2017.02.03 ON AIR

激動の60年代ブリティッシュ・ブルーズロック vol.3
ブリティッシュ・ブルーズの真の実力派フリートウッド・マック

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ON AIR LIST
1.Black Magic Woman/Fleetwood Mac
2.My Heart Beat Like A Hammer/Fleetwood Mac
3.Albatross/Fleetwood Mac
4.Stop Messin’ Round/Fleetwood Mac
5.Coming Home/Fleetwood Mac

 

 

 

 

今回で激動の60年代ブリティッシュ・ブルーズの三回目ですが、前々回聴いたジョン・メイオール・ブルーズブレイカーズに在籍したギターリストのピーター・グリーンがブルーズブレイカーズを辞めたあとに作ったフリートウッド・マック。
ピーター・グリーンはかなりの自信家でまたようしゃべる奴やったらしいです。それでバンマスのメイオールと音楽的に上手く行かず脱退。
そして、その前にブルーズブレイカーズのメンバーですでに辞めていたドラムのミック・フリートと「フリートウッド・マック」を結成し、更にブルーズブレイカーズのベースだったジョン・マクヴィがステージでべろべろに酔っぱらって首になってフリートウッド・マックに加入。つまり、フリートウッド・マックの主要なメンバーというのは、元ブルーズブレイカーズのメンバーなんです。
フリートウッド・マックは67年結成。もうひとりジェレミー・スペンサーという素晴らしいギタリストを加え、更にもうひとりダニー・カーワンが加入してトリプル・ギターでサウンドを作る面白いバンドだった。サンタナで有名になった「ブラック・マジック・ウーマン」も彼らのオリジナルだし、「アルバトロス」というムードのあるインスト・ナンバーでチャートに上がったこともあったけど、基本的にはしっかりしたブルーズバンドです。
まずこれがオリジナル「ブラック・マジック・ウーマン」
1.Black Magic Woman/Fleetwood Mac
次の曲はエルモア・ジェイムズ大好きのジェレミー・スペンサーが作ったエルモアまるだしのオリジナル。スライドギターの音色も素晴らしいです。
2.My Heart Beat Like A Hammer/Fleetwood Mac
68年リリースのファースト・アルバム「ピーター・グリーンズ・フリートウッド・マック」はチャートの4位まで上がる人気でした。

みなさんの中には70年代のポップ・ロックバンドとしてヒットを連発した「フリートウッド・マック」の方を知ってる人も多いと思います。なんでバンドの名前を変えてくれんかったのかと言いたくなるくらい同じバンド名前なのにやってた音楽がまったく違うんですが・・違いすぎるというか・・。
実は60年代の終わりにかけてフリートウッド・マックは人気も出て、アメリカツアーもしてシカゴのチェスレコードでレコーディングもするという順風満帆に進んでたんですが、70年代の初期にピーター・グリーンがLSD遣やり過ぎて頭が飛んでしまって活動できなくなり、そのあとにギターのジェレミーも精神不安定で脱退し、ダニー・カーワンもアルコール依存で脱退とめちゃくちゃなことになってしまって、ブルーズをルーツとしたフリートウッド・マックはそこで終わってしまいます。
結局ドラムのミック・フリートとベースのジョン・マクヴィが残るんですが、そこにギターのボブ・ウェルチという人が加入して、ベースのジョン・マクヴィと結婚したピアニスト&ヴォーカルのクリスティーヌが加入して活動。これがポップロックに向かう第二期フリートウッド・マックの始まりになるわけです。このクリスティーヌさんはその前にチキン・シャックというブルーズバンドに参加してたんです。
ピーター・グリーンの才能の一端を示した名曲を聴いてください。69年イギリス・チャート1位です。
3.Albatross/Fleetwood Mac
なんか不思議な、いい曲でしょ。僕は大好きで時々聴きます。すごく特異な才能があったピーター・グリーンはアタマが飛んでしまったあと、お墓の掃除人なんかやってほぼホームレス状態で発見されました。
1990年代になんとか復帰して99年に日本に来た時に日比谷の野音で一緒やったんですが、やっぱり完全には直ってないようでした。B.Bキングもそのギターの才能を認めて、ブルーズギターということでは同じイギリス白人のクラプトンよりもブルーズを感じるというファンも多いので残念です。
今のアルバトロスは3枚目のThe Pious(パイアス/敬虔な、信心深い) Bird Of Good Omen(いい前触れ) 日本盤では「イングリッシュ・ローズ」という編集盤に入ってます。
次の曲はピーター・グリーンのオリジナルで二枚目の「ミスター・ワンダフル」というアルバムに収録。歌もピーター。
4.Stop Messin’ Round/Fleetwood Mac
1969年にはフリートウッドマックはイギリスではビートルズ、ストーンズの次に人気のあるバンドまでのし上がりました。黒人ブルーズに肉迫した実力とセンスのあったバンドなのに惜しいです。シカゴの憧れのチェスレコードまで行ってオーティス・スパンたちとレコーディングもしたんですが・・・。

もう一曲、エルモア大好きジェレミーのエルモアのカバー
5.Coming Home/Fleetwood Mac
まだまだフリートウッドマックは聴いてもらいたい曲もあるのでまた近々やります。