Blues Guitar Instrumental-2
ON AIR LIST
1.Frosty/Albert Collins
2.Okie Dokie Stomp/Clarence “Gatemouth” Brown
3.Steady Groove/Robert Jr.Lockwood
4.Elmore’s Contribution To Jazz/Elmore James
5.Blues After Hours/Pee Wee Crayton
先週に引き続き今回もブルーズ・ギターのインスト特集。
今日はまずブルーズギタリストの宝庫テキサスから1962年録音、ミスター・テレキャスター、アルバート・コリンズの軽快なこの曲
1.Frosty/Albert Collins
アルバート・コリンズは58年にデビューしているのですが、前回のアール・フッカーと同じであまり歌が上手くなくて、この人こそブルーズギターのインストで有名になった人です。初めて聴いたアルバムには歌も入っていたのですが、「コリンズってギターええけど歌あかんなぁ」というのが一致した意見でした。でも、ギターは唯一無比、彼しか弾けないブルーズ・ギターでありその切れ味のいいギター・サウンドもフレイズも彼だけのものです。というのもギターのチューニングがFマイナー・チューニングといわれる独特の変則チューニングで、やはりそのチューニングにしないとコリンズのサウンド・テイストは出ない。
まあ、ブルーズマンは音楽学校なんかで習うわけもないので、みんな自己流で個性的です。僕がブルーズを好きなところがそこなんです。
歌は上手くないと言いましたが、でも途中からかなりがんばって歌をよく歌ってなんとなく彼流の歌というのができあがっていくところがまたブルーズの面白いところです。
次はアルバート・コリンズのテキサスの先輩です。クラレンス・ゲイトマウス・ブラウン
年は10才くらいゲイトマウスが先輩なのでたぶんテキサスのヒューストンのクラブでコリンズは憧れてみていたと思います。テキサスは録音として残っているいちばん古い30年代のブラインド・レモン・ジェファーソンからT.ボーン・ウォーカー、ライトニン・ホプキンス、そしてゲイトマウス・ブラウン、アルバート・コリンズ、ジョニー・ギター・ワトソン・・・と優れたギタリストがたくさん輩出された土地です。
ゲイトマウスは一時は「ザ・ビート」というテレビ番組のハウスバンドのリーダーをやっていて、テキサスあたりではそうとうブイブイ言わせてたと思います。
2.Okie Dokie Stomp/Clarence “Gatemouth” Brown
コーネル・デュプリーもカバーしたブルーズ・インストの名曲Okie Dokie Stompでした。
次は50年代から60年代サニーボーイ・ウィリアムスン、リトル・ウォルターはじめ偉大なブルーズマンの録音で見事なサポートをしてきた間違いなくブルーズ・ギター名人のひとり、ロバート・Jr.ロックウッド
ロックウッドは何度か来日したのでライヴを見ましたが、すごく自然に楽に弾いているのでなんか簡単そうに見えるんですが、これがカバーしょうと弾いてみるととんでもなく難しいんですよ。ブルーズの一流のスタジオ・ミュージシャンですからワザがたくさんあるんですよね。複音で弾くソロとかコードワークの洗練されているところとか、でもジャズまでいかないあくまでもブルーズ。その中でのパターンがほんとに多くてリズム・ギターからソロまでブルーズギターの教科書みたいな人でブルーズギターをやる人は一度はここを通らないといけないというブルーズマン
3.Steady Groove/Robert Jr.Lockwood
いまでも初めて来日した時の最初のギターの音が僕の頭の中では忘れられなく残っています。
エルモア・ジェイムズは歌もギターもすぐに「あっ、エルモアや」とわかるやはり個性的なブルーズマンです。ギターも歌もすごいエネルギーを出している人ですが、インスト曲はあまりなくていまから聴いてもらうのがいちばん彼の有名インストかも知れません。50年代から60年代へだんだんスライド・ギターを弾く人が減っていったのですが、
エルモアの影響力はすごくて昔はイギリスのジェレミー・スペンサーはじめ、デュアン・オールマン、ボニー・レイット、そしてデレク・トラックスとロック系のギタリストにも大きな影響を与えた人です。
4.Elmore’s Contribution To Jazz/Elmore James
僕もオープンDチューニングでエルモアの曲をスライドしますが、すごく攻撃的な気持ちになります。彼の演奏の中にある暴力性みたいなものにロックのミュージシャンが共感するのではないかと思います。
最後はゲイトマウス、アルバート・コリンズと同じテキサス出身のブルーズマン、ピーウィー・クレイトン。やはり、この人もテキサス流のワイルドなギターが持ち味ですが、テキサスからウエストコーストへ移ったのでウエストコースト風のややジャズがかったプレイもやります。ルーツはやはりテキサスからウエストコーストへ流れたT.ボーン・ウォーカーですね。聴いてもらう曲はもうブルーズ・インストの定番中の定番。
5.Blues After Hours/Pee Wee Crayton
前回と今回はブルーズ・ギターのインスト大会でしたが、いつも言ってますけどねブルーズは歌ですからね。基本は歌いながらブルーズギターを弾くというスタイルがいちばんです。ブルーズギターだけ弾くというのは反則ですよ。
でも、またそのうちギター特集もしますよ。