2023.06.16 ON AIR

リクエストに応えてライ・クーダー!

Chicken Skin Music/Ry Cooder

ON AIR LIST
1.Smack Dab in the Middle/Ry Cooder
2.He’ll Have To Go/Ry Cooder
3.Chloe/Ry Cooder
4.Yellow Roses/Ry Cooder

リスナーの久保 光男さんという方からリクエストのメールをいただきました。
読ませていただきます。「金曜の夜はBLUES POWER、俺の生き返る時間…と勝手にTwitterで番宣をしている者です」はい、ツイートしていただきいつもありがとうございます。
「以前タジ・マハールとライ・クーダーのアルバムを特集して頂きそして今回タジのニューアルバムの特集もありと来て、私の勝手なお願いですがニューアルバムが出ているわけではないのですが、ここ数年個人的にハマっているライ・クーダーでホトケさんが好きなアルバムの特集をして頂けらばと思いメールしました」とメールをいただきました。久保さん、ありがとうございます。
ライ・クーダーは好きなアルバムがいくつかあります。
1971年の”Into The Purple Valley”(紫の峡谷)、74年の”Paradise and Lunch”、77年の “Show Time” ,97年のBUENA VISTA SOCIAL CLUB(ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ)」84年にヴィム・ベンダース監督の「Paris, Texas」での映画音楽も好きです。あの映画ではブラインド・ウィリー・ジョンソンの曲をベースにした全編に流れるライのスライドギターは絶品です。86年公開の「Crossroads」でもライは見事な映画音楽を作っていました。と、まあライの好きな音源はたくさんあるのですが、挙げるとしたらいちばん最初に聞いた76年リリースの”Chicken Skin Music”ですかね。実は最初にアルバムを買って聞いたライはこのChicken Skin Musicでした。「紫の峡谷」とかParadise and Lunch」はこのアルバムが気に入って後から聞いたアルバムです。なので今日は自分のアナログLPをデジタルにおとして来ましたのでノイズがかなりあるかも知れませんが”Chicken Skin Music”をON AIRします。
まずはライがライヴでもよく演奏していたこの曲。レコードではB面の1曲目です。

1.Smack Dab in the Middle/Ry Cooder

“Rock&Roll Satisfy My Soul”と歌われるところのコーラスがいつもたまらなく好きです。コーラスはテリー・エヴァンスとボビー・キングとハーマン・ジョンソンなんですが後年テリー・エヴァンスとボビー・キングの二人がデュオ・アルバム出したのも買いました。やはり底辺にゴスペルを感じさせる歌はさすがです。
ライはとにかく人を使うのがうまい。そういうと変な意味に取られそうですが、それぞれのミュージシャンの個性、特性をよくわかっていて自分のアルバムにどういう感じでその人を使うのかというのが本当に上手い。つまりいろんな音楽への理解度が高い人なんですね。だから多分企業の上司になっても部下を使うのが上手いと思います。次の曲のフラコ・ヒメネスも本当に彼の良さをよくわかっています。僕はこのアルバムでアコーディオン・プレヤーのフラコ・ヒメネスを知りました。
ボレロのリズムに乗ったヒメネスのアコーディオンは美しすぎる演奏です

2.He’ll Have To Go/3.Yellow Roses

本当にいいです。メキシコ生まれでテキサスで名前が徐々に知られていったフラコ・ヒメネスのきっかけを作ったのもライ・クーダーだったと思います。
知っている方も多いと思いますが、ライ・クーダーはアメリカのブルーズ、ジャグ、ラグタイム、R&B、ゴスペル、カントリーなど多くの音楽を若い頃から吸収し、そこから世界のいろんな音楽に興味を持ち、ハワイアン、メキシコ、キューバ、沖縄・・とその土地の音楽を自分の音楽に取り入れるのが本当に上手い人です。なんか嫌みがないし、無理な感じもないし、とってつけたような感じもないんですよね。
ではインストの曲です

3.Chloe/Ry Cooder

今の曲と次の「黄色い薔薇」にはハワイの伝説のミュージシャンであるスティール・ギターのギャビィ・パヒヌイとアコースティック・ギターの名手アタ・アイザークスが参加していますが、この二人の音色がこの二曲の色づけを決定していると思います。
こういうハワイアン・サウンドの素晴らしさをライの音楽を通して知った人も多いでしょう。

4.Yellow Roses/Ry Cooder

リクエストをいただいた久保さん、いかがだったでしょうか。ライはもちろんスライド・ギターの名手なのですが、そのスライド・ギターについてもブラインド・ウィリー・ジョンソンへの尊敬を語ったり、世界中にある音楽のオリジナリティに敬意をはらっている人です。
そして、いつも「さぁ、今度は何を作ってくれたかな」と楽しみにできるミュージシャン、それがライ・クーダーです。