LP中古盤放浪記その12
若い頃金がなくて手放したレコードとの再会
American Folk Blues Festival’65~’66 (Phillips/日本ビクター SFL-7386)

ON AIR LIST
1.Slow Down/J.B.Lenoir
2.First Time I Met The Blues/Buddy Guy
3.Checkin’ On My Baby/Junior Wells
4.All Your Love/Otis Rush
5.I Keep On Drinkin/Little Brother Montgomery
若い頃はお金がなくてレコードを買うのにも四苦八苦していました。歳を重ねてからもお金のことを考えずにレコードを買ったことはありませんし、すごくレアなLPやシングルが高くて断念することは今もあります。若い頃はアルバイトもしてましたが、バンドが少し忙しくなると継続するバイトができなくてレコードどころではなくなり泣く泣くレコードを売ったこともあります。
実は今日紹介するアルバムはそういう金がなかった頃に売ってしまった一枚で売ってからしばらくしてすごく後悔したアルバムです。というのもこのアルバムはブルーズを知り始めた頃に何度も何度もよく聞いたアルバムで自分にとって思い出深いものでした。お世話になったアルバムです。なんで売ってしまったのだろうと・・・後悔しましたが、そのくらい金に困っていたんですね。そのアルバムに今年に入って出会いました。もちろん自分が持っていた全くのそのアルバムではないんですけど・・。とても状態のいいレコードでジャケットも自分が持っていたものより綺麗です。中古レコード屋のボックスの中で見つけた時はなんか昔好きだった女性にばったり出会ったようなときめきがありました。そのアルバム「アメリカン・フォーク・ブルースフェスティバル’65~’66」を今日は聞きます。
まずこのアルバムですごく好きなJ.B.ルノアのこの曲を。ハーモニカはシェイキー・ホートンことウォルター・ホートン
1.Slow Down/J.B.Lenoir
8小節のブルーズ・バラードですごく素朴な感じがたまらなく好きで買った当初、多分1971年頃は何度もこの曲をリピートしていました。ウォルター・ホートンのハーモニカもダウンホームでいい感じです。
このアルバムがリリースされたのは1967年でPhillipsの音源を日本でコンピレーションして日本ビクターからリリースされたものです。まだ日本でのブルーズの黎明期にも入っていない頃で解説を書いている中村とうようさんも関連資料が少なくて手探りで書いている感じです。
そのとうようさんがモダン・シカゴ・ブルースを代表する一人と書いているバディ・ガイです。
バディはこの曲を何度も録音しているのですが、僕はこの録音が一番好きです。「初めてブルーズに出会った時」
という曲名ですが本当に初めてブルーズに出会った頃の思い出の一曲です。
2.First Time I Met The Blues/Buddy Guy
ウエストロード・ブルーズバンド時代に僕はこの曲をカバーして50年くらい歌っていて僕にとっても大切な一曲となっています。だからこのアルバムは本当に売ってはいけないアルバムだったんです。
でも、いまこうしてまた出会えてよかった。
次はいまのバディ とはブラザーといってもいいジュニア・ウエルズ。バックはギターがオーティス・ラッシュ、ドラムがフレッド・ビロウ、ベースはジャック・マイヤーズと当時のシカゴ・ブルーズの精鋭たちです。ドラムとベースがすごいです。
3.Checkin’ On My Baby/Junior Wells
この当時ジュニアは32歳、ラッシュは31歳、バディ・ガイは29歳です。みんな初めてヨーロッパへ行った時だと思います。そしてみんなシカゴのゲットーから抜け出そうともがいていた頃です。
次はオーティス・ラッシュ。次の曲はエリック・クラプトンがジョン・メイオール・ブルース・ブレイカーズにいた頃にギタリストとして録音している曲ですが、調べてみたらそのアルバムもこのライヴがあった66年リリースなんです。クラプトンはこのコンサートを聴きに来たんでしょうか。
4.All Your Love/Otis Rush
シカゴ・ブルーズの若手と言われた3人が聞けるのもこのアルバムの魅力です。三人三様、それぞれ素晴らしいです。
さて最後はこれも一曲目のSlow Downと同じようにヘヴィ・ローテーションで聴いていた曲です。
当時自分が始めていたウエストロード・ブルーズバンドはエレキ・バンドなので必然的にモダン・ブルーズを取り上げることになっていたのですが、僕が自分の部屋で好んで聴いていたのは一曲目のJ.B.ルノアのSlow Downとか次のピアニスト、リトル・ブラザー・モンゴメリーのようなダウンホームなブルーズでした。
5.I Keep On Drinkin/Little Brother Montgomery
音楽は個人的な体験や経験に他ならないと言いますが、本当に40年ぶりくらいにこのLPを聴いていると当時住んでいた京都の街や通ってたロック喫茶やジャズ喫茶もバイト先のビアホールなんかが浮かんで来ました。