ダウンホームブルースってなんや その3



ON AIR LIST
1.Keep What You Got/Howlin’ Wolf
2.Mighty Long Time/Sonny Boy Williamson
3.Pontiac Blues/Sonny Boy Williamson
4.I’m in the Mood/John Lee Hooker
5.Hoogie Boogie/John Lee Hooker
ダウンホームブルースってなんなんやという特集の3回目。
50年以上いろんなブルーズを聞いてきたわけやけど・・・まあきっかけはロックしか知らなかった頃にブルーズロックと呼ばれたクリームやジミ・ヘンやオールマン・ブラザーズやそれ以前にストーンズやアニマルずもそうですけど、そこから黒人ブルーズに入ったわけです。だから最初はB.Bキングとかアルバート・キングのようなギター・サウンドが表に出てくるモダンなブルーズが好きで、そこからマディ・ウォーターズなんかのエレクトリック・シカゴ・ブルーズのバンドサウンドに惹かれて、そこからスタックスなんかのリトル・ミルトンやジョニー・テイラーたちのブルーズン・ソウル。それからざっと遡って戦前のロバート・ジョンソンやサン・ハウスなどのカントリー・ブルーズに興味を持ってライトニン・ホプキンスやジョン・リー・フッカーに流れて行きました。
ブルーズを聞いてきた自分の経験の中で最近いいなぁと思うのがダウンホームなブルーズです。ある意味、ここにブルーズのエッセンスは溜まってるんとちゃうかとも思います。
気取ってなくて、田舎臭さ、イナタさがあり、素朴で、リラックスできるダウンホーム・ブルーズ。またはダウンホームなテイストを持ったブルーズがここ数年身にしみてます。
例えばハウリン・ウルフもメンフィスからシカゴに出て行ってチェスで録音してヒットがたくさん出るわけですが、その前のメンフィスにいた頃の録音の方がいなたくて最近はよく聞くようになってます。1951年の録音
1.Keep What You Got/Howlin’ Wolf
ハウリン・ウルフはこのあとシカゴにでて行って成功するわけですが、すでにメンフィスあたりではかなりの人気で別にシカゴにでて行かなくてもよかったのですが、当時のシカゴはブルーズのメッカになっていたから、あとはチェスレコードに提示されたお金でしようね。メンフィスにいた頃の少し荒々しい、ワイルドなビートは「サザン・ビート」と呼ばれてますが、このビートもワイルドですが素朴さがありダウンホームです。それに比べるとチェスのシカゴ・ブルーズのビートはお行儀がいい感じがします。もう一曲そのサザンビートががっつり聞ける曲。
ウルフがいたテネシー州メンフィスから州を越えてすぐのところにあるのがアーカンソー州ヘレナ。ここには偉大なサニーボーイ・ウィリアムスンがいました。彼もまたのちにシカゴに行き同じチェスレコードで名をはせる数々の録音をするのですが、このヘレナ時代に録音したやはりサザンビートのブルーズがめちゃいいです。
好きな曲です。「ああ、とても長い時間。長い時間が過ぎた。あの娘に会ってからすごく長い時間が経った。長い時間が経ってゆかのカーペットは色褪せてしまった。もし彼女が戻ってきたら俺はもう彼女を離しはしない」
2.Mighty Long Time/Sonny Boy Williamson
やっぱええ曲。ええブルーズやな。
もう一曲「ポンティアック・ブルース」ポンティアックいうのは50年代の初め頃、キャデラックより安くて黒人に人気のあった車。これに彼女を乗せてドライヴ。彼女が「あんた、全てが最高やわ」と喜んでいるブルーズ。
3.Pontiac Blues/Sonny Boy Williamson
さてシカゴより北のデトロイトは自動車産業が盛んだったのでやはり南部からたくさんの黒人たちが仕事を求めて移住しました。そこで生まれた最大のブルーズ・スターがジョン・リー・フッカー。ジョン・リーも生まれは南部ミシシッピのブルーズのメッカのクラークスディル。
彼は生涯ダウンホームさが抜けなかった人で、83歳で亡くなるまでずっとミシシッピーの故郷の匂いを持ち続けたブルーズマンでした。ある意味すごいことで。変わらないのか変われない?のかそのダウンホームさを持ったブルーズのスタイルは偉大です。
4.I’m in the Mood/John Lee Hooker
もうほんまにかっこいい。こんなブルーズ誰にもできないです。ジョン・リー・フッカーだけができる最高にクールなダウンホーム・ブルーズです。異次元に連れて行かれるような録音のサウンド作りも素晴らしい。歌とかギターが上手いとかいう次元やないんですよ。存在。ジョン・リーという人の存在がもうブルーズとしてあまりにカッコええ。ああ興奮してしまう。
ジョン・リーといえばブギということでもう一曲。
5.Hoogie Boogie/John Lee Hooker
めちゃ素朴なでもこんなかっこいいブギは他にないです。こういう独自のブギのスタイルを確立して、さほど音楽的なパターンはないのに世界を制したブルーズマンもジョン・リーくらいです。
ぼくはめちゃたくさんジョン・リーのアルバムを持ってますが、どれもさほどちがいはないんですよ。ドロッとしたスローと今のようなブギの二本立てです。でも飽きないんですよ、これが。それは多分彼の歌やギターの疲れないダウン・ホームさ加減にあるのではないかと思います。何となくダウンホーム・ブルーズがわかって来たでしょうか。土着的な良さを持った気取らないブルーズと覚えといてください。これで終わろうと思ったんですが来週もう一回だけダウンホーム特集やります。