2017.04.07 ON AIR

60年代ブリティッシュ・ロックの名シンガーふたり、ヴァン・モリソンとスティーヴ・ウィンウッド

THEM/THEM(Decca/LONDON ポリドールP25L 25024)

THEM/THEM(Decca/LONDON ポリドールP25L 25024)

How Long Has This Been Going On /Van Morrison with Georgie Fame(Verve ポリドール POCP-7102)

How Long Has This Been Going On /Van Morrison with Georgie Fame(Verve ポリドール POCP-7102)

The Singles/Spencer Davis Group(BR MUSIC BX550-2)

The Singles/Spencer Davis Group(BR MUSIC BX550-2)

ON AIR LIST
1.Gloria/Them
2.Just A Little Bit/Them
3.That’s Life/Van Morrison with Georgie Fame
4.Dimples/The Spencer Davis Group
5.Gimme Some Lovin’/The Spencer Davis Group
6.Keep On Running/The Spencer Davis Group

ストーンズのニューアルバムの特集で中断してしまいましたが、激動の60年代ブリティッシュ・ブルーズの続きで今日は素晴らしいシンガー、ヴァン・モリソンとスティーヴ・ウィンウッドです。
まずはアイルランド出身、ゼムというバンドでデビューしたヴァン・モリソン
ブルーズにはリトル・ウォルターの”My Babe”のように「オレの彼女は可愛いやろ」とか「優しくてええ女やねん」というような彼女自慢の歌がよくあります。レイ・チャールズには女性の名前の曲ばかり集めたアルバムがありますが・・それはそれでいろいろ差し障りがあるんやないか・・と思います。
今日の一曲目はヴァン・モリソンのオリジナル。
グロリアという名前の彼女が真夜中にやってきてオレを気持ちよくさせてくれる。一晩中叫びたい、毎日叫びたいグロリア!
1.Gloria/Them
ヴァン・モリソンはソングライターとしても素晴らしい人ですが、カバーする時も、歌詞の内容にうるさいというかすごく歌詞を点検して調べる人のようです。
次の曲は僕もカバーしているメンフィスの50年代のヒットメーカー、ロスコー・ゴードンの有名曲ですが、こんなアレンジでカバーしたのはこのゼムだけやないかと思います。
イントロが始まった時に、曲順間違えたかと思いました。
2.Just A Little Bit/Them
このゼムをリリースしたのはイギリスのデッカレコードでストーンズも同時期に出してるんですが、同じスタジオで同じエンジニアなんでしょうか、音の作り方がよく似てます。ヴォーカルのトーンもミックのトーンに似てます。こういうサウンドが好きになってイギリスの60年代ロックが好きになった人も多いと思います。
ヴァン・モリソンのアルバムを探していたらずっと聞いてなかったアルバム、これはヴァンと同世代の同じイギリスのキーボード、ジョージー・フェイムと作った95年のアルバム”How Long Has This Been Going On “から。
元々フランク・シナトラで有名になった曲です。
「人生はそんなもんやと人は言う。4月はめっちゃ調子よかったけど、 5月は落ち込んでもやり方を変えて6月には頂点に返り咲くのさ」
サビの最後の歌詞が僕は好きです
Each time I find myself flat on my face,
I pick myself up and get back in the race.
落ち込んでぶっ倒れるたびに、オレは自分で立ち上がりまたもとに戻っていく
自分自身を拾い上げて、また競争(人生の)に戻る」
3.That’s Life/Van Morrison with Georgie Fame

60年代のブリティッシュ・ロックバンドでやはり忘れられないのはスペンサー・デイヴィス・グループですね。僕は高校生の頃、スペンサー・デイヴィスが歌っていると最初思ってたんですよ。バンド名がそうですからね。そしたらキーボードのスティーヴ・ウィンウッドがヴォーカルやとかなり経ってからわかって・・。スティーヴ・ウィンウッドがこのスペンサー・デイヴィス・グループの要やったんですね。
8才の時に自分の父親とお兄さんとバンドをやっていたウィンウッドはその時すでにギター、ピアノ、ドラムをものにしていたらしいです。そして、兄貴のマフと一緒にスペンサー・ディヴィス・グループに加入したのが15才!まだ中学生です。オリジナルのヒットはあとから聴くとして彼らのカバー・シングルをまず聴いてみよう。
4.Dimples/The Spencer Davis Group
ジョン・リー・フッカーがオリジナルのカバー。これがスペンサー・ディヴィス・グループの初シングル。この前も言いましたが、この当時のイギリスの若者たちは本当にジョン・リーが大好きでアニマルズもストーンズもゼムもカバーしてます。
さっきのヴァン・モリソンと同じようにスティーヴ・ウィンウッドもソングライターとしての才能がある人で、いまから聞いてもらうGimme Some Lovin’はブルーズ・ブラザーズにカバーされてます。では、1966年スペンサー・ディヴィス・グルーフ゜の大ヒット
5.Gimme Some Lovin’/The Spencer Davis Group
スティーヴ・ウィンウッドは67年にスペンサー・デイヴィス・グループを脱退してからデイヴ・メイソンと「トラフィック」を結成して、二年後69年にはクラプトンと「ブラインド・フェイス」結成。他にもジミ・ヘンドリックスのレコーディングに参加したり、やっぱり歌だけでなく、キーボードもギターもうまいので引っ張りだこなんですね。78年頃にソロになってからしばらくヒットがなかったんですが、86年の「バック・イン・ザ・ハイライフ」のアルバムでハイヤー・ラブがヒット。
これも好きな歌です
6.Keep On Running/The Spencer Davis Group

ブリティッシュのロックのシンガーというとストーンズがなにしろずっと続いているバンドなのでミック・ジャガーの名前が出てくるんですが、以前に聞いてもらったアニマルズのエリック・バードン、今日のヴァン・モリソン、スティーヴ・ウィンウッド、ロッド・スチュワートと歌の素晴らしいシンガーがたくさんいます。全員ブルーズやR&Bの黒人音楽の影響で歌を始めているんですが、また、そのシンガーたちがいまも現役で歌っていることが素晴らしいです。