2018.06.01 ON AIR

朋友、金子マリのバンド「5th Element Will」のニューアルバム

Mari Kaneko Presents 5th Element Will Featuring Kyoichi Kita 2 (Pacific rim records PR-004)T

img01
ON AIR LIST
1.忘れ物音頭/Mari Kaneko Presents 5th Element Will Featuring Kyoichi Kita
2.月と魔法/Mari Kaneko Presents 5th Element Will Featuring Kyoichi Kita
3.Spicy Morning/Mari Kaneko Presents 5th Element Will Featuring Kyoichi Kita

 

40年来の朋友であり、歌手としてずっと尊敬している金子マリのバンド「5th Element Will 」の新譜を今日は紹介したいと思います。
今年、5/2にリリースされたこのアルバムは4年ぶり2枚目だそうです。CDにDVDとブックレットが付いています。DVDの方にはCDに入っていないジェフ・ベックの曲と泉谷しげるさんの「春夏秋冬」が収録されています。
マリちゃんはいままでスモーキー・メディスン、バックス・バニー、ママ、そしてこの5thエレメントといくつかバンドをやってきて、アルバムはバンド以外にソロアルバムも何枚かありますから・・何枚出しているのでしょう。ジャズのピアノの渋谷さんと出したアルバムもよかったですね。
このバンドは正式に言うとMari Kaneko Presents 5th Element Will Featuring Kyoichi Kita というすごく長いバンド名なんです。昔、グランドファンク・レイルロードって長いバンド名やなぁいうてましたが、そんなもんやありませんMari Kaneko Presents 5th Element Will Featuring Kyoichi Kitaですから。
メンバーはヴォーカルが金子マリ、ギター窪田晴夫、ギター森園勝敏、ドラム松本照夫、ベース大西真、キーボード石井為人、そして歌とマイムの北京一の七人。みんなコーラスもできるバンドです。
窪田くんパール兄弟、森園くんは4人囃子、照夫はウエストロード、京一もソーバッドと全員キャリアも長く実力のあるミュージシャンですから、演奏力は文句なしです。長い歳月続けているバンドの結束力もすごく感じます。

まずはこのアルバムでもっともファンキーな曲を聴きましょうか。北京一、金子マリ、松本照夫の共作です。
僕もそうですが、日本のロックミュージシャンが高年齢化してきたのでこういう歌が生まれてきたんですね。「忘れ物音頭」というタイトルですが、僕は先日、ギターの弦とシールド(コード)とかギターの小物一式が入った袋をどこかに忘れてめちゃ落ち込みました。警察にも届けましたが、いまだ出てきません。その類の歌です。
ヴォーカルは北京一です
1.忘れ物音頭/Mari Kaneko Presents 5th Element Will Featuring Kyoichi Kita
ひとつ言わしてもらうと僕はタバコ吸わないので「サイフ、携帯、鍵、メガネ」ですかね。余計なお世話ですけどマリちゃん、タバコそろそろやめましょうね。
このバンドのゲストにも二回ほど呼ばれて参加させてもらったんですが、演奏に関してはもうー素晴らしいのひとことです。
たぶんどんな曲でもみんなできるんやと思います。本当に腕達者なメンバーです。

次はマリちゃんの素敵な歌声がきける一曲です。作曲はキーボードの石井為人くんで作詞は以前マリちゃんのマネージャーだった片岡環さんです。
2.月と魔法/Mari Kaneko Presents 5th Element Will Featuring Kyoichi Kita
いいですね。やっぱり金子まり・マナーというか独特のムードがマリちゃんにはあります。

このアルバムに注文をつけると全部で9曲収録されているんですが、マリちゃんがリードをとっている歌が三曲なんですよ。まあ、これはマリちゃんのソロ・アルバムではなく5th Elementというグループのアルバムだとわかってるんですが、やっぱりもっとマリちゃんの歌が聴きたいですね。3曲では物足りないです。
以前もマリちゃんの歌をON AIRしたことがあるのですが、僕が彼女の歌を好きな理由のひとつが彼女が歌うどんな曲の中にも、ブルーズのテイストがあるんですね。これは作ろうとしても、ブルーズを練習してもできるものではなく、その歌手の生まれ持った資質とか精神みたいなものだと僕は思います。彼女は私はブルーズシンガーでもないし、ブルーズが格別好きでもないと言ってますが、これは彼女の声の中に最初から潜んでいるものなんですね。逆に言うといまブルーズを歌いたいと歌っている女性の歌を聞いていても、ブルーズを感じられないシンガーの方もかなりいます。僕の個人的な見解ですが、自分の内にあるものにブルーズがないとブルーズは歌ってもつまらないものになってしまうと思います。練習したり音楽的に作ろうと思ってもなんとかなるものではないと僕は思います。

ライヴでも、アルバムでももっとたくさんマリちゃんに歌ってほしいです。僕は40数年のファンですから。

次は北京一が作詞と松本照夫が曲を作って京一が歌っているブルーズバラードのような曲。ギターがとってもいい音しています。
3.Spicy Morning/Mari Kaneko Presents 5th Element Will Featuring Kyoichi Kita
この5th Elementのメンバーと同じ時代を生きて音楽をやってきた者としては、そういう同時代のミュージシャンがこうして新しいアルバムを出してくれるのは、とても励みになります。昔はそんなこと思わなかったんですが、年を経るにつれて仲間や知合いのミュージシャンが亡くなったり、音楽の世界から遠ざかったりしていくので、いまはとても同時代意識があります。例えば親しくない、挨拶もしたことない同時代のミュージシャンの人がいまもアルバムを出したり、ライヴをやったりしていることも「ああ、がんばってるね」と励みになります。