな生々しい感じはなくなっていくんですが、どこかロック的で若い人たちも好きになるテイストを含んでます。ストーンズなんかはこのあたりをよく聴いていると思います。

では、典型的なスロー・ミディアム・テンポのシカゴ・ブルーズ・スタイル
4.You’re Gonna Be Sorry/Smokey Smothers
この間もコンサートの最後にブルーズのセッションがあったのですが、ほとんどのギタリストが今日聴いてもらっているようなウォーキング・ベースをーのパターン(ガッガ・ガッガ・・・)をギターで弾かないんですね。自分がソロを弾いている以外の時は適当にコードを鳴らしているだけなんですよ。でも、ブルーズのギターの絡みというのは今日聴いてもらっているようにいろいろあるんですよ。ブルーズ・ギターはソロを弾くだけではダメなんですよ。だから先日のセッションもぼくだけがずっと、ガッガ・ガッガ・・・ってリズムを弾くことになるわけです(笑)そのガッガ・ガッガ・・・がブルーズのリズムの命なんですよ。だから、ブルーズ・ギターを志向する方にはこういうアルバムとかエディ・テイラー、ジミー・ロジャースなんかをたくさん聴いて欲しいです。
5.Way Up In The Mountain Of KentuckySmokey Smothers
このアルバムは日本のオールデイズ・レコードからCD化されてリリースされています。