2023.07.21 0N AIR

ブルーズ・ライヴ名盤 vol.2

Live At The Regal/B.B.King

ON AIR LIST
1.Every Day I Have The Blues/B.B.King
2.Sweet Little Angel/B.B.King
3.My Own Fault/B.B.King
4.How Blue Can You Get?/B.B.King
5.Help The Poor/B.B.King

今回のブルーズ・ライヴ名盤はB.B.キングの1964年シカゴのリーガル・シアターというホールでのコンサートを収録した”Live At The Regal”
ブルーズの名盤中の名盤です。
50年代はヒットがたくさんあったのですが、このアルバムが録音された1964年当時のB.B.キングはヒット曲がなかなか出ない時期でした。そして、まだ白人の世界ではあまり名前が知られず、黒人クラブのサーキットずっと回るライヴを毎晩のようにやってツアーを回っていました。一年に340日ライヴをやった年もあったと言います。しかし、この当時のB.B.のライヴは演奏のクオリティが高く、またエンターテイメントとしても独自のスタイルを確立した時期でライヴ・ミュージシャンとしては人気がありました。
アルバムがヒットしない分をB.B.はライヴをやり続けることで稼ぎなんとかバンドを維持していきました。
さて、ライヴです。
”The King Of The Blues、B.B.King”というMCの呼び込みがあり、60年代から70年にかけてB.B.キングのライヴの最初の曲として定番となっていた”Everyday I Have The Blues”を疾走感のあるアップ・テンポで演奏。ドラマーに凄腕のソニー・フリーマンを得たことでバンドのグルーヴが上がり、この曲もこれからのライヴを期待させる開幕の一曲。
バンドのサウンドとリズムが安定して、B.B.自身もギタースタイルを確立した時期です。ブルーズとしては超一流のライヴを続けていました。まさにライヴが充実の時期。

1.Every Day I Have The Blues/B.B.King

B.B.の短いMCの後これも定番曲のスローブルース、”Sweet Little Angel”に突入。
この”Sweet Little Angel”からIt’s “My Own Fault”そして”How Blue Can You Get?”とスロー・ブルーズを三曲続けてB.B.は連奏します。それも彼の自信の表れだと思います。約10分以上に渡るスローの演奏がまるで飽きない。何故ならその10分間にB.B.はいくつもの山と谷を作って曲のダイナミズムをバンドと縦横無尽に作っていきます。バック・バンドの素晴らしさ。まさに一体となって怒涛のように10分が過ぎます。そのライヴの白眉を聞いてもらいたいので今日は三曲をそのまま最後まで聞いてもらいます。

2.Sweet Little Angel/B.B.King

3.My Own Fault/B.B.King

4.How Blue Can You Get?/B.B.King

このB.B.キングのアルバム”Live At The Regal”はブルーズの名盤としていつも取り上げられるアルパムですが、名盤になっているひとつは観客がほとんど同胞の黒人であることだと思います。
聞いているとわかるのですが、B.B.の歌の歌詞、そしてギターのフレーズに黒人観衆はダイレクトに反応し歓声や叫び声をあげ、熱烈な拍手を送っています。つまりすごくしっかりB.B.
の演奏を聴いているのがわかります。B.B.の歌うブルーズの内容が黒人聴衆の心にハマっている。こういう客席とのコール&レスポンスというのが黒人音楽の醍醐味の一つでもあるわけです。
最高に充実していく時期で自分のスタイルを完全に築いた頃です。
B.B.のライヴはブルーズマンの中ではいつもクオリティが高く感心させられますが、そのひとつはB.B.が常にバック・ミュージシャンのクオリティを下げないことにあります。
ブルーズマンの中には少し売れてくるとギャラが上がり、自分がいればいいだろうという考えで自分がたくさんギャラを取りバックバンドのギャラを上げない人が結構います。するといいミュージシャンは他のバンドに移ってしまう。いいバンドにするにはバンドにいいギャラを払わないとダメということをB.B.はよくわかっていました。宿泊のホテル、移動の電車や飛行機でもB.B.のバンドの待遇はよかったと言います。

でも、この時のドラマー、ソニー・フリーマンとB.B.は本当に一心同体のように素晴らしいドラムを叩いてバンドを引っぱっています。

5.Help The Poor/B.B.King