2023.07.14 ON AIR

ブルーズ・ライヴ名盤シリーズ vol.1

Blues Live! / Robert Jr.Lockwood&The Aces

ON AIR LIST
1.Sweet Home Chicago/Robert Jr.Lockwood&The Aces
2.Stormy Monday/Robert Jr.Lockwood&The Aces
3.Anna Lee/Robert Jr.Lockwood&The Aces
4.Honky Tonk/Robert Jr.Lockwood&The Aces

今回からブルーズ・ライヴ名盤シリーズ!
1974年に「第一回ブルーズ・フェスティバル」が開催されロバートJr.ロックウッド(vo,g)とジ・エイシズ(ルイス・マイヤーズg,vo,harp、デイヴ・マイヤーズb、フレッド・ビロウds)の来日がありました。盛り上がってきた日本のブルース・ブームに更に火をつけることになったこのコンサートは忘れられないものになりました。
そのライヴを録音したアルバム”Blues Live!”はブルーズの数多くのライヴ・アルバムの中でも傑出した一枚。不定期でやろうと思っているブルーズ・ライヴ名盤 シリーズはこのアルバムから始めます。
アルバムのジャケット写真はプラットホームで乗り込む新幹線の車両を待っているところでロックウッドとルイス・マイャーズが写っていて右に共演で来日したスリーピー・ジョン・エステスと出演したハーモニカのハミー・ニクソンが写っている。
録音そしてリリースしたのは日本トリオ・レコード。74年11月27,28日の東京郵便貯金ホールでのライヴ。
まずはブルーズのライヴを待ち焦がれていた日本のファン。その前にメンバーが現れてコンサートが始まった時の熱気をラジオを聞いている皆さんも感じてください。歌はロバートJr.ロックウッド

1.Sweet Home Chicago/Robert Jr.Lokwood&The Aces

ロバートJr.ロックウッドがサニー・ボーイ・ウィリアムスンのバックやオーティス・スパンとの共演アルバムなども含めブルーズに残した功績はとても大きい。そしてエイシズがリトル・ウォルターの録音などで残してきた演奏もブルーズの歴史的遺産と言ってもいいくらい価値のあるものだ。そういう素晴らしいブルーズマンたちの演奏をライヴで聴けたことは何にも代えがたい私の財産。
私は大阪公演でこのライヴを聞いたのだが、全体のムードは全く同じと言っていい。
次のストーミー・マンデーのロックウッドとルイスの二つのギターの絡みは本当に素晴らしく音楽性の高いものだ。T.ボーン・ウォーカーのオリジナルそしてボビー・ブランドの名唱に匹敵する演奏だった。

2.Stormy Monday/Robert Jr.Lokwood&The Aces

このコンサートを当時一緒にウエストロード・ブルースバンドをやってた塩次伸二と一緒に聴いていたのだが、塩次は「ホトケ、この演奏はずっと永遠に聞いていられるな」と僕に言った。本当にバンドのアンサンブルの素晴らしさはこのコンサートが一番かも知れないと今も思う。デイヴ・マヤーズのベースとフレッド・ビロウのシカゴ・ブルーズ・ビートもモダンとダウンホームが絶妙にミックスされた唯一無二のものだった。
エイシズのルイス・マイヤーズはギターだけでなくハーモニカもとても上手い人で、次の曲ではスライド・ギターも披露してくれた。

3.Anna Lee/Robert Jr.Lokwood&The Aces

次の曲はメンバー全員の演奏能力の高さがわかるインストルメンタルの曲。実はこのコンサートの後から日本ではこのエイシズのビートをカバーするバンドが増え、ほとんどみんな次の曲をカバーしていた。ギター・インストの教科書的な曲となっていた。原曲はオルガン・プレイヤー、ビル・ドゲットがヒットさせたものだが、完全にロックウッドとエイシズのものになっている。

4.Honky Tonk/Robert Jr.Lokwood&The Aces

日本のブルーズの盛り上がりの最初にこのコンサートがあったことはとても幸せだったと思うが、後から考えるとこれだけランクの高い演奏を聴くと次の来日ブルーズマンへの期待のハードルも上がることになった。
何しろロックウッドは独自のフレイズやサウンドを確立したブルーズギターを代表する一人であり、エイシズもシカゴ・ブルーズの一つのグルーヴを作った職人たちだ。

連日の演奏が素晴らしく、それが口コミで広がり当日券を求める人たちがコンサート会場に列を作ったほどだ。
このアルバムはまだお店でもネットでもゲットできると思うので探してみてください。そしてすでにアルバムを持っている方はもう一度ゆっくり聞いてみてください。