2022.10.21 ON AIR

60年代私的ソウル・ミュージック-1

The Supremes/Where Did Our Love Go(Motown 621)
Sam & Dave/Hold On, I’m Comin(Star 708)
Otis Redding/The Dock Of The Bay(Volt Atlantic)
Ray Charles/What’ I’d Say (Atlantic 8029)

ON AIR LIST
1.Where Did Our Love Go/ The Supremes
2.Baby Love/The Supremes
3.Hold On, I’m Comin’/Sam & Dave
4.The Dock Of The Bay/Otis Redding
5.What’ I’d Say (Part 1)

私がエッセイを連載している「ブルース&ソウルレコーズ」が60年代のソウルを特集したのを読んでいて、自分の中にも60年代ソウルがたくさんあるので今回からから60年代ソウル特集。
60年代は個人的にはビートルズやストーンズなどロックを追いかけていた10代でまだ黒人音楽に興味がなく、でもラジオからソウルは流れてくるので思い出には残っている。いわゆるトップ10のチャートを争うラジオ番組がいくつかあり、私も時々ハガキにリクエストを書いて番組に送っていた。当時はビートルズを中心にブリティッシュ・ロックが大流行でそこにビーチボーイズ、バーズなどアメリカのロック勢が入り込み、更にボブ・ディランなどのフォーク勢とルル、トム・ジョーンズなどのポップス勢そして映画音楽などが混在していた。そんな中、60年代のソウルでビートルズを度々脅かしていたのがデトロイトのモータウン・レコードの一団でした。そのモータウンの中で僕が最初に好きになったのはこの女性グループでした。邦題は「恋はどこへ行ったの」

1.Where Did Our Love Go/ The Supremes 

自分は当時中学生で女性を意識したり、女性のセクシーさをうっすら感じ始めた頃。ませた14才の男子の心にこのダイアナ・ロスの魔性の歌声ときれいなコーラスのハーモニーは魅惑的だった。他の女性グループにはないどこか官能的な歌声の魅力がシュプリームスにはあった。まだ官能なんて知らなかったが・・・。
黒人グルーブということを意識して聞いてなかった。ラジオだから歌声と演奏しかわからないので。黒人とわかった後もジャケットや音楽雑誌で見る彼女たちはポップで洗練されたファッションだったので、ビートルズなんかとそんなに違和感はなかった。それは白人にも受ける曲作り、ファッションも目指したモータウンの戦略だったと後から知った。
次の曲のようにすごく広がりのある歌と音の世界があり、そこに切なさがあってまだ中学生なので歌詞がよくわからないのだけど彼女たちの歌に浸ってました。

2.Baby Love/The Supremes

その頃はソウルという言葉とR&Bという呼び方が混在していた。アメリカのチャートもポップチャートとR&Bチャートでしたから。
では1966年R&BチャートNo.1に輝いたこの曲

3.Hold On, I’m Comin’/Sam & Dave

当時はまだシュプリームスが所属していたモータウン・レコードのことも今のサム&デイヴがいたスタックス・レコードのことも知りらなったし、メンフィス・ソウルやサザン・ソウルという言葉も知らなかった。ただ気持ちがむき出しになったような熱い音楽、熱い歌だなぁという感じでしかなかった。そしてサム&デイヴには「ソウルマン」というヒット曲もあったのでこういう音楽をソウルって呼ぶんだな・・くらいにしか思ってなかった。

高校生になるとビートルズやストーンズだけでなくブリティッシュ・ロックが多岐にわたって広がっていき、その中心がブルーズを主体にしたブルーズロック。それはやがてアメリカにも影響を与えることになるのだが、その頃からブラック・ミュージック(黒人音楽)というものに少し興味が湧き始めた。そして18才の時、ラジオから流れてきたオーティス・レディングのこの曲の悲しげな歌声はとても印象に残るものだった。

4.The Dock Of The Bay/Otis Redding

レイ・チャールズの存在はソウルとかロック関係なく早くから知っていた。次の歌が日本のテレビの音楽番組でもよくカバーされて歌われていたし、ラジオからもよく流れていた。ゴスペルを取り込んでソウル・ミュージックのタネを蒔いたレイ・チャールズの1959年、ポップそしてR&B両方のトップ・チャートに上がった不朽の名作。

5.What’d I Say (Part 1)/Ray Charles

来週も60年代ソウルの続きをON AIR!