2017.01.13 ONAIR

「50年代半ば充実していくB.B.キングのブルーズ」
The Complete RPM/Kent Recording Box 1950-1965 [CD 4: Sweet Little Angel 〈RPM 451 – Kent 307〉]
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ON AIR LIST
1.Crying Won’t Help You/B.B.King
2.Sweet Little Angel/B.B.King
3.On My Word Of Honor/B.B.King
4.I Need You So Bad/B.B.King
5.Troubles Troubles Troubles/B.B.King

 

 

 

 

2015年12月にリリースされたB.B.キングの1950年から65年の15年間に残したRPM&ケントレーベルの音源17組CDボックスから、今日は”Sweet Little Angel”とタイトルされた4枚目を聴きます。このアルバムの頃、デビューから5年が過ぎてB.B.は30才から32才。心技体とも充実の時期。
まずは先達タンパ・レッドのカバーから「どこへ行こうが、何をしょうが、何を言おうが、自分撒いた種は自分で刈るんだよ。もう泣いたってどうしょうもないよ」相手の女にずっとひどい目に合わされて今更泣いたってあかんよと女を突き放したブルーズ
1.Crying Won’t Help You/B.B.King
最後に「ホォ!」って声が出たB.B.ですが、やはり気持ちのノッたいいテイクだったんでしょう。ファルセットの自然な使い方と言い、情感の盛り上がりといいやはり並の歌手ではないです。デビューの頃はT.ボーン・ウォーカーの影響を強くうかがわせたギターも、チョーキングを巧みにまじえた自分のスタイルをほぼ確立した時期で歌、ギターともに素晴らしいです。

次はB.B.を代表する1956年の大ヒット曲です
「俺にはかわいい天使がおるんよ。彼女が羽根を広げるのを見るんが好きなんや。その羽で包まれると、めっちゃ幸せなんよ。彼女に5セントくれへんか言うたら、25ドルもくれたんや。彼女と別れたら俺は死んでまうよ。もう愛してへんって言うんやったらその理由を言うてくれや」羽根を広げるというところを妄想するとちょっとセクシーな意味なのかな・・ともおっさんは思います。
Sweet Little Angel/B.B.King
看板曲となったこの曲をB.B.は生涯大切に歌っていたと思います。グラミーを穫った”The Thrill Is Gone”もそうですが、B.B.は自分を有名にしてくれた曲、自分の世界を広げてくれたヒット曲に対して心からありがたいと思っていて大切にしていました。

次はB.B.キングがブルーズ・シンガーとして素晴らしいだけでなく、普通にポップ・シンガーとしても成功しただろうと思える彼の歌唱力がわかる曲です。
On My Word Of Honor/B.B.King
レコード会社は歌唱力のあるB.B.をバラード・シンガーとして売ろうとしたフシがありますが、そういう要求を受け入れながらも自分のブルーズを失わなかったところがミュージシャンとして素晴らしいところです。それにしても下手に歌うとただの陳腐なバラードになってしまうような曲を、彼はソウルフルに自分の想いを込めて立派に歌っています。

次の曲、僕はマジック・サムのアルバム「ウエストサイド・ソウル」で聴いたのが先やったと記憶しています。でも、B.B.なんですね最初は。これ歌ったことあるんですが難しい曲です。B.Bは意外とサラっと歌ってます。マジック・サムはもうすこし熱い感じで歌ってます。どっちもいいです。
I Need You So Bad/B.B.King
この50年代半ばにB.Bはヒット曲を出しながら、与えられた曲もこなし、ツアーも毎日のように繰り返していて本当に忙しい時期だったと思いますが、あとから見るとこの時期に末永くブルーズの王者として君臨する蓄積を獲得していたんだとわかります。

「トラブル、トラブル、トラブル・・ああこの世の中はやっかいなことばっかや。時々思うんやけどこれから先オレに何が起こるんやろ」いいことばかりではなく、ビジネス的なことや、いいメンバーの獲得、そして離婚も何度かしたB.B.もトラブルはたくさんあったのでした。
Troubles Troubles Troubles/B.B.King

またこの素晴らしい音源が詰まったボックスを聴きたいと思います!
I Miss You,B.B.