2023.09.08 ON AIR

ブルーズ・ライヴ名盤シリーズ vol.6

ハウンド・ドッグ・テイラーのブルーズの塊が聴けるライヴ名盤

Beware Of The Dog/Hound Dog Taylor & The HouseRockers(Alligator Records)

ON AIR LIST
1.Give Me Back My Wig/Hound Dog Taylor & The HouseRockers
2.The Sun Is Shining/Hound Dog Taylor & The HouseRockers
3.Dust My Broom/Hound Dog Taylor & The HouseRockers
4.Kitchen Sink Boogie/Hound Dog Taylor & The HouseRockers

ブルーズ・ライヴ名盤シリーズ6回目の今回は熱狂的なファンも多いハウンド・ドッグ・テイラーのライヴ・アルバム”Beware Of The Dog”
1974年のライヴです。
有名な話ですが、アリゲーターレコードの社長、ブルース・イグロアはハウンド・ドッグ・テイラーのライヴを観て彼を世に出したいとレコード会社を設立したそうです。その気持ちがわかるような強烈なライヴを
サイド・ギターのブルーワー・フィリップスとドラムズのテッド・ハーベイそして歌とギターのハウンド・ドッグ・テイラーのトリオ「ハウンド・ドッグ・テイラー&ザ・ハウス・ロッカーズ」はシカゴのクラブで朝まで繰り広げていました。
ザ・ハウス・ロッカーズですから家を揺らす野郎たちですが、その名の通り1曲目から踊るしかない極太のブギです。

1.Give Me Back My Wig/Hound Dog Taylor & The HouseRockers

ギター二本にドラムつまりベースがいないこのバンドの個性的なサウンドとグルーヴにハマるともうこのバンドの魅力から離れられなくなります。
ハウンド・ドッグ・テイラーは多くのブルーズマンと同じように南部ミシシッピの生まれで、農場の小作人をしながら20才からギターを弾き始めたらしいですから遅い方です。27才でシカゴに来て本格的に活動を始めます。聴いてもらってわかるようにハウンド・ドッグ・テイラーはスライド・ギターが売りで、そのスライドのルーツははっきりエルモア・ジェイムズとわかります。次はそのエルモアの曲。エルモアもすごいがこのハウンド・ドッグ・テイラーのスライドもエグい!

2.The Sun Is Shining/Hound Dog Taylor & The HouseRockers

僕も今までかなり多くのブルーズマンのライヴを観て来た方ですが、ハウンド・ドッグ・テイラーは観れなかった。やはりライヴを聞きたかったブルーズマンの一人です。75年の12月にガンで60歳でなくなったハウンド・ドッグでしたが、もうすこし長生きしてくれれば日本がちょうどブルーズ・ブームの最中でもあったし、来日はあったと思います。
次もエルモアのカバーでブルーズのスタンダード曲の一つです。

3.Dust My Broom/Hound Dog Taylor & The HouseRockers

この3人の作り出すグルーヴ感はやはり南部ミシシッピにつながるもので特にシャッフルやブギなどのダンサブルなビートは踊らずにはいられないような魅力的なものです。個性的で唯一無二のビートでした。
おそらくライヴのその場にいたらビールを飲み続け朝まで踊り狂ってしまうでしょう。

4.Kitchen Sink Boogie/Hound Dog Taylor & The HouseRockers

このアルバム”Beware Of The Dog”はハウンド・ドッグがなくなった翌年76年にリリースされたものですが、聴くたびに「ああ、ライヴを聞きたかったなぁ」と思わず言ってしまいます。