2024.04.05 ON AIR

ブルーズ・パワー番外編/音楽への無償の愛を聞かせてくれるthe tigerの本格デビュー

ON AIR LIST
1.金町/the tiger
2.オフェリア/the tiger
3.働き者の歌/the tiger
4.僕の街/the tiger

今日の特集はブルーズやブラック・ミュージックではありません。去年から僕が注目し期待していた日本の若いバンドが3/13 に初めてフル・アルバム・デビューしました。今日はみなさんに聴いてもらいので番外編としてON AIRします。
すでにSNSなどでもかなり話題になっているので知っている方もいると思いますが、”the tiger”というバンドです。ジャンル分けするとロックになりますがいろんなルーツ・ミュージックのテイストも入っています。
そもそも僕がこのバンドのことを知ったのは、You Tubeでソウルの映像を見ている時にアレサ・フランクリンが”Respect”を歌ってる映像が出てきまして、その下に同じ”Respect”を歌っている日本人の女性の映像が出てきました。それでクリックするとその彼女が熱唱している歌がとてもソウルフルでしばらく見入ってしまいました。そしてバンドはギターとベースとドラムの3ピースなのですが、それがまた全然音が薄くなくて、余計なこともこれ見よがしなところもなくリズムがタイトですごく好感を持てました。久しぶりにいい若いバンドに出会った感じでした。
それがこのバンド、”the tiger”との出会いでした。
まず今回のデビュー・アルバム”Get Ready”の一曲目”金町”を聴いてください。彼らがいま住んでる東京葛飾区の街金町からタイトルされた曲。彼らがこのアルバムを契機に新たに出発する意思表明したような曲です。

1.金町/the tiger

途中で出てきたサックスは前田サラ。

メンバー紹介をしますとヴォーカルとギターがリン、ギターがタイガ、ベースがユウスケ、ドラムがアツシの四人編成です。この中のリン、タイガとアツシの3人が同じ高校で2014年に学校の軽音楽同好会で結成されたということです。結成して10年経っているんですね。それで以前いたベースが辞めたので新たなベースを探しつつ東京に移転してきていまの歌の金町に住んで共同生活をしているということだそうです。そしてベースのユウスケが2021年に参加して今の四人の体制になっています。
the tigerの音楽には先ほど言ったアレサの曲のようなソウルやブルーズなどのルーツ・ミュージックやストーンズのようなオーセンティックなロックの要素もあるのですが、次の曲はザ・バンドのロビー・ロバートソンの作詞作曲。日本語の訳詞ではなくタイガ君が自分の想いも込めた日本語詞にしています。ロビー・ロバートソンの原曲の歌詞はどこかへ行ってしまったのか死んでしまったのか、とにかくいなくなってしまった彼女に帰ってきて欲しいと願う歌ですが、まあそれと遠くもない日本語詞です。

2.オフェリア/the tiger

先行シングルの第1弾が一曲目に聴いてもらった「金町」だったのですが、次の第2弾としてリリースされたのが「働き者の歌」
この曲でもリンちゃんの見事な熱唱ぶりが聞けますが、彼女の歌を中心にメンバー全員が本当に一つになっていくのがわかります。また自然とひとつになっていく引き寄せる力がリンちゃんの歌にあると思います。作詞作曲はタイガくん

3.働き者の歌/the tiger

今のようなメッセージ的な歌というのはともすると押し付けがましくなるものですが、そうなっていないところがいいです。歌にも演奏にも誠実さが感じられます。
たぶん彼らの人気が少しずつ出てきたのは彼らの音楽的なクオリティの高さもあるし、リンちゃんの歌の熱さもあると思いますが、四人の音楽に対する誠実さと熱意に心打たれるのだと思います。彼らはおじさん、おばさんにも人気があるのですが、それは彼らの音楽に対する健気さにまず心打たれるからです。年を取るとわかったような気持ちになりけなげさを失うことが多いです。だから僕も彼らに音楽にもっと健気に向かい合わなければいけないと教えてもらったような気持ちです。
次は確かリンちゃんが10代の頃に作った歌だそうです。

4.僕の街/the tiger

ここにもぼくにとっては懐かしいようなメロティが出てきます。いいですね。
the tigerのファースト・アルバム”Get Ready”は3/13にJust Luck Recordsからリリースされました。それから「働き者の歌」がアナログ7インチシングルで4/20にリリースされます。B面は憂歌団の「おそうじオバちゃん」。
これから日本のいろんなところに彼らは演奏に行くと思います。もし、the tigerの名前をどこかでを見かけたらライヴを聴きに行ってください。
無償の愛に溢れた音楽が聴けると思います。
頑張れ!タイガー!