2023.07.28 ON AIR

ブルーズ・ライヴ名盤 vol.3

Blues At Sunrise/ Albert King(Stax)

ON AIR LIST
1.Don’t Burn Down The Bridge
(‘cause You Might Wanna Come Back Across)/Albert King
2.I Believe To My Soul/Albert King
3.I’ll Play The Blues For You/Albert King
4.Blues At Sunrise/Albert King

ブルーズ・ライヴ名盤の3回目。アルバート・キングです。
スイスのレマン湖のほとりで毎年開催されているモントルー・ジャズ・フェスティバルでのアルバート・キングの1973年のライヴを録音したアルバム「ブルーズ・アット・サンライズ」です。
アルバート・キングには1968年サンフランシスコのフィルモア・オーディトリアムでのライヴを録音した「ライヴ・ワイア/ブルーズ・パワー」という有名なライヴ・アルバムもありますが、今日ON AIRするこのアルバムの方が歌をしっかり歌っていて僕はこの「ブルーズ・アット・サンライズ」の方が好きです。アルバムの選曲のバランスがいいです。
アルバートは他にも1977年の”LIVE”というのもあります。とにかくライヴに魅力のあるブルーズマンです。

「二人を繋いでいる橋を焼き落とすようなことはやめろ」と言ってる歌です。

1.Don’t Burn Down The Bridge
(‘cause You Might Wanna Come Back Across)/Albert King

アルバート・キングは最初そんなに有名なブルーズマンではなくて1961年に”Don’t Throw Your Love on Me So Strong” というスロー・ブルーズがR&Bチャートに出たくらいでした。それが1966年にスタックス・レコードと契約したのがアルバートの幸運の始まりでした。先ほど言ったフィルモアの「ライヴ・ワイア/ブルーズ・パワー」は、フィルモアという会場が当時ロックの殿堂と呼ばれたホールでサンタナ、グレートフル・デッド、ジャニス・ジョップリンなど当時のロック・スターたちが人気を博したところです。そこでのライヴでアルバートは白人のロックファンを獲得したことが大きかったです。今日聞いてもらうアルバムでもそうですが、とにかくライヴで火を吹くようなギターソロが売りになりました。

次の曲はレイ・チャールズが作詞作曲して歌った曲ですが、アルバートはすっかり自分のアルバート調の節回しで歌っています。ギターを評価する人たちが多いのですが、僕は少しくぐもった声、スモーキー・ヴォイスとも呼ばれていますが彼の歌声がすごく好きです。
この曲もギターソロはキレキレです。たぶん、アンプの音質や音の歪み具合がアルバートの好みにぴったりなんだと思います。実にアルバートらしいキレもあり膨らみもある素晴らしいギターの音色で気持ちのいいソロを弾いてます。

2.I Believe To My Soul/Albert King

先ほどスタックスと契約したのがアルバートの幸運の始まりと言いましたが、スタックス・レコードは作詞作曲家のチームもいましたし、プロデューサーもアレンジャーもしっかりいてちゃんと曲作りと録音するシステムができてたことが良かったのです。録音もMGsとかバーケーズとかしっかりしたスタジオのメンバーのバンドがありました。だからサウンドはすごくしっかりしていました。
次の曲はアルバートの70年代を代表する曲で、B.B.キングの看板曲”The Thrill Is Gone”のような曲でアルバートは必ずこの曲をライヴでやっていました。

3.I’ll Play The Blues For You/Albert King

ぼくはアルバート・キングのライヴを日本で何度か、アメリカで一回聞きましたが、とにかくステージの音響状態やバックバンドの演奏や楽屋はじめいろんな待遇で機嫌が変わる人で、それによって演奏のクオリティも変わる人でした。

ギター・ソロのパターンとかフレイズがたくさんあるわけではないのですが、ギターのタイミングとかチョーキングの瞬発力みたいなのがすごくてあっけにとられることもあります。ギターで作られるグルーヴ感がとても大きいです。
ギターの歪み具合も含めてそういうグルーヴ感を味わうにはやはりライヴが一番です。もうアルバート・キングは亡くなってしまったのでライヴは見れませんが、好きなミュージシャンのライヴは絶対に借金をしてでも見に行った方がいいです。

4.Blues At Sunrise/Albert King

よく言われることですが、やはりブルーズはライヴです。その時、その日の感情がストレートにでやすい音楽ですから、またお客さんがいいといいライヴになります。だからいいライヴにするには一緒にライヴを作っているお客さんの反応がすごく大切です。
このアルバート・キングのライヴのお客さんも反応が良かったようです。