Motown Records 60th Anniversary/モータウンレコード創立60周年を記念 vol.1
ON AIR LIST
1.Where Did Our Love Go/The Supremes
2.Baby Love/The Supremes
3.Money (That’s What I Want)/Barrett Strong
4.Do You Love Me/The Contours
5.Please Mr.Postman/The Marvelettes
60年代に設立されたソウル・ミュージックの名門レーベル、モータウン・レコードが創立60周年を迎えたということで雑誌で特集されたり、アメリカではドキュメント映画が作られたりもしてるみたいです。
それで今日は初期のモータウンの曲を聴いてみようかと思います。
実はモータウンの初期60年代の始めから終わりくらいまでは、ちょうど僕の10代の頃になります。当時、13才でビートルズを聴いて洋楽に目覚めた僕はビートルズを始めとするイギリスのロックバンドを主に追いかけて聴いていました。何しろ中高生で小遣いが少なくてたくさんレコードを買うことができないので、ラジオの洋楽番組をよく聴いてました。もちろん、目当てはビートルズ、ストーンズ、アニマルズ、ゼム、スペンサー・デイヴィス・グループとかブリティッシュ勢であとはアメリカのビーチボーイスが好きでした。そういう中に時々聴こえてきたのがモータウンレコードのミラクルズとかスプリームスといったコーラス・グループでした。
そして、最初に「ああ、このレコード欲しい」と思ったのが、シュプリームスの”Where Did Our Love Go”でした。
1964年、僕は14才、中学二年。思春期に入った頃ですが、シュプリームスの女性3人の歌声がロマンティックでなんか切なくて、英語の意味は全部わからないけどタイトルの”Where Did Our Love Go”は「私たちの愛はどこへ行ったの」というのはわかったので「ああこれは失恋の歌か」と大雑把に思ってました。
1.Where Did Our Love Go/The Supremes
いまみなさんがラジオで聴いてくれているように(その頃はネットラジオはもちろんなかったですけどね)僕はラジオにしがみついていまのシュプリームスを聴いていました。シングル盤を手に入れたときは嬉しかったです。
でも、しばらくすると次のヒット・シングルが出てそれも欲しかったのですが、ビートルズとかストーンズもどんどんシングルをリリースする時代だったので買えなかった。
それが次の”BaBy Love”で、この頃にリード・ヴォーカルがダイアナ・ロスという人だということがわかってジャケット写真の真ん中に写っているのが彼女だと思っていたら、クラスの友達に右の人だよと教えられました。初期はダイアナ・ロスはかならず右か左の端に写っていました。
2.Baby Love/The Supremes
途中からダイアナ・ロスがひとり目立ってきてグループ名が途中からダイアナ・ロス&ザ・スプリームスになりましたが、ダイアナ・ロス&ザ・スプリームスになってからはあまりいい曲は出なかったように思います。そしてダイアナ・ロスはソロになってしまい僕のスプリームス熱も冷めてしまいました。
60年代ビートルズやストーンズなどイギリス勢の勢いに対抗できる黒人レーベルはモータウンだけだったように思います。同じ時期にサザンソウルや他のR&Bやソウルがたくさんあったことを知りましたが、ポップチャート上位にまで出てくる黒人音楽はまずモータウンでした。
そして、当のビートルズがモータウンの曲をたくさんカバーしていたのですが、僕と同世代の人たちはビートルズを通して知らないうちにモータウンの曲を聴いていたと思います。次の曲もビートルズの方がカバーしました。ブルーズ・テイストがあるけどポップというモータウン独特のカラーです。
ビートルズは1963年のアルバム”With The Beatles”でカバー。オリジナルは1959年バレット・ストロングがモータウンからリリースして、R&Bチャート2位、POPチャート23位とモータウンレコードの初めてのヒット曲となりました。
3.Money (That’s What I Want)/Barrett Strong
この曲がヒットした初期はまだモータウンは自社でアメリカ全土にリリース、つまり配給する組織がなくチェスレコードの配給網などを使っていました。
モータウンはすごく洗練されたソウル・ミュージックを作っていたイメージがあるのですが、いまのMoneyもそうでしたが、初期のモータウンは次の曲みたいなワイルドというか、いなたい曲もレコーディングしていました。いまから聴くこの”Do You Love Me”という曲も10代の頃なんとなく知ってました。当時はデイヴ・クラーク・ファイヴ、あとからジョニー・サンダース、それからブルーズ・ブラザーズもカバーしてます。わかりやすくてノリやすいダンスナンバーでアマチュアバンドもよく取り上げていた曲です。コントゥアーズです。
4.Do You Love Me/The Contours
R&Bチャート1位、ポップチャート3位というすごいヒットでしたが、コントゥアーズはこの曲以外に売れた曲はなかったように思います。B級のR&Bテイストがあって僕は好きです。逆にいうとモータウン・サウンドはきらびやかにいろんな音が入ってゴージャスなんですが、同時代のサザン・ソウルなどを聴いているとちょっとToo Muchというか、サウンドを飾りすぎるときがあって好きではないものもあります。
モータウンレコードにはスプリームスより前に売れた女性コーラスグループ、マーヴェレッツがいました。1961年R&Bチャート、ボッブチャート共に1位になった大ヒット。
これもビートルズのカバーで知っている方も多いと思います。
「ちょっと待って郵便屋さん、私宛の手紙がその鞄の中に入ってないかな。そろそろ彼から手紙がくるはずなんだけど、このところ郵便屋さんはここを通り過ぎていくばかり、ねぇちょっと待って」
5.Please Mr.Postman/The Marvelettes
こういうモータウンの音楽を聴いていると中高生の頃に戻ってしまいます。いつも夜になると勉強すると言って実はラジオのヒットチャートを聴いていて、夜遅くも布団の中に小さなラジオを持ち込んで聴いてました。自分だけの小さな世界でしたが、洋楽を聴いているとすごく遠いところに行けてる気がしたものです。
来週またモータウンの続きをやりたいと思います。