特集「ダウンホーム・ブルーズとは・・・」vol.4
見事なダウンホーム・ブルーズのコンピレーション・アルバム,CD4枚組全108曲
“DOWN HOME BLUES-CHICAGO 3”
ON AIR LIST
1.Every Day and Every Night/Magic Sam
2.You Don’t Love Me/Willie Cobbs
3.Sweet Sixteen/Chuck Berry
4.I Can Tell/Bo Diddley
5.Sweet Home Chicago/Magic Sam
ダウンホーム・ブルーズ特集の4回目でコンピレーション“DOWN HOME BLUES-CHICAGO 3” のアルバムの4枚目を聞きます。この4枚ボックスセットの一番の売りはマジック・サムの未発表曲が収録されているということで、マジック・サム・ファンの私も正直それにつられて買いました。録音はマジック・サムのアパートでハーモニカのシェイキー・ジェイクと二人で演奏しているものですが、これがまた私のようなサム・ファンにはリアルなサムの歌とギターを聞くことができるたまらないテイクになってます。
まずそのマジック・サムから、”Every Day and Every Night”
この曲は1967年にデルマーク・レコードからリリースされたサムの名盤”West Side Soul”に収録されています。聞いてもらうのは66年録音ですから1年前に自分のアパートでこの曲を作って練習してたのではないでしょうか。
1.Every Day and Every Night/Magic Sam
バンドがなくても素晴らしいグルーヴ感のある演奏で本当にリアルなマジック・サムが聞けた思いです。
次は今のマジック・サムが69年にリリースしたアルバム”Black Magic”でカバーしている”You Don’t Love Me”のオリジナル、ウィリー・コブスの原曲です。
「オレのこと好きやないんやろ、知ってるよ。オレのこと愛してないんやろ」
ブルーズマンだけではなく、オールマン・ブラザーズ始めロック・バンドにも広くカバーされたブルーズ・スタンダード曲です。
2.You Don’t Love Me/Willie Cobbs
You Don’t Love Me・・いや~いなたい。ダウンホームの極みです。
もう一つの目玉はこの4枚目にはチャック・ベリーのR&Rではなくチャックのブルーズが6曲収録されています。元々チャック・ベリーはR&Rを作るつもりなんかなくてT.ボーン・ウォーカーとルイ・ジョーダンが好きでブルーズをやりたかったわけです。それがやっているうちに偶然ビートが変わっていき作った曲がR&Rになったということです。聞いてもらうのはR&Rのブームが去った1960年の録音
ピアノがジョニー・ジョンソン、ベースにウィリー・ディクソン、ドラムにイビー・ハーディ、そしてギターにマット・マーフィ。チャックの歌の後ろでオブリガードを弾いているのがマット・マーフィです。曲はB.B.キングで有名なSweet Sixteen
3.Sweet Sixteen/Chuck Berry
チャック・ベリーには有名な”Wee Wee Hours”というスロー・ブルーズの曲があるのですが、それもいまのような曲調で素晴らしいです。
このダウンホーム・ブルーズのボックス・セットにはいろんなブルーズマンが入っているのですが、チャック・ベリーを聞くとやはり気になるのが同じR&R系列のボ・ディドリー。4曲収録されてますがその中でも私の好みにぴったりな曲がダウンホームな8ビートのこの曲。
4.I Can Tell/Bo Diddley
リズムのグルーヴとパワフルで太い声のボ・ディドリーの歌がかっこいい曲です。でもなんかダウンホームなムードがありますね。
では最後にもう一曲マジック・サムを。
この有名曲はロバート・ジョンソンがオリジナルですが多くの人が聞き覚えたのはマジック・サムのアルバム”West Side Soul”に収録されているバージョンだと思います。
5.Sweet Home Chicago/Magic Sam
マジック・サム・ファンとしてはサムのリアルな歌声とギターが聞けてたまりません。
今回まで4回に分けてこの“DOWN HOME BLUES-CHICAGO 3” というボックスセットでダウンホーム・ブルーズを聞いてもらいましたが、いかがでしたか。
CD4枚組全108曲ですからシカゴ・ブルーズのダウンホームな感覚を知るには選曲もいいアルバムです。
こういう南部の感覚が好きになるとさらにブルーズのフィールドが広がります。