2023.06.23 ON AIR

ブルーズ・ザ・ブッチャーの新譜”FEEL LIKE GOING HOME” 6/28リリース!

blues.the-butcher-590213 / New Album”FEEL LIKE GOING HOME”(P-Vine Records)

ON AIR LIST
1.I Feel Like Going Home/blues.the-butcher-590213
2.Baby Please Don’t Go/blues.the-butcher-590213
3.Can’t Hold Out Much Longer/blues.the-butcher-590213
4.Tell Me Mama/blues.the-butcher-590213

私のバンド「ブルーズ・ザ・ブッチャー」の新譜”FEEL LIKE GOING HOME” がリリースされることになりました。当初6/21のリリースだったので放送中は6/21と言ってますが、6/28に延期されましたのでここに訂正させていただきます。申し訳ありません。

結成16年目を迎えるブルーズ・ザ・ブッチャーとしては10作目のアルバムです。今まで自分がやってきたバンドの中でいちばん長くやっているバンドになりました。そしてアルバムもいちばんたくさん出しているバンドになりました。
今回は自分が50年前にブルーズを歌うきっかけの一つとなったブルーズマン、マディ・ウォーターズのカバーをやりました。そしてハーモニカのコテツ君はマディのバンドの重要なメンバーの一人だったリトル・ウォルターのカバーを録音しています。

アルバム・タイトル「Feel Like Going Home」は一曲目の”I Feel Like Going Home”からですが、実は今回どうしても録音したかった曲がこの曲です。
マディ・ウォーターズを知ってその初めの頃に買ったイギリスのコレクターズ・レーベル「シンジケート・チャプター」のLP二枚組のアルバム””Muddy Waters/Back In The Early Days”に収録されてた曲です。1971年頃だったか・・・。確か5000円くらいしたと思います。当時住んでいた下宿の家賃が5000円でしたから当時の私にしては本当に高い買い物でした。でも、そのくらい欲しかったんですね。それで毎日毎日そのアルバムを聴くのですが、一枚目のA面の1曲目が”I Feel Like Going Home”で毎日聴くうちになぜかすごく好きになっていきました。
この曲をマディは故郷ミシシッピにいた頃に”Country Blues”というタイトルで録音しています。それは1942,3年頃の話で、まだレコーディングをしたことのない農夫マディのところへアラン・ロマックスという男が訪ねてきました。ロマックスは民族音楽研究家でアメリカ議会図書館(アメリカの書物だけでなく写真、音源などアメリカ文化最大のアーカイヴスでもある)の依頼で南部に黒人民族音楽であるブルーズの録音収集にやってきたのでした。それから約五年後、シカゴのアリストクラット・レコード(チェス・レコードの前身)で曲名を”のI Feel Like Going Home”と変えて録音されました。ほぼ同じ曲なのですが、聴き比べてみるとマディの歌もギターも格段に上手くなっていて端々に自信のようなものが感じられます。この曲が”I Can’t Be Satisfied”とカップリングのシングルで1948年にリリースされ一晩で3000枚を売りマディにとって初めてのヒットとなりました。その時まだ音楽だけでは食べていけずトラックで配達の仕事をしていたマディの胸にはいろんな想いが溢れたと思います。
そのマディにとって記念すべき曲は僕にとって最初にマディを好きになった記念すべき曲でもありました。その曲を今回録音できたことは私にとって感慨深いものがあります。
また、ライヴの場でこのアルバムに収録した曲そしてマディ・ウォーターズについていろいろとお話したいと思います。
是非、アルバムをゲットして楽しんでください。