2023.01.06 ON AIR

ニューオリンズの偉大なミュージシャン、ドクター・ジョンの遺作”Things Happen That Way”を聴く

Things Happen That Way / Dr.John (ROUNDER)

ON AIR LIST
1.Funny How Time Slips Away / Dr.John
2.Gimme That Old Time Religion/Dr.John&Willie Nelson
3.End Of The Line/Dr.John (feat.Aaron Neville)
4.I’m So Lonesome I Could Cry/Dr.John

明けましておめでとうございます。
今年最初のON AIRはドクター・ジョンの遺作です。ニューオリンズというよりアメリカの音楽に多くの功績を残したシンガー・ソングライター、そして素晴らしいピアニストであるドクター・ジョンが亡くなったのは2019年。4年近く経ちました。遺作となったこのアルバムのコンセプトはカントリー・ミュージックへのトリビュートとゴスペルです。録音は2018年から始まっていたようです。
アルバムタイトルはラストに収録されている1958年にカントリー・シンガーのジョニー・キャッシュがヒットさせた曲”Things Happen That Way”からつけられています。
では、アルバムの一曲目です。ぼくも大好きな歌ですがアル・グリーン、エルヴィス・プレスリー、ジュニア・パーカーほかたくさんのシンガーがカバーしています。「やぁ元気?ああ僕はまあまあやってる。とても長く感じるけど昨日のことのようにも感じる。時が過ぎるのっておもろい感じやね。新しい彼氏はええ人なんか?彼にあなたのことを死ぬまでずっと愛しているわって言うたようやけど、それってオレにも言うたよね。時が過ぎるのっておもろい感じがやよね?」
久しぶりに別れた恋人に会った時の歌やだと思います。


1.Funny How Time Slips Away / Dr.John
少し声が出にくいところもありますが、それでもいつもドクター節は健在です。
今のは偉大なカントリーシンガー、ウィリー・ネルソンが作った名曲でしたが、次はそのウィリー・ネルソンとデュエットしています。
1800年代に作られた古いゴスペルソングでアメリカではよく知られた歌のようです。
訳すのは難しいですが、「いにしえの信仰(宗教)を私に与えてください。私の心を満たしてくれる昔の教えを与えてください」
ドクターとウィリー・ネルソンの歌声がすごくい感じでブレンドされています。


2.Gimme That Old Time Religion/Dr.John&Willie Nelson
本当にいいです。
ドクターとウィリー・ネルソンは音楽性だけでなくどこか似た人間性もあるように思います。

ではニューオリンズに生まれてニューオリンズで亡くなったドクターのニューオリンズ・テイストたっぷりの曲。
オリジナルはトラヴェリング・ウィルベリーズ(1988年にジョージ・ハリソンを中心にボブ・ディラン、トム・ペティなどが参加したバンドで、最初は名前を明かさない覆面バンドとして登場した)のファースト・アルバムに収録されています。
It’s Alright!(大丈夫だ)I’m just glad to be here, happy to be alive(ここにいることが喜びであり、生きていて幸せだ)
うまくいかないことがあってもええ、毎日いろんなことがある。
そして最後にWe’re going to the end of the line(私たちはこの道の終わりに向かっているんだ)という内容です
ゲスト・ヴォーカルにアーロン・ネヴィルが入って歌っています


3.End Of The Line/Dr.John (feat.Aaron Neville)
まさにニューオリンズというアレンジでした。

次はカントリー・ウエスタンのレジェンド、ハンク・ウィリアムスが作った名曲です。ドクターはハンク・ウィリアムスがすごく好きだったようです。日本ではブルーズよりもさらにカントリー・ミュージックが遠い感じの音楽になってますが、アメリカでは黒人ミュージシャンもカントリー好きな人がたくさんいます。カントリー&ウエスタンにはいい曲もたくさんあります。
「聴いてみなよ夜鷹(ウィポアウィルとは夜鷹 Nighthawkとはまた違うみたいです)の飛ぶことも苦しそうな寂しげな鳴き声を
夜汽車が過ぎる音も重く聞こえる ぼくは泣きたいくらいすごく寂しいんだ・・・」と心寂しい歌詞が続くのですが、これは彼女がどこかへ行ってしまった歌で「静かに落ちる流れ星が紫色の空を輝かせ、君はどこにいるのかと心配している、ああ泣きたいくらいすごく寂しい」
4.I’m So Lonesome I Could Cry/Dr.John