2017.12.01ON AIR

ROLL WITH THE PUNCHES/Van Morrison(Caroline International/Hostess HSU-10156)
img

ON AIR LIST
1.I Can Tell/Van Morrison
2.Bring It On Home To Me/Van Morrison
3.Going To Chicago/Van Morrison
4.Teardrops From My Eyes/Van Morrison

 

 

 

 
今日は敬愛するヴァン・モリソンのニューアルバム「ROLL WITH THE PUNCHES」です
ヴァン・モリソンは1945年北アイルランド生まれ。デビュー50周年で37枚目のアルバムだそうです。現在70才ですがめちゃくちゃ元気です。
新しいアルバムはカバーとオリジナルで構成されていて、ジェフ・ベック、クリス・ファーロウ、ジョージィ・フェイム、ポール・ジョーンズなど昔からのモリソンの音楽仲間が参加してます。
では、まず1曲。ヴァン・モリソンより5才ほど年上の同じイギリスのヴォーカリスト、クリス・ファーロウとのデュエットで、声の質が似ていてどっちがどっちかわからないのです。
オリジナルは60年代イギリスのロック・ミュージシャンに絶大な人気があったボ・ディドリー
1.I Can Tell/Van Morrison
クリス・ファーロウとヴァン・モリソンは60年代にブルーズやR&B、ジャズが好きな歌手としてイギリスでライバルでもあったし盟友でもあったと思います。いま70才を過ぎてふたりで一緒に歌えるというのは格別の思いがあるのではないでしょうか。嬉しいことにふたりとも歌声が変ってないです。

次の曲は74年のヴァンのアルバム”It’s Too Late To Stop Now(魂の道のり)にも収録していた彼の大好きな曲です。
オリジナルはサム・クック。ヴァン・モリソンならではの味わい深いカバーで途中のジェフ・ベックのギター・ソロも絶妙です。
2.Bring It On Home To Me/Van Morrison
ジェフ・ベックの歌の合間に入れるギターが本当に的確で、印象に残ります。ええですね。

次の曲はヴァン・モリソンとは親友のキーボード奏者のジョージ・フェイムが参加しています。60年代の中頃には「イエ・イエ」とか「ゲッタウェイ}とかチャートのNo.1になったヒットも出しました。ジョージもブルーズやリズム&ブルーズにどっぷり浸かって来たひとりです。まあ、60年代にイギリスでブルーズやR&Bなど黒人音楽に影響を受けなかったミュージシャンはひとりもいないと思います。

3.Going To Chicago/Van Morrison
ジャズ・テイストのブルーズですが、たぶん若い頃からブルーズもシカゴ・ブルーズから、このアルバムでもカバーしているライトニン・ホプキンスのようなカントリー・ブルーズ、ボ・ディドリーのようなロッキン・ブルーズとすごく幅広く聴いて歌っていたヴァン・モリソン。その蓄積が素晴らしいです。

ヴァン・モリソンはお母さんが歌手だったようで、お父さんも音楽が好きで古いブルーズやジャズのレコードが家にあって聴いていたのでこういう歌手になる下地は子供の頃に作られたんですね。いわゆる労働者階級の貧しい家だったけど、お父さんにギターやサックス買ってもらって、それらを覚えて15才くらいからバンドを始めてます。
1963年にロンドンのブルーズ、R&Bが盛り上がった様子に刺激され故郷アイルランドで「ゼム」を結成。64年にデッカからデビュー。
僕がその「ゼム」を聴いたのが15才の時。「グロリア」とか、そのあとソロになってからの「ブラウン・アイド・ガール」というヒットもありましたが、とても個性的で心に残る歌を歌う人という印象でした。
1993年にロックの殿堂入りして、グラミーも獲得してます。
でも、今回のアルバムを聴いていると、最初の「ゼム」の頃からブルーズとR&B、ジャズを大切にしてきて本当にぶれていなかったシンガーだなと思います。
では、R&Bの女王ルース・ブラウンのカバーをうたっているので聴いてみましょう。
4.Teardrops From My Eyes/Van Morrison
今年中にもう一枚アルバムをリリースすると言われているヴァン・モリソン。リリースされたらまたON AIRしたいと思います!