2020.03.20 ON AIR

Motown Records 60th Anniversary/モータウンレコード創立60周年を記念して vol.2

昨年で創立60周年を迎えたソウル・ミュージックの名門レコード、モータウンレコードの特集の二回目

Hi We're The Miracles/The Miracles (MOTOWN M5-160V1) LP

Hi We’re The Miracles/The Miracles (MOTOWN M5-160V1) LP

Smokey Robinson & The Miracles (MOTOWN/MCA 5316 MLA) LP

DANCE PARTY / Martha & The Vandellas (MOROWN/UNIVERSAL UICY-75843)

MOTOWN MAGIC The Ultimate Hits Collection(MOTOWN/POLYDOR POCT-1566)

MEET THE TEMPTATIONS / The Temptations (MOTOWN M5-140V1) LP

ON AIR LIST
1.Shop Around / The Miracles
2.You’ve Really Got A Hold On Me / The The Miracles
3.Dancin’ In The Street / Martha & The Vandellas
4.My Guy/Mary Wells
5.The Way You Do The Things You Do/The Temptations

ソウル・ミュージックの名門レコード会社、モータウンレコードが60周年記念の二回目
モータウンレコードと言えばすぐ名前が上がるのがテンプテーションズやフォー・トップス、そしてなんと言ってもスモーキー・ロビンソンが率いるミラクルズが真っ先に思い浮かびます。スモーキー・ロビンソンはモータウンが創設の頃からのメンバーで、シンガーでありソングライターでありプロデューサーであり会社の重役と、モータウンにとっては重要な人物。まずシンガーとしてとにかく歌が上手い。そしてソングライターとしてはボブ・ディランが「今世紀最高の詩人」と呼んだほど素晴らしい作詞家でもある。
いちばん最初のヒットはミラクルズを結成して1961年にリリースしR&Bチャート1位になった”Shop Around”
タイトルのShop Aroundとは買い物する時に一軒だけでなく何軒も店を見て回ること。おかんが息子に「あんたもそろそろ年頃やけど好きになった女の子をすぐに決めんと本当に好きになった子を見つけなアカンよ。いろいろ女の子をショップ・アラウンドしてね。女の子はたくさんいるからいろいろ見て回ってから決めなさいよ」という忠告してる歌。いかにもアメリカの10代の子たちに受けそうな歌詞でメロディもいいです。
1.Shop Around/The Miracles
My mama told me, you better shop around
若いうちは恋愛の熱がオーバーヒートして結婚するけれど、少し経つとなんでこんなんと一緒になったんやろ・・と思うこともよくあるからねとおかんは忠告するわけです。
ミラクルズはスモーキーをはじめ男性4人と女性のクローデットを入れた五人のコーラスグループでした。もちろんスモーキーが曲を書いてましたが、彼はミラクルズだけでなくモータウンの他のグループ、ソロ・シンガーたちにも曲を提供していて、たくさんのヒット曲を持っています。
1965年には「ザ・ミラクルズ」から「スモーキー・ロビンソン&ザ・ミラクルズ」とグループ名が変わり、女性メンバーのクローデットがいなくなります。リアルタイムの65年当時はどうして彼女がメンバーからいなくなったかわからなかったのですが、スモーキーと結婚したんですね。キュートなクローデットが好きでしたが・・。
そのクローデットが参加していた最後の方の曲が”You’ve Really Got A Hold On Me” いい曲です。最初のI don’t like you, but I love you(君のこと好きじゃないんだ、君を愛してるんだ)という歌詞でなんかすごくいいなぁと思いました。僕のようなおっさんは日本語で「愛してる」とはなかなか言えなくて「好き」と言ってしまうんですが、この歌詞の「好きじゃない、愛してる」っていうのをやゆっぱり言えないので余計にいいなぁって思ってました。
2.You’ve Really Got A Hold On Me/The The Miracles
僕はこの曲をビートルズで先に知ってアマチュアの頃、カバーしていたんですが、コーラスすごく難しい曲でした。というかちゃんと出来なかったように思います。その時は感じなかったのですが、ブルーズ知ってからこの曲がすごくブルージーな曲だったと気づきました。それでまたもっと後にこの曲がサム・クックの”Bring It On Home To Me”に影響を受けてスモーキーがつくった曲だと知って、なるほどなと思いました。”Bring It On Home To Me”もブルーズではないけどすごくブルーズを感じさせる曲です。

さて、60年代のモータウン・レコードには売れた女性コーラス・グループが三つあって、最初にマーヴェレッツがMr.PostmanやPlayboyという曲で売れて、そのあとマーサ&ザ・ヴァンデラスが63年に”Heat Wave”のヒットで出てきて、そして64年にやっとスプリームスが”Where Did Our Love Go”や”Baby Love”のヒットを出した。もう60年代中頃に黒人だけでなく白人の若者にも支持されたモータウンはR&Bチャートとポップ・チャートと両方にチャートインするヒット曲連発でした。
次のマーサ&ザ・ヴァンデラスの1965年大ヒットはいまも歌い継がれている名曲です。いかにもモータウン・サウンドという感じです。
3.Dancin’ In The Street/Martha & The Vandellas
この曲がリリースされた1965年は公民権運動が盛り上がっていく時期で、人種の差別の撤廃と権利の獲得を目指して黒人たちのデモ行進が全米で行われた時期でした。「ストリートに出てみんなで踊ろう」というこの曲がそういうデモを煽って過激になるという理由で放送禁止になったこともありました。いま聴いても心が解放されて一緒に歌いたくなる高揚感を聴く者に与える素晴らしい曲だと思います。KinksやWhoそしてミック・ジャガーとデイヴィッド・ボウイので故ットなどイギリスのミュージシャンがこれをよくカバーしている印象があります。

60年代のモータウンレコードで女性コーラスグループではなく女性ソロシンガーとして印象に残っているのがメアリー・ウエルズ。この曲もスモーキー・ロビンソンが書いた曲です。
「あんたたちが何を言っても私と彼を引き裂くことはできない。手紙にくっ付ける切手みたいに彼とは離れられないの。何を言ってもムダ、彼とは別れないから」という彼に夢中になっている曲です。
1964年R&Bチャート、POPチャート両方で1位を獲得した大ヒット、メアリー・ウエルズで「私の彼氏」
4.My Guy/Mary Wells
いまの曲でもそうですが、イントロとか途中のブリッジとかいろんなところで洒落たメロディの展開があって本当にモータウンの曲は上手く出来ています。
あまり黒人黒人していなくてサウンドの肌触りもどこか柔らかいのは白人の聴き手を意識したもので、それがヒットをたくさん生んだ理由のひとつです。
そして、同じ1964年デビューから三年でやっと大きなヒット出したのがテンプテーションズ
5.The Way You Do The Things You Do/The Temptations(LP .The Way You Do The Things You Do)
いまはYou Tubeで60年代当時のテンプテーションズのステージとかテレビのショーのライヴを見ることができますが、本当に歌からダンス、振り付けまで素晴らしくて完璧なエンターテイメントを見せてくれます。