2023.01.20 ON AIR

現役ブルーズン・ソウルシンガー、スタン・モズレーの新譜がいい!

No Soul, No Blues / Stan Mosley

ON AIR LIST
1.I’m Back To Collect/Stan Mosley
2.Blues Man (No Soul, No Blues)/Stan Mosley
3.I Can’t Get Next To You/Stan Mosley
4.Losing Hand/Stan Mosley

    先週はバディ・ガイのニューアルバムを聞きました。86才という高齢とは思えないパワフルなアルバムでしたが、やはり予想通りギター弾きまくりでブルーズのアルバム・・・というよりブルーズロックのアルバムだと僕は思いました。レジェンド・ブルーズマンの新譜ということで期待したバディのアルバムでしたが、歌が中心にないところがどうも諸手を挙げて勧められない気持ちです。
    いつも言ってることですが、新しいブルーズのアルバムを紹介したいのに歌がいいアルバムがなかなかリリースされないというのが昨今の状況ですが、今日は久々に自信を持ってお勧めできるブルーズの新譜というよりブルーズン・ソウルの新譜です。ブルーズン・ソウルというのはブルーズ・アンド・ソウルのことで、ブルーズとソウルのテイストが両方ある歌のことで”The Blues Is Alright”を歌ったリトル・ミルトン、”Who’s Makin Love”を歌ったジョニー・テイラーなどつまりギターではなく歌が中心のタイプのシンガーです。
    今日紹介する現役のブルーズン・ソウル・シンガーはスタン・モズレー。
    1952年生まれなので僕より年下ですね。現在はテキサス、ヒューストンに住んでいるそうですが彼の音楽の礎は生まれ故郷のシカゴで築かれ、ずっとシカゴのあるイリノイ州あたりで活動していました。
    まずは一曲、アルバムの最初の曲です。


    1.I’m Back To Collect/Stan Mosley
    骨太なシンガーということが今の一曲でわかりますが、僕は最初に聞いた時ウィルソン・ピケットやボビー・ウーマックといったソウル系のシンガーを思い出しました。
    今回のアルバムにスタンの先輩であるリトル・ミルトンのコメントが載っているんですが、「スタン・モズレーは偉大なブルーズの声の持ち主だ」と書かれているようにギミックのない、ストレートな強い声を持っていることがわかります。
    本人のライヴ映像をYouTubeで見てみるとブルーズよりもソウルのレパートリーが多いのですが、次の自作のオリジナルではもちろんオレはソウルマンであるけどブルーズマンでもあると歌ってます。
    スタンはインタビューでも「ブルーズとソウルはいとこ同志なんだ」と語っているように、ブルーズとソウルとゴスペルは背中合わせにある音楽でソウルの中にはブルーズとゴスペルの要素がたくさんあるのでジャンルの線引きをするのは難しいです。
    そんなことを歌った次の曲はサブタイトルに「ソウルのないブルーズはブルーズではない」とついています。
    のっけから強烈なシャウトで始まります。俺の名前はスタンでソウルマンだ。でも今夜はお前と一緒にブルーズを歌うよ・・と。

      2.Blues Man (No Soul, No Blues)/Stan Mosley
      今回このアルバムがいい仕上がりになったのはバックの録音ミュージシャンたちのクオリティの高さもあったからだと思う。かってテキサスのブルーズバンド「ファビュラス・サンダーバード」のメンバーだったギターのジョニー・モーラーはじめテキサスのブルーズ&ソウルをよく知ったメンバーというのも良かったのだと思います。
      そしてカバーだけでなく今の曲のようなオリジナルが4曲入っているのも意欲的でいいですね。
      次の曲は1969年にソウルのコーラスグループ。テンプテーションズがオリジナルを歌ってチャート一位になり、アル・グリーンのカバーでも有名な曲です。これもいい感じでアレンジされていて16ビートのアップ・テンポから途中でオリジナルのミディアム・シャッフルへリズムが変わるところなども聞きどころです。


      3.I Can’t Get Next To You/Stan Mosley
      自分は何でもできるけど君を自分のものにできない・・という歌。

      シカゴで歌い始めたスタンはブルーズはもちろんブルーズン・ソウルの先輩リトル・ミルトンやシカゴ・ソウルのタイロン・ディヴィスの影響も受けてます。そのリスペクトするリトル・ミルトンが歌った曲を豪速球でスタンが歌ってます。「ホレたおまえのためにいろいろやってみたけどもうどうすることもできへん」


      4.Losing Hand/Stan Mosley
      やっぱりストレートにこのくらい歌われると気持ちいいです。
      スタンは2000年前後に南部の黒人音楽レーベルとして有名なマラコ・レコードから三枚アルバムを出していましたが、これと言ったヒットはなく僕も名前は知ってましたがアルバムを買って聴くというところまではしませんでした。
      でも、これは久々に気持ちのいいブルーズ&ソウルのニュー・アルバムです。スタン・モズレーお薦めです。

      欲を言えばいいバラードの曲がひとつ欲しかったですね。スタン・モズレーをYou Tubeで検索するとボビー・ウーマックの”Harry Hippie”などバラード系もステージで歌っています。そして、とにかく日本で火をつけるには地方も含めて日本でいくつかライヴツアーをやらないと人気が出るところまではいかないので来日して欲しいです。

      2023.01.13 ON AIR

      86歳バディ・ガイの新譜”Blues Don’t Lie”を聴く

      Blues Don’t Lie/Buddy Guy

      ON AIR LIST
      1.I Let My Guitar Do The Talking/Buddy Guy
      2.What’s Wrong With That/Buddy Guy feat.Bobby Rush
      3.We Go Back (feat.Mavis Staples)/Buddy Guy
      4.Gunsmoke Blues/Buddy Guy
      5.King Bee/Buddy Guy

        アルバム・タイトルは”Blues Don’t Lie” 「ブルーズは嘘をつかない」
        ゲストにメイヴィス・ステイプルズ、ボビー・ラッシュ、エルヴィス・コステロまあこの辺まではわからなくもないけどジェイムス・テイラーが参加しているのにびっくり。
        僕は最近のバディ・ガイの音楽をブルーズというよりブルーズ・ロックとして聞いています。というのもオーセンティックなブルーズ・テイストよりもロック・テイストの方が強いからで今回のアルバムも基本的にはそういうサウンドです。恐らく彼自身も白人のロックファンを中心としたブルーズロック好きをターゲットにしていると思います。今回もそれ以前からもバディはインタビューで「ブルーズを死なせてはいけない」「ブルーズを次世代に橋渡ししなければいけない」と言ってますが、オーセンティックな(純正な)ブルースという感じは少なくてロックテイストです。
        ここでひとつ言わせてもらうと僕はブルーズロックがダメと言っているわけではなく、ブルーズロックと呼ばれるオールマン・ブラザーズやジョニー・ウィンターは好きだし、ブルーズの影響から名曲名演をたくさん残したジミ・ヘンドリックスも大好きです。

        まず一曲。アルバムの最初の曲からラウドでパワフルに歪んだギター・サウンドが全編に繰り広げられ、全体のアレンジもサウンドもこれはやはりロックと呼んだ方がいいと思う。

        1.I Let My Guitar Do The Talking/Buddy Guy

        オレはギターに喋らせるという意味ですが、本当によく、うるさいくらい喋ってます(笑)
        近年、バディに関して賛否が分かれていることは「レジェンドのブルーズマン」と呼ばれている割にはあまりブルーズという感じがしないということだと思う。例えばB.B.キングは歌もギターも60年代に作り上げた自分のブルーズ・サウンドからあまり離れることなく終生ずっと自分のブルーズ・サウンドとグルーヴを維持していました。ところがバディは60年代70年代に比べるとギターの音がロック志向になりフレイズの粒がよくわからない。方向性もアルバムごとに変わっていたりであまり確固としたものが感じられない・・そのあたりがオーセンティックなブルーズを好む人たちから敬遠されているのでしょう。
        このアルバムでもブルーズとしての統一感はあまりない。ジェイムズ・テイラーをゲストに迎えた曲もメイヴィス・ステイプルとの曲も悪くはないがアルバム全体のコンセプトがはっきりしてない。
        次のボビー・ラッシュをゲストに迎えたファンキーな曲はブルーズ濃度が濃いかなと思いきや、やはりギターソロになるとロックテイストになる。

        2.What’s Wrong With That/Buddy Guy feat.Bobby Rush

        ゲストがたくさん参加するアルバムも僕はあまり好きではないです。ゲストが多いとコンセプトがしっかりしていないとアルバムの印象がぼやけてしまうというか・・・このアルバムもバディだけで勝負して欲しかった。

        では、メイヴィスと歌っている曲を聴いてみよう。
        「どこもかしこもブルーズだった昔に戻ってる。キング牧師が撃たれた日を忘れない。そして生活は辛かったけどなんとか私たちはやってきた」と、ややゴスペル調の曲です。ゴスペル・ルーツのメイヴィスの音楽性を尊重してこういう選曲になったのだと思います。
        ギターも含めてこのアルバムで一番好きな曲かもしれません。

        3.We Go Back (feat.Mavis Staples)/Buddy Guy

          アメリカはいつまで経っても銃、ピストルを無くせない国でそれによって何度も大量殺人の悲劇が起きています。そういう野蛮な国なのに一番の先進国だと言ってるのが訳わかりません。そういえばシカゴに行った時、夜中のハンバーガー・ショップのカウンターに網と鉄格子みたいな柵があってお金を渡す手が入るだけの場所がありすごく怖いムードでした。しかも入り口に警官が座っていたので一緒に行ってくれた奴に聞いたら夜中になるとこのハンバーガー屋にも強盗がピストル持って入ってくる時があるって・・・どんな先進国やねん。
          次はそういう銃犯罪に反対するメッセージが込められた曲です。

          4.Gunsmoke Blues/Buddy Guy

          最後にバディと同じルイジアナ出身のブルーズマン、スリム・ハーポのブルーズ・スタンダードをアコースティックの弾き語りを録音してます。
          これもやや取って付けたような感じがしないでもない。

          5.King Bee/Buddy Guy

          他にはビートルズの”I Got The Feeling”などもやっているのですが、やはり選曲におけるアルバムの統一感があまり感じられない。
          ギターの音色やアルバムのサウンドの志向はもう聞く人の好き好きです。

          上から目線で申し訳ないが、86歳にしては歌もすごく歌えているし、ギターも弾けている。ツアーからはもう引退すると言ってますがまだやれると思います。今日はちょっと辛口なまた日本にも来て欲しいですし、誰かいいプロデューサーがついてもっといいアルバムも期待しています。

          2023.01.06 ON AIR

          ニューオリンズの偉大なミュージシャン、ドクター・ジョンの遺作”Things Happen That Way”を聴く

          Things Happen That Way / Dr.John (ROUNDER)

          ON AIR LIST
          1.Funny How Time Slips Away / Dr.John
          2.Gimme That Old Time Religion/Dr.John&Willie Nelson
          3.End Of The Line/Dr.John (feat.Aaron Neville)
          4.I’m So Lonesome I Could Cry/Dr.John

          明けましておめでとうございます。
          今年最初のON AIRはドクター・ジョンの遺作です。ニューオリンズというよりアメリカの音楽に多くの功績を残したシンガー・ソングライター、そして素晴らしいピアニストであるドクター・ジョンが亡くなったのは2019年。4年近く経ちました。遺作となったこのアルバムのコンセプトはカントリー・ミュージックへのトリビュートとゴスペルです。録音は2018年から始まっていたようです。
          アルバムタイトルはラストに収録されている1958年にカントリー・シンガーのジョニー・キャッシュがヒットさせた曲”Things Happen That Way”からつけられています。
          では、アルバムの一曲目です。ぼくも大好きな歌ですがアル・グリーン、エルヴィス・プレスリー、ジュニア・パーカーほかたくさんのシンガーがカバーしています。「やぁ元気?ああ僕はまあまあやってる。とても長く感じるけど昨日のことのようにも感じる。時が過ぎるのっておもろい感じやね。新しい彼氏はええ人なんか?彼にあなたのことを死ぬまでずっと愛しているわって言うたようやけど、それってオレにも言うたよね。時が過ぎるのっておもろい感じがやよね?」
          久しぶりに別れた恋人に会った時の歌やだと思います。


          1.Funny How Time Slips Away / Dr.John
          少し声が出にくいところもありますが、それでもいつもドクター節は健在です。
          今のは偉大なカントリーシンガー、ウィリー・ネルソンが作った名曲でしたが、次はそのウィリー・ネルソンとデュエットしています。
          1800年代に作られた古いゴスペルソングでアメリカではよく知られた歌のようです。
          訳すのは難しいですが、「いにしえの信仰(宗教)を私に与えてください。私の心を満たしてくれる昔の教えを与えてください」
          ドクターとウィリー・ネルソンの歌声がすごくい感じでブレンドされています。


          2.Gimme That Old Time Religion/Dr.John&Willie Nelson
          本当にいいです。
          ドクターとウィリー・ネルソンは音楽性だけでなくどこか似た人間性もあるように思います。

          ではニューオリンズに生まれてニューオリンズで亡くなったドクターのニューオリンズ・テイストたっぷりの曲。
          オリジナルはトラヴェリング・ウィルベリーズ(1988年にジョージ・ハリソンを中心にボブ・ディラン、トム・ペティなどが参加したバンドで、最初は名前を明かさない覆面バンドとして登場した)のファースト・アルバムに収録されています。
          It’s Alright!(大丈夫だ)I’m just glad to be here, happy to be alive(ここにいることが喜びであり、生きていて幸せだ)
          うまくいかないことがあってもええ、毎日いろんなことがある。
          そして最後にWe’re going to the end of the line(私たちはこの道の終わりに向かっているんだ)という内容です
          ゲスト・ヴォーカルにアーロン・ネヴィルが入って歌っています


          3.End Of The Line/Dr.John (feat.Aaron Neville)
          まさにニューオリンズというアレンジでした。

          次はカントリー・ウエスタンのレジェンド、ハンク・ウィリアムスが作った名曲です。ドクターはハンク・ウィリアムスがすごく好きだったようです。日本ではブルーズよりもさらにカントリー・ミュージックが遠い感じの音楽になってますが、アメリカでは黒人ミュージシャンもカントリー好きな人がたくさんいます。カントリー&ウエスタンにはいい曲もたくさんあります。
          「聴いてみなよ夜鷹(ウィポアウィルとは夜鷹 Nighthawkとはまた違うみたいです)の飛ぶことも苦しそうな寂しげな鳴き声を
          夜汽車が過ぎる音も重く聞こえる ぼくは泣きたいくらいすごく寂しいんだ・・・」と心寂しい歌詞が続くのですが、これは彼女がどこかへ行ってしまった歌で「静かに落ちる流れ星が紫色の空を輝かせ、君はどこにいるのかと心配している、ああ泣きたいくらいすごく寂しい」
          4.I’m So Lonesome I Could Cry/Dr.John

          2022.12.30 ON AIR

          今年一年ありがとうございました

          Jon Batiste / WE ARE
          Mavis Staples & Levon Helm / Carry Me Home
          Bonnie Raitt / Just Lik That
          Kick Off The Blues / 永井ホトケ隆

          ON AIR LIST
          1.Freedom/Jon Batiste
          2.This May Be The Last Time / Mavis Staples & Levon Helm
          3.Waitin’ For You To Blow/Bonnie Raitt
          4.44 Pistol/Duwayne Burnside
          5.Good Night Irene/永井ホトケ隆

          今年も「ブルーズパワー」を聴いていただきありがとうございます。未だにコロナ禍でキーステーションの弘前のアップル・ウェーブにほとんど行けてないのですが、来年は感染に気をつけけながら収録に行きたいと思っています。自分のバンド”ブルーズ・ザ・ブッチャー”も去年の11月くらいからツアーを再開し、今年は3回ロングツアーに出ました。来年はバンドの新しいアルバムのレコーディングもすでに決まっています。また、今年はこの番組の15周年を記念して私の初めての弾き語りアルバム”Kick Off The Blues”をリリースできました。青南商事さんはじめ関係者の皆さんに感謝いたします。そのリリース・ツアーもまだ残っていまして暖かくなった頃に再開したいと思っています。とにかく不自由な中、今年はかなり動き始めた年でした。また動けない時もこの番組をやっていることが自分にとっては精神的な力になっていました。音楽を、ブルーズを届けているという気持ちをこの番組をやることでキープできていると思いました。
          さて、去年から今年の初めにかけて僕がよく聴いたのがジョン・バティーストのニューアルバム”WE ARE”でした。アフリカン・アメリカンのミュージシャンの中でぼくが今一番注目している若手ですが、出身のニューオリンズのR&Bなどをルーツにジャズ・テイストからヒップホッブ、ラップなどをミックスさせた音楽は本当に見事です。グラミー賞に11部門ノミネートされ5部門で受賞するという素晴らしさ。まだ35歳です。

          1.Freedom/Jon Batiste

          バティーストはブラック・ライヴズ・マターの運動など政治や社会の問題にも積極的に関わり、それを上手く音楽でも表現できる彼の才能は素晴らしいです。これからも注目したいと思います。
          政治や社会の問題といえば、60年代からずっとメッセージ・ソングを歌っているメイヴィス・ステイプルズ。そのメイヴィスとザ・バンドのドラマーでありシンガーでもあったレヴォン・ヘルムがコラボしたのが、レヴォンの遺作となったアルバム”Carry Me Home”
          これも今年の印象に残る一枚でした。
          ふたりがこのアルバムをレコーディングしてた時の映像がネットに出ているのですが、本当に誠実なふたりの気持ちが寄り添って演奏し歌っている様子が心を打ちます。

          2.This May Be The Last Time / Mavis Staples & Levon Helm

          今のメイヴィスと仲がよくコラボのライヴも行なっているボニー・レイットのニューアルバム”Just Like That”も今年リリースされました。1971年にファースト・アルバムがリリースされ今回が通算21作目。長いキャリアをもち今やアメリカのロックのトップ・ミュージシャンになりいろんなミュージシャンのゲストにも引っ張りだこのボニーです。来日してほしいですね。メイヴィスと一緒に来てくれたら最高なんですが、そういう気の利いたことをしてくれる呼び屋さんいませんかね。

          3.Waitin’ For You To Blow/Bonnie Raitt

          しかし、今年はブルーズのいい新譜というのがなかなかなくて、この番組はブルーズの番組なので困ってますが、この前ON AIRしたドゥエイン・バーンサイドの弾き語りアルバムですかね。本当に彼なんかにもっとアルバム出してもらって頑張って欲しいんですがね。北ミシシッピの生まれでお父さんはヒル・カントリー・ブルーズの親玉、RL.バーンサイドでその息子ですからもう体にブルーズが染み込んでいる男なんで頑張って欲しいです。
          曲はミシシッピに昔から伝わる伝統的なブルーズです。こういう曲がやれる人も少なくなっているんだと思います。

          4.44 Pistol/Duwayne Burnside

          それで最後に手前みそですが、今年は自分の初めての弾き語りアルバムがリリースできたことがすごく大きなことでした。この番組が15周年を迎えたのでその記念で作らせてもらったのですが、自分にとってはまた新たな弾き語りという目標ができました。年を重ねても何か新しいことをやることが大切だと思ってます。それでアルバムタイトルも大好きなラグビーの試合開始の最初のキックをKick Offというのでそこからとって”Kick Off The Blues”としました。では本当に手前みそですが・・

          5.Good Night Irene/永井ホトケ隆

          コロナだけではなく、ウクライナ戦争はじめ世界で起きている紛争、いろんな差別、貧困など毎日ニュースで知る出来事に暗くなることも多いです。
          日本でも生活に困っている方もたくさんいます。そういう全てが少しでもよくなっていくことを願って、何か助けられるようなことができればと思います。来年が皆さんにとって本当により良い一年でありますように!良いお年をお迎えください。今年一年ありがとうございました。
          Hey Hey The Blues Is Alright!

          2022.12.23 ON AIR

          Merry Christmas !

          Aaron Neville/Aaron Neville’s Soulful Christmas
          Bluesin’ Them Jingle Bells
          A Christmas Gift For You From Phil Spector
          B.B.KingA Christmas Celebration Of Hope

          ON AIR LIST
          1.The Christmas Song/Aaron Neville
          2.Merry Christmas Baby/Charles Brown
          3.Christmas Eve Blues / Blind Lemon Jefferson
          4.I Saw Mommy Kissing Santa Claus / The Ronettes
          5.Christmas In Heaven/ B.B.King

          クリスマス、イヴイヴですが今日はまずこの曲から。

          1.The Christmas Song/Aaron Neville

          アメリカの至宝の歌声、アーロン・ネヴィルのクリスマス・ソングでした。
          今年もあと残り少しになってきました。みなさんはどんな一年でしたか。コロナの感染者数が減ったり増えたりの繰り返しでそのたびに今年も一喜一憂する日々でした。しかし、じっと何もしないでいるわけにも行かず去年の終わりから自分のバンド「ブルーズ・ザ・ブッチャー」でツアーにも出始めましたし、この番組の15周年記念で記念アルバム”Kick Off The Blues”をリリースすることもできリリース・ツアーも少しやらせていただきました。全国をツアーしてみるとやはりライヴハウスは大変苦労しているし、ぼくらミュージシャンもなかなか以前のようには状況が戻らない中ツアーの維持もきついものがあります。でもツアーはやってよかったと思います。ずっと来てくれているお客さんたちの顔を見れることも、ほんの少しですけど言葉を交わすこともすごく大切だと感じました。
          まあいろんなことがありますが、やはり時は流れてこうしてクリスマスの季節がきて、新年を迎えることになります。ウクライナや戦争や紛争を抱えている国の人たちのことを考えると気持ちが重くなります。クリスマスソングなんか聞いている場合ではない人たちがたくさんいることも心に留めて今日は聞いてください。

          この番組では毎年必ず聞いているブルーズのクリスマス・ソングの一番有名な曲であり、定番曲です。「メリー・クリスマス、ベイビー、クリスマスには君がダイヤモンド・リングをプレゼントしてくれるから俺は天国にいるような気分や」で始まるんですが、最後には「今朝はまだ酒飲んでないからねクリスマス・ツリーのようにしっかり立ってるよ」とグタグタの歌詞で終わります。

          2.Merry Christmas Baby/Charles Brown

          次はおそらくどこのラジオ局のどの番組もON AIRしないだろうリアルなブルーズのクリスマスの曲です。
          歌っているのは偉大なブルーズマン、ブラインド・レモン・ジェファーソン。1928年の録音です。
          明日はクリスマスだというのに彼女(嫁さん?)がどっかへ行ってしまって「オレが嘆き呻いているのが聞こえるか」と言うてます。帰ってきてくれたらなんでも買うたるから言うてますが、やっばり男が悪いことしたんですね「オレが悪かった、ごめんな」と言うてます。「今日はクリスマス・イヴやんか、帰ってきてくれよ」とちょっとクリスマスを口実にやった悪いことを無しにしょとしている節もあります。

          3.Christmas Eve Blues / Blind Lemon Jefferson

          ブラインド・レモンはブラインドですから盲目でした。お金を稼がなければいけないので一時はボクサーをやったこともありました。多分それは見世物のようなひどいことだったと思います。街角で歌ってお金を稼ぐことはそれに比べたらまだ救われることだったかも知れません。でも、彼は毎年どんなクリスマスを過ごしたのでしょうか。最後は吹雪の舞う真冬のシカゴ路上で亡くなりました。殺されたのか、道に迷ったのか、心臓発作だったのかわかっていません。

          次は僕が子供の頃から一番好きなクリスマス・ソングで「ママがサンタにキスをした」です。うちは子供の頃「ママ」なんて呼んでませんけどね。「お母ちゃん」中学くらいから「母さん」ですよ。この歌のサンタはパパのことなんですが、パパもなかったですね「お父さん」です。親父とお袋がキスをしたとこなんて見たことも聞いたこともありませんが、この歌からはなんか幸せな家庭の雰囲気が伝わってきていいなといつも思います。うちは親父とお袋と仲良くなかったので・・・

          4.I Saw Mommy Kissing Santa Claus / The Ronettes

          最後はこれもこの番組で毎年聞いているB.B.キングのクリスマス・ソングです。
          このアルバムに「クリスマス・アルパムを作るのは私の長年の願いでしたとB.B.が書いています。アメリカのミュージシャン達にとってはクリスマス・アルバムを作るのは夢なんでしようね。
          「君とここに一緒にいて天国にいるようなクリスマスだよ。もし、君がいなくなったら僕はどうしたらいいかわからない。クリスマスに天国にいる、君といると1年中クリスマスだよ。君がキスしてくれて、天使たちが聖夜の間歌いつづけてくれるのを聴く。雪が降って来て、やどり木があってもういい感じだね。君とここに一緒にいて天国にいるようなクリスマスだよ。」
          B.B.のアルバム・タイトルは”A Christmas Celebration Of Hope”

          5.Christmas In Heaven/ B.B.King

          年内に来週もう一度ON AIRがありますが、今年の最後は今年心に残った曲を聴いてみようかなと思ってます。
          いいクリスマスをお過ごしください。