2022.05.20 ON AIR

DO THE BLUES 45s! vol.3/The Ultimate Blues 45s Collection (THINK!Records THCD 593)

ON AIR LIST
1.Oops/Bill Dogged And His Combo
2.Chicken Shake/Clarence “Gatemouth” Brown
3.I Got My Eyes On You (Watching Everything You Do)/ Smokey Smothers
4.Hotel Blues/Eddie Boyd
5.Sunny Side Of Love / Raful Neal

去年の12月にリリースされた全くマニアックなでもすごく面白いブルーズのアルバムで”DO THE BLUES 45s! vol.3”というのを今日は紹介します。
Vol.3ということで前のVol.1も2も僕はゲットしているのですが、今回もなかなか聞けないいわゆる7インチシングルレコードでリリースされたものが収録されています。このアルバムをディストリビュートしているのがぼくもよく通っているディスク・ユニオンというレコード店で、このレコード店の以前あった新宿店のソウル・ブルーズ館に秋元さんという方がいてぼくもよくお世話になりました。この秋元さんが自分で持っているシングルレコードをコンピレーションしたのがこの”DO THE BLUES 45s! ”のシリーズでこれで三枚目になります。
収録されているのは僕もほとんど知らない曲ばかりです。今回はインストルメンタルが多いのですが、まず一曲目。
いろんなブルーズマンがカバーしている1956年に大ヒットした”Honky Tonk”というインストの曲がありまして、オリジナルはビル・ドゲットというオルガン・プレイヤーなのですが、このドゲットさんのアルバムがめちゃたくさん出てまして中古店に行くと必ずあります。あまりたくさんありすぎてみんな何がいいのか分からなくてみんな買わないという・・またオルガンというのがミソでアメリカではオルガンはポピュラーな楽器なのですが日本ではあまり馴染みがないんですね。曲名がOops(ウープス)「おっとっと!」「おっと」「やってしもたわ」という意味。

1.Oops/Bill Dogged And His Combo

めちゃ早いテンポで、ファンキーな曲でしたが、ドラムはだれなんでしようか?めちゃステディなビートでドラムかっこいいです。
次の曲もドラムがステディでカッコいいゲイトマウス・ブラウンの曲です。ゲイトマウス・ブラウンと聞いて「おっ、アグレシッヴなかっこいいギターが聞けるかな」と思いきや、ゲイトマウスはハーモニカを吹いてます。でも、このハーモニカがテクニックがあるわけではないのですがかっこいいんですよ。

2.Chicken Shake/Clarence “Gatemouth” Brown

次の曲はブッカーT&MG’sの「グリーン・オニオン」のパクリみたいなんですが、ヘヴィなベースの音とジャリジャリしたギターの音がずっと同じパターンをやり続けるカッコ良さで押し切ったような曲で僕はこういう演奏が好きです。ギターのスモーキー・スマザーズのシングルですが、ギターがどうのこうのというより全体の演奏のカッコよさだと思います。

3.I Got My Eyes On You (Watching Everything You Do)/ Smokey Smothers

こういうブルーズのインスト曲というのはパーティ会場でダンス・タイムによく流れたんだと思いますが、今もこういう曲をクラブの音響システムででかい音で聞くとちょっと別世界に行けます。
このアルバムにはもちろん歌ものも入っているので一曲聞いてみましょう。
曲名がなんかめっちゃ安い感じで「ホテル・ブルーズ」です。「ホテル」という不倫を歌った歌謡曲を思い出しますが・・。
バックのギターは名人ロバート・Jr.ロックウッドが弾いていて解説を書いている秋元さんはロックウッドのギターがいいと書いてますが、エディ・ボイドの歌に何も触れてません。でも、僕はこのエルモア・ジェイムズを彷彿とさせるような歌がめちゃいいと思います。ちなみにエディ・ボイドはブルーズの名作”Five Long Years”を作って歌った人です。

4.Hotel Blues/Eddie Boyd

シングル・レコードの音というのはLPよりも音圧が高くて臨場感がすごくあります。その音の違いがLPに収録されたものとは全く違うこともあります。僕もいろいろ持ってますが、ハマるとちょっとやみつきなり中にはかなり高額でレアなものもあるのであまり手を出さないようにしてます。

最後はレイフル・ニールというハーモニカ・プレイヤーの曲。息子がケニー・ニールというブルーズマンで知っている方もいると思います。レイフル・ニールさんは国際ハーモニカ・フェスティバルで来日してますが、ぼくは残念ながら見ていません。聞いてもらう曲はユルさを感じさせるルイジアナ・テイストが入った曲。解説で秋元さんも書かれてますが、アイボリー・ジョー・ハンターが大ヒットさせた”Sice I Met You Baby”のパターンを使った曲。歌もダウンホームでいいなぁと思います。

5.Sunny Side Of Love / Raful Neal

レコードのシングル盤の音圧とか音の迫力がCDになって、こうしてネットを通して聞いてもらって果たしてどのくらいその迫力が伝わっているか不安ですが・・・。でも、なんかファンキーないい曲が多くて元気出ます。朝に体にエンジンがかからない時に聞くと調子が出るかもしれません。
ということで今日はディスクユニオンの社員である秋元さんが自分が集めたシングルレコードをコンピレーションしたブルーズ・アルバム”DO THE BLUES 45s! vol.3”を聞きました。楽しいアルバムです。