2019.02.01 ON AIR

ローリング・ストーンズが選んだブルーズの名曲たち”Confessin’ The Blues”を聴く vol.2

Confessin’ The Blues (BMG BMGCAT155CD)
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ON AIR LIST
1.Just Your Fool/Little Walter
2.I’m A KIng Bee/Slim Harpo
3.Mona/Bo Diddley
4.Down The Road Apiece/Amos Milburn
5.Stop Breakin’ Down Blues/Robert Johnson

 
このアルバム”Confessin’ The Blues”のストーンズのメンバーで選んだブルーズのオリジナル曲は、シカゴ・ブルーズの大物マディ・ウォーターズとハウリン・ウルフが4曲、その次に多いのがリトル・ウォルターの3曲
三年前の2016年にリリースされたローリング・ストーンズのブルーズのカバー・アルバムのタイトルがリトル・ウォルターのBlue&Lonsomeでした。このアルバムにもオリジナルのBlue&Lonsomeを収録していますが、それより僕はこっちのリトル・ウォルターが好きです。

1.Just Your Fool/Little Walter
このJust Your Fool も前のアルバム「Blue&Lonsome」でカバーされていました。シカゴのブルーズ・ハーモニカ・プレイヤーとなるとサニーボーイ・ウィリアムスンとかジェイムズ・コットンもいるんですが、ミックはリトル・ウォルターがお気に入りでしょうか。

僕は1964年中学3年生の時にストーンズのファースト・アルバムを買ったのですが、最初に印象に残った好きだった曲が先週ON AIRしたチャック・ベリーの”Carol”と”Route 66”でしたが、その次に好きだったのが”King Bee”でした。
この”King Bee”のオリジナルのスリム・ハーポを聴いたのは20歳過ぎた頃でしたが、一発でスリム・ハーポにハマりました。歌がクールでビートがよくてサウンドがすっきりしていて、ちょっとポップで・・・まあこれはヒットしますね。
2.I’m A KIng Bee/Slim Harpo
この歌の内容が「オレは王様蜂で女王蜂の巣の周りを飛び回って、女王蜂にオマエの巣の中に入れてくれよ」という歌詞が、セクシャルな意味を持っていることはもちろん中学三年ではわからなかったし、ブルーズにそういう歌がたくさんあることもブルーズにハマってから知った。
このスリム・ハーポの所属したエクセロレーベルをストーンズは好きでいろいろ聴き込んでいたと思います。このアルバムには同じエクセロのライトニン・スリムのHoodoo Bluesも収録しています。

ストーンズの3枚目のアルバム”The Rolling Stones Now”に収録されていた次のMonaも、子どもの頃はずっとストーンズのオリジナルだと思ってました。あとからこれはボ・ディドリーの曲だとわかったのですが、ジャングル・ビートのワン・コードでずっと続けられるグルーヴがカッコいいなとガキのくせに思ってました。
3.Mona/Bo Diddley

ストーンズはとても広く、深くブルーズを研究したバンドですが、彼らがカバーをするブルーズにはどこかロックしているテイストがあります。
次のエイモス・ミルバーンの”Down The Road Apiece”も、オリジナルのビートにR&Rテイストがあることをストーンズは気づいていたりのか、無意識なのかわかりませんが見事な選曲です。エイモス・ミルバーンはブギを得意としてしいたジャンプ・ブルーズの代表的なピアニストのひとり。1947年の録音
4.Down The Road Apiece/Amos Milburn

次は1972年にストーンズは「メインストリートのならず者」でカバーしていますが、オリジナルは偉大なロバート・ジョンソン。
5.Stop Breakin’ Down Blues/Robert Johnson
ストーンズはほとんどのアルバムにブルーズやリズム&ブルーズのカバーを入れていて、オリジナルのヒット曲を狙いつつもずっとブルーズへの愛着と執着を表してきたバンドです。
今回自分たちがセレクトしたブルーズのコンピレーション・アルバムを出すというのは、いままでのロックバンドではなかったと思います。アルバム・ジャケットもメンバーのロン・ウッドが描いてます。
そして、キース・リチャーズは「ブルースを知らないなら、ギターを手にとって、ロックンロールや他のポピュラー・ミュージックをやっても、まるで意味がないんだよ」と言って、このアルバムからひとりでもブルーズの世界に入ってくれることを彼は願っています。
僕もこのストーンズお薦めのブルーズがたくさん収録されているアルバム”Confessin’ The Blues”からたくさんの人がブルーズの世界に入ってくることを願ってます。さすがストーンズのセンスのいい選曲でした。