2025.12.12 ON AIR

テキサスの素晴らしいブルーズマン、ジミー・ボーンのLP三枚組!

THE PLEASURE’S ALL MINE (THE COMPLETE BLUES, BALLADS AND FAVOURITES )/Jimmie Vaughan

ON AIR LIST
1.THE PLEASURE’S ALL MINE/Jimmie Vaughan
2.Come Love/Jimmie Vaughan
3.I’m Leaving It Up To You /Jimmie Vaughan
4.How Can You Be So Mean /Jimmie Vaughan

今年の10月の誕生日にギタリストのシュウ(上村秀右)からプレゼントしてもらった自分が大好きな白人ブルーズマン、ジミー・ボーンのLP三枚組”THE PLEASURE’S ALL MINE”をシュウと話しながら聴きます。弟のスティーヴィー・レイボーンの方が有名ですが、ぼくは昔から弟はあまり好きじゃなくてこの兄貴のジミーに興味がありました。
ジミーはテキサスのダラス生まれですが、19歳でオーステインへ移り住みそこで74年にボーカリストでハーモニカ・プレイヤーのキム・ウィルソンと出会いファビュラス・サンダーバーズを結成。その後の80年くらいに、ロスに住んでいたアメリカ人の友達が「このバンドいいよ」と教えてくれたのがファビュラスだった。全米10位になった86年のシングル「Tuff Enuff」とかロッキン・プルーズ的なアプローチが好きで聞くようになりました。白人のブルーズバンドとしては有名でしたが1990年ジミーはファビュラス・サンダーバーズを脱退します。 
面白いところでは映画「ブルーズ・ブラザーズ2000」に架空のバンド「ルイジアナ・ゲーター・ボーイズ」の一員として出演してました。テキサス、ウエストコーストあたりで活躍して3作目のソロ・アルバム『ドゥ・ユー・ゲット・ザ・ブルーズ?』がグラミー賞の最優秀トラディショナル・ブルース部門を受賞したこともありました。
1990年に弟のスティービー・レイと”The Vaughan Brothers”名義でアルバム『Family Style』をリリースしてグラミー賞で最優秀コンテンポラリー・ブルース・アルバム選ばれて、2001年にリリースしたアルバム『Do You Get The Blues』もグラミー賞の最優秀トラディショナル・ブルースを獲得しています。
紹介はこのくらいであとはシュウと話しながらのON AIRをお楽しみください。

1.THE PLEASURE’S ALL MINE/Jimmie Vaughan

ボビー・ブランドのFurther On Up The Roadに少し似ている。

2.Come Love/Jimmie Vaughan

シカゴ・ダウンホーム・ブルーズのボス、ジミー・リードのカバーでしたが、選曲のセンスが抜群です。

ゲーリー・クラーク・ジュニアと二人でやってるYouTubeを見てたんですが、ジミー・ボーンはずっとリズム・ギターをすごくステディにリズムを切っている。どんなセッションを見ても一番ベーシックなことをやってるのがジミー・ボーン。腹たつのはあとのメンバーがソロをチャラチャラ弾いていること。

次はドン・アンド・デューイの曲で同じテキサスの女性シンガー、ルー・アン・バートンがコーラスしてます。
ぼくはブルー・ヘヴンの頃、ベースの小堀正と二人で歌ってました。

3.I’m Leaving It Up To You /Jimmie Vaughan

メンバーのジョージ・レイン(ドラム)とロニー・ジェイムズ(ベース)の作り出すリズムがいいです。
次はジョニー・エースの曲

4.How Can You Be So Mean /Jimmie Vaughan

2025.12.5 ON AIR

「永井ホトケ隆のブルーズ講座」は「日本のブルーズ50年」Vol.2

Photo By 菅原一剛

先週に引き続き11月22日弘前EAT&TALKで行われたTalk and Live Show「永井ホトケ隆のブルーズ講座」のライヴを聴きながら、サポートを務めてくれたギタリストの上村秀右と音楽トーク。
来ていただいたお客さんにスクリーンで画像を見てもらいながら、それに関連するブルーズをライヴで歌ってこの日本のブルーズの半世紀の変遷を自分の想いも込めながら話しました。
ブルーズ・ファンの中には日本のブルーズなんかに興味はないと思っている方々もいると思いますが、この半世紀私が活動する日本のブルーズの土台を作ったのはライヴに来てそしてアルバムも買ってくれた人たちです。その人たちが洋楽のブルーズにも興味を持つきっかけを自分たちは作って来たと思ってます。
ブルーズはマニアックな音楽になりがちで知らない人たちを遠ざけてしまいがちですが、日本でブルーズをやって来た人たちの多くはオリジナル(原曲)に敬意を払いながら日本人にも近づけるブルーズを模索して来ました。本格的なブルーズが日本で始まって50年がどう流れて来て、これからどう流れていくのか音楽のライヴ現場に立つ者としていろいろEat AndTalkで話しました。ライヴ・サポートしてくれた上村秀右に感謝です。

そして私の志向を理解していただき、ライヴそしてこの番組をずっとサポートしていただいている青南商事さんに感謝します。
キー・ステーションの弘前アッブル・ウェーブのご協力にも感謝です。。

みなさん、ありがとうございます。
P.S.当日久しぶりにお会いした写真家の菅原一剛さんにライヴ・ショットを撮っていただきました。嬉しかった。ありがとうございます。

ON AIR LIST
1.Take A Little Walk With Me/永井ホトケ隆&上村秀右
2.T.Bone Shuffle/永井ホトケ隆&上村秀右
3.Everyday I Have The Blues/永井ホトケ隆&上村秀右

 

2025.11.28 ON AIR

「永井ホトケ隆のブルーズ講座」は「日本のブルーズ50年」

Photo By 菅原一剛

11月22日弘前EAT&TALKで行われたTalk and Live Show「永井ホトケ隆のブルーズ講座」のライヴを聴きながら、サポートを務めてくれたギタリストの上村秀右と音楽トーク。

ON AIR LIST
1.Walkin’ By Myself/永井ホトケ隆&上村秀右
2.Shu’s Rag Time/上村秀右
3.Love In Vain/永井ホトケ隆&上村秀右

久しぶりに行われた「永井ホトケ隆のブルーズ講座」は「日本のブルーズ50年」というお題で主に1975年からの日本のブルーズと私自身の50年を振り返りました。
珍しい話もいくつかありますのでぜひお聞きください。

青南商事さん、FM アップル・ウェーブそして素敵な写真を撮っていただいた菅原一剛さんに感謝です。

2025.11.21 ON AIR

ダウンホームブルースってなんや その4

ON AIR LIST
1.Down Home Blues/Z.Z.Hill
2.COME ON ROCK LITTLE GIRL/Smokey Smothers
3.Sad Night Owl/Freddy King
4.3 O’clock Blues/B.B.King
5.Three O’Clock Blues/Lowell Fulton

ダウンホーム・ブルーズを探る特集をここのところやってきましたが、今日はその最終回モダン・ブルーズの潜むダウンホーム・テイストの話をします。
まずはこれを聞いてください。

1.Down Home Blues/Z.Z.Hill

この番組では何度か聞いている1982年リリースされたアルバム”Down Home Blues”に収録されているタイトル曲です。これが最初南部でめちゃヒットして次第に広がっ
1982年いうたらマイケルのスリラーやプリンスの”1999”なんていうアルバムがめちゃ売れていた頃でオリビア・ニュートンジョンの「フィジカル」なんていうのもMTVでよく流れてました。そんな時代に今の「ダウンホーム・ブルーズ」がじわじわと南部で流行っていたわけです。
この歌詞は女性が主人公で「あなたのパーティは盛り上がって、みんなが楽しんでる。あなたが飲み物を作ってくれている間に靴を脱いでくつろいでもいい?髪も下ろしてリラックスしてこの地元ゆったりしたブルーズを楽しみたいの。早いブルースはいらないわ。このダウンホームブルーズを楽しみたいの」
もうブルーズを聴く黒人たちも少なくなってきたところのヒットに業界はびっくりしたわけですが、中年の黒人の人たち、特に南部の人たちの間では依然としてこういうゆったりしたグルーヴの、あまりテンションのない素朴なダウンホーム・ブルースを望む人たちがかなりいたことがわかりました。
ブルースの歴史で言うと60年代に入ると主流になっていったのはB.B.キングやボビー・ブランドなどのゴスペルのルーツを持ったモダン・ブルースとジョニー・テイラーやリトル・ミルトンなどのブルーズとソウルがミックスされたブルーズ&ソウルでした。南部のブルースと先週まで聞いてきたようなシカゴ・ブルーズなどは流行らなくなりました。しかし、ダウンホームのテイストがなくなったわけではないわけで、モダン・シカゴブルーズにもそのテイストはあります。次の62年の名盤と言われているスモーキー・スマザースを一曲聞いてください。

2.COME ON ROCK LITTLE GIRL/Smokey Smothers

これ実はギターで参加しているのがフレディ・キングなんですが、オブリガードで曲に色付けしているギターがそうです。彼はシカゴにいた若い時代にジミー・ロジャースやエディ・テイラーといった先輩ブルーズマンのダウンホームな影響をたくさん受けているわけです。だからこういうシカゴ・ダウンホームなスタイルもすぐ弾けるわけです。
フレディ本人の録音の中から次のインストルメンタル曲なんかもゆったりとしたダウンホーム感があります。

3.Sad Night Owl/Freddy King

この曲、酒飲んで聞いてると蕩けてしまいます。フレディ・キングのイメージとしてみんなが持っているのはガンガンにハイテンションでギターを弾いて目一杯歌うという感じだと思うのですが、今のようなダウンホーム感もルーツの一つとしてあるんですね。
ちなみにフレディはアメリカのラジオ番組でジミー・ロジャースの話をしているときにそのインタビュアーがジミー・ロジャースのことを何も知らなくてフレディはキレ気味にその偉大さを喋りまくるというめちゃおもろい録音がありました。
さてキングといえばB.B.キングですが、もうモダン・ブルーズのトップ・ブルーズマンなんですが、彼の初ヒットの次の曲を聴くとやはりその根底にダウンホームなテイストを感じます。1951年R&Bチャートの1位に輝きました。

4.3 O’clock Blues/B.B.King

ギター・プレイもギター弦が太かったせいもありまだチョーキングの音が上がりきらないところとか、バックのサウンドとビートがいなたい、洗練されてないダウンホーム感があります。

元々今の曲はB.B.が大好きだったロウエル・フルソンがオリジナルなんですが、もっとダウンホームです。こんな感じです。

5.Three O’Clock Blues/Lowell Fulson

ブルーズにとってとても大切な要素であるダウンホームなフィーリングというのをわかってもらえたでしょうか。
僕も若い頃はダウンホームなものより派手なサウンドのモダンブルースとかBlues &Soulが好きやったんですけど、年を重ねるとダウンホーム・ブルーズが染み入ります。
4回にわたってON AIRしてダウンホーム・ブルーズを聞いてもらいました。

2025.11.14 ON AIR

ダウンホームブルースってなんや その3

ON AIR LIST
1.Keep What You Got/Howlin’ Wolf
2.Mighty Long Time/Sonny Boy Williamson
3.Pontiac Blues/Sonny Boy Williamson
4.I’m in the Mood/John Lee Hooker
5.Hoogie Boogie/John Lee Hooker

ダウンホームブルースってなんなんやという特集の3回目。
50年以上いろんなブルーズを聞いてきたわけやけど・・・まあきっかけはロックしか知らなかった頃にブルーズロックと呼ばれたクリームやジミ・ヘンやオールマン・ブラザーズやそれ以前にストーンズやアニマルずもそうですけど、そこから黒人ブルーズに入ったわけです。だから最初はB.Bキングとかアルバート・キングのようなギター・サウンドが表に出てくるモダンなブルーズが好きで、そこからマディ・ウォーターズなんかのエレクトリック・シカゴ・ブルーズのバンドサウンドに惹かれて、そこからスタックスなんかのリトル・ミルトンやジョニー・テイラーたちのブルーズン・ソウル。それからざっと遡って戦前のロバート・ジョンソンやサン・ハウスなどのカントリー・ブルーズに興味を持ってライトニン・ホプキンスやジョン・リー・フッカーに流れて行きました。
ブルーズを聞いてきた自分の経験の中で最近いいなぁと思うのがダウンホームなブルーズです。ある意味、ここにブルーズのエッセンスは溜まってるんとちゃうかとも思います。
気取ってなくて、田舎臭さ、イナタさがあり、素朴で、リラックスできるダウンホーム・ブルーズ。またはダウンホームなテイストを持ったブルーズがここ数年身にしみてます。
例えばハウリン・ウルフもメンフィスからシカゴに出て行ってチェスで録音してヒットがたくさん出るわけですが、その前のメンフィスにいた頃の録音の方がいなたくて最近はよく聞くようになってます。1951年の録音

1.Keep What You Got/Howlin’ Wolf

ハウリン・ウルフはこのあとシカゴにでて行って成功するわけですが、すでにメンフィスあたりではかなりの人気で別にシカゴにでて行かなくてもよかったのですが、当時のシカゴはブルーズのメッカになっていたから、あとはチェスレコードに提示されたお金でしようね。メンフィスにいた頃の少し荒々しい、ワイルドなビートは「サザン・ビート」と呼ばれてますが、このビートもワイルドですが素朴さがありダウンホームです。それに比べるとチェスのシカゴ・ブルーズのビートはお行儀がいい感じがします。もう一曲そのサザンビートががっつり聞ける曲。
ウルフがいたテネシー州メンフィスから州を越えてすぐのところにあるのがアーカンソー州ヘレナ。ここには偉大なサニーボーイ・ウィリアムスンがいました。彼もまたのちにシカゴに行き同じチェスレコードで名をはせる数々の録音をするのですが、このヘレナ時代に録音したやはりサザンビートのブルーズがめちゃいいです。
好きな曲です。「ああ、とても長い時間。長い時間が過ぎた。あの娘に会ってからすごく長い時間が経った。長い時間が経ってゆかのカーペットは色褪せてしまった。もし彼女が戻ってきたら俺はもう彼女を離しはしない」

2.Mighty Long Time/Sonny Boy Williamson

やっぱええ曲。ええブルーズやな。
もう一曲「ポンティアック・ブルース」ポンティアックいうのは50年代の初め頃、キャデラックより安くて黒人に人気のあった車。これに彼女を乗せてドライヴ。彼女が「あんた、全てが最高やわ」と喜んでいるブルーズ。

3.Pontiac Blues/Sonny Boy Williamson

さてシカゴより北のデトロイトは自動車産業が盛んだったのでやはり南部からたくさんの黒人たちが仕事を求めて移住しました。そこで生まれた最大のブルーズ・スターがジョン・リー・フッカー。ジョン・リーも生まれは南部ミシシッピのブルーズのメッカのクラークスディル。
彼は生涯ダウンホームさが抜けなかった人で、83歳で亡くなるまでずっとミシシッピーの故郷の匂いを持ち続けたブルーズマンでした。ある意味すごいことで。変わらないのか変われない?のかそのダウンホームさを持ったブルーズのスタイルは偉大です。

4.I’m in the Mood/John Lee Hooker

もうほんまにかっこいい。こんなブルーズ誰にもできないです。ジョン・リー・フッカーだけができる最高にクールなダウンホーム・ブルーズです。異次元に連れて行かれるような録音のサウンド作りも素晴らしい。歌とかギターが上手いとかいう次元やないんですよ。存在。ジョン・リーという人の存在がもうブルーズとしてあまりにカッコええ。ああ興奮してしまう。
ジョン・リーといえばブギということでもう一曲。

5.Hoogie Boogie/John Lee Hooker

めちゃ素朴なでもこんなかっこいいブギは他にないです。こういう独自のブギのスタイルを確立して、さほど音楽的なパターンはないのに世界を制したブルーズマンもジョン・リーくらいです。
ぼくはめちゃたくさんジョン・リーのアルバムを持ってますが、どれもさほどちがいはないんですよ。ドロッとしたスローと今のようなブギの二本立てです。でも飽きないんですよ、これが。それは多分彼の歌やギターの疲れないダウン・ホームさ加減にあるのではないかと思います。何となくダウンホーム・ブルーズがわかって来たでしょうか。土着的な良さを持った気取らないブルーズと覚えといてください。これで終わろうと思ったんですが来週もう一回だけダウンホーム特集やります。