2025.12.19 ON AIR

歌ってそして吹くR&B・サックスの醍醐味/Jr.ウォーカー

Jr.Walker & The All Stars Greatest Hits(MOTOWN/SOUL SS715)

ON AIR LIST
1.Shot Gun/Jr.Walker And His Allstars
2.How Sweet It Is/Jr.Walker And His Allstars
3.Pucker Up Butter Cup/Jr.Walker And His Allstars
4.Cleo’s Mood/Jr.Walker And His Allstars
5.Come See About Me/Jr.Walker And His Allstars

ブルーズで歌ってサックスを吹くミュージシャンと言えば、ルイ・ジョーダン、エディ・クリーンヘッド・ヴィンソンなどの名前が出て来ますが、R&Bの世界で歌ってサックスを吹く人でしかもヒット・メーカーとなるともうこの人、ジュニア・ウォーカーでしょう。
僕もウエストロードのアルバム「」で彼の大ヒット”Shot Gun”を録音したこともありますが、歌もサックスもパワフルでソウルフルでしかも曲もいいとなるとやはりジュニア・ウォーカー。
まずはその大ヒットを聴きましょう。1965年ビルボードR&Bチャート一位。

1.Shot Gun/Jr.Walker And His Allstars

ジュニア・ウォーカーとオール・スターズという名前なので大所帯のバンドだと思いがちですが、実は固定メンバーは二人しかいなかったという話です。まあ、私も昔近藤房之助と「ブルーズ・オール・スターズ」という五人小編成バンドでツアーをやったことがありますが・・・どこがオール・スターズやと(笑)

ジュニア・ウォーカーは1931年の生まれで高校生からサックスを始めて、当時めちゃ流行っていたルイ・ジョーダンなどのジャンプ・ブルーズの影響を受けていたそうです。サックスというとジャズかなとも思いますが、ジャンプだったんですね。まあ40年代半ばあたりのジャンプ・ブルーズのブレイクぶりを考えると当たり前かもしれません。
ジュニア・ウォーカーは60年代の洒落たソウル・レーベル「モータウン・レコード」に所属していたのですが、モータウンにしては泥臭い、コテコテのR&Bです。
次の曲は同じモータウンの大スターとなったマーヴィン・ゲイがオリジナル・シンガーで1965年にヒットした曲のカバーです。

2.How Sweet It Is/Jr.Walker And His Allstars

このジュニア・ウォーカー版の”How Sweet It Is”もヒットしたのですが、やはりマーヴィンに比べると歌も途中のサックスなんかいい意味でいなたいです。僕は好きですけどね。今のもパーティ・ムードたっぷりでしたが、やはり60年代のモータウンは白人黒人両方に受けるパーティ・ソング、つまりダンス・ナンバーのヒットを考えてましたから、ジュニア・ウォーカーが元々持っていたパーティ・ソング的なテイストはぴったりだったのでしょう。
次の曲は一曲目の「ショット・がん」に似たような感じでモータウン得意のタンブリンが印象的に入ってますが、これもチャートの11位まで上がってます。

3.Pucker Up Butter Cup/Jr.Walker And His Allstars

今の”Pucker Up Butter Cup”の意味を調べてみました。そもそもPucker Upってなんやと思ったら「口をすぼめる」つまり酸っぱいものを食べたときの口とか、あとキスをするときに口をすぼめますね。なので歌詞の中に何度もI Wanna Kiss Youとでてきます。ではButter Cupはなんやねん?と。これは好きな人、可愛らしい人への愛称でよく恋人ほHoneyと呼ぶのと同じようなことですね。だから口をすぼめてキスしようよと歌ってるのでしょう。
次の曲は個人的に大好きなJr.Walkerのインストルメンタル曲で、ファンキーでいなたいです。オルガンの音のちょっとチープな感じもたまりません。まあパーティ・ソングの典型のような曲です。

4.Cleo’s Mood/Jr.Walker And His Allstars

なんともちょっとゆるい感じがファンキーな曲です。

最後はモータウン一番のヒット・コーラスグループ「シュプリームス」の1964年の大ヒット曲のカバーです。

5.Come See About Me/Jr.Walker And His Allstars

年末年始のパーティ・ソングにぴったりのJr.Walker And His Allstarsを今日は聞いてもらいました。

2025.12.12 ON AIR

テキサスの素晴らしいブルーズマン、ジミー・ボーンのLP三枚組!

THE PLEASURE’S ALL MINE (THE COMPLETE BLUES, BALLADS AND FAVOURITES )/Jimmie Vaughan

ON AIR LIST
1.THE PLEASURE’S ALL MINE/Jimmie Vaughan
2.Come Love/Jimmie Vaughan
3.I’m Leaving It Up To You /Jimmie Vaughan
4.How Can You Be So Mean /Jimmie Vaughan

今年の10月の誕生日にギタリストのシュウ(上村秀右)からプレゼントしてもらった自分が大好きな白人ブルーズマン、ジミー・ボーンのLP三枚組”THE PLEASURE’S ALL MINE”をシュウと話しながら聴きます。弟のスティーヴィー・レイボーンの方が有名ですが、ぼくは昔から弟はあまり好きじゃなくてこの兄貴のジミーに興味がありました。
ジミーはテキサスのダラス生まれですが、19歳でオーステインへ移り住みそこで74年にボーカリストでハーモニカ・プレイヤーのキム・ウィルソンと出会いファビュラス・サンダーバーズを結成。その後の80年くらいに、ロスに住んでいたアメリカ人の友達が「このバンドいいよ」と教えてくれたのがファビュラスだった。全米10位になった86年のシングル「Tuff Enuff」とかロッキン・プルーズ的なアプローチが好きで聞くようになりました。白人のブルーズバンドとしては有名でしたが1990年ジミーはファビュラス・サンダーバーズを脱退します。 
面白いところでは映画「ブルーズ・ブラザーズ2000」に架空のバンド「ルイジアナ・ゲーター・ボーイズ」の一員として出演してました。テキサス、ウエストコーストあたりで活躍して3作目のソロ・アルバム『ドゥ・ユー・ゲット・ザ・ブルーズ?』がグラミー賞の最優秀トラディショナル・ブルース部門を受賞したこともありました。
1990年に弟のスティービー・レイと”The Vaughan Brothers”名義でアルバム『Family Style』をリリースしてグラミー賞で最優秀コンテンポラリー・ブルース・アルバム選ばれて、2001年にリリースしたアルバム『Do You Get The Blues』もグラミー賞の最優秀トラディショナル・ブルースを獲得しています。
紹介はこのくらいであとはシュウと話しながらのON AIRをお楽しみください。

1.THE PLEASURE’S ALL MINE/Jimmie Vaughan

ボビー・ブランドのFurther On Up The Roadに少し似ている。

2.Come Love/Jimmie Vaughan

シカゴ・ダウンホーム・ブルーズのボス、ジミー・リードのカバーでしたが、選曲のセンスが抜群です。

ゲーリー・クラーク・ジュニアと二人でやってるYouTubeを見てたんですが、ジミー・ボーンはずっとリズム・ギターをすごくステディにリズムを切っている。どんなセッションを見ても一番ベーシックなことをやってるのがジミー・ボーン。腹たつのはあとのメンバーがソロをチャラチャラ弾いていること。

次はドン・アンド・デューイの曲で同じテキサスの女性シンガー、ルー・アン・バートンがコーラスしてます。
ぼくはブルー・ヘヴンの頃、ベースの小堀正と二人で歌ってました。

3.I’m Leaving It Up To You /Jimmie Vaughan

メンバーのジョージ・レイン(ドラム)とロニー・ジェイムズ(ベース)の作り出すリズムがいいです。
次はジョニー・エースの曲

4.How Can You Be So Mean /Jimmie Vaughan

2025.12.5 ON AIR

「永井ホトケ隆のブルーズ講座」は「日本のブルーズ50年」Vol.2

Photo By 菅原一剛

先週に引き続き11月22日弘前EAT&TALKで行われたTalk and Live Show「永井ホトケ隆のブルーズ講座」のライヴを聴きながら、サポートを務めてくれたギタリストの上村秀右と音楽トーク。
来ていただいたお客さんにスクリーンで画像を見てもらいながら、それに関連するブルーズをライヴで歌ってこの日本のブルーズの半世紀の変遷を自分の想いも込めながら話しました。
ブルーズ・ファンの中には日本のブルーズなんかに興味はないと思っている方々もいると思いますが、この半世紀私が活動する日本のブルーズの土台を作ったのはライヴに来てそしてアルバムも買ってくれた人たちです。その人たちが洋楽のブルーズにも興味を持つきっかけを自分たちは作って来たと思ってます。
ブルーズはマニアックな音楽になりがちで知らない人たちを遠ざけてしまいがちですが、日本でブルーズをやって来た人たちの多くはオリジナル(原曲)に敬意を払いながら日本人にも近づけるブルーズを模索して来ました。本格的なブルーズが日本で始まって50年がどう流れて来て、これからどう流れていくのか音楽のライヴ現場に立つ者としていろいろEat AndTalkで話しました。ライヴ・サポートしてくれた上村秀右に感謝です。

そして私の志向を理解していただき、ライヴそしてこの番組をずっとサポートしていただいている青南商事さんに感謝します。
キー・ステーションの弘前アッブル・ウェーブのご協力にも感謝です。。

みなさん、ありがとうございます。
P.S.当日久しぶりにお会いした写真家の菅原一剛さんにライヴ・ショットを撮っていただきました。嬉しかった。ありがとうございます。

ON AIR LIST
1.Take A Little Walk With Me/永井ホトケ隆&上村秀右
2.T.Bone Shuffle/永井ホトケ隆&上村秀右
3.Everyday I Have The Blues/永井ホトケ隆&上村秀右

 

2025.11.28 ON AIR

「永井ホトケ隆のブルーズ講座」は「日本のブルーズ50年」

Photo By 菅原一剛

11月22日弘前EAT&TALKで行われたTalk and Live Show「永井ホトケ隆のブルーズ講座」のライヴを聴きながら、サポートを務めてくれたギタリストの上村秀右と音楽トーク。

ON AIR LIST
1.Walkin’ By Myself/永井ホトケ隆&上村秀右
2.Shu’s Rag Time/上村秀右
3.Love In Vain/永井ホトケ隆&上村秀右

久しぶりに行われた「永井ホトケ隆のブルーズ講座」は「日本のブルーズ50年」というお題で主に1975年からの日本のブルーズと私自身の50年を振り返りました。
珍しい話もいくつかありますのでぜひお聞きください。

青南商事さん、FM アップル・ウェーブそして素敵な写真を撮っていただいた菅原一剛さんに感謝です。

2025.11.21 ON AIR

ダウンホームブルースってなんや その4

ON AIR LIST
1.Down Home Blues/Z.Z.Hill
2.COME ON ROCK LITTLE GIRL/Smokey Smothers
3.Sad Night Owl/Freddy King
4.3 O’clock Blues/B.B.King
5.Three O’Clock Blues/Lowell Fulton

ダウンホーム・ブルーズを探る特集をここのところやってきましたが、今日はその最終回モダン・ブルーズの潜むダウンホーム・テイストの話をします。
まずはこれを聞いてください。

1.Down Home Blues/Z.Z.Hill

この番組では何度か聞いている1982年リリースされたアルバム”Down Home Blues”に収録されているタイトル曲です。これが最初南部でめちゃヒットして次第に広がっ
1982年いうたらマイケルのスリラーやプリンスの”1999”なんていうアルバムがめちゃ売れていた頃でオリビア・ニュートンジョンの「フィジカル」なんていうのもMTVでよく流れてました。そんな時代に今の「ダウンホーム・ブルーズ」がじわじわと南部で流行っていたわけです。
この歌詞は女性が主人公で「あなたのパーティは盛り上がって、みんなが楽しんでる。あなたが飲み物を作ってくれている間に靴を脱いでくつろいでもいい?髪も下ろしてリラックスしてこの地元ゆったりしたブルーズを楽しみたいの。早いブルースはいらないわ。このダウンホームブルーズを楽しみたいの」
もうブルーズを聴く黒人たちも少なくなってきたところのヒットに業界はびっくりしたわけですが、中年の黒人の人たち、特に南部の人たちの間では依然としてこういうゆったりしたグルーヴの、あまりテンションのない素朴なダウンホーム・ブルースを望む人たちがかなりいたことがわかりました。
ブルースの歴史で言うと60年代に入ると主流になっていったのはB.B.キングやボビー・ブランドなどのゴスペルのルーツを持ったモダン・ブルースとジョニー・テイラーやリトル・ミルトンなどのブルーズとソウルがミックスされたブルーズ&ソウルでした。南部のブルースと先週まで聞いてきたようなシカゴ・ブルーズなどは流行らなくなりました。しかし、ダウンホームのテイストがなくなったわけではないわけで、モダン・シカゴブルーズにもそのテイストはあります。次の62年の名盤と言われているスモーキー・スマザースを一曲聞いてください。

2.COME ON ROCK LITTLE GIRL/Smokey Smothers

これ実はギターで参加しているのがフレディ・キングなんですが、オブリガードで曲に色付けしているギターがそうです。彼はシカゴにいた若い時代にジミー・ロジャースやエディ・テイラーといった先輩ブルーズマンのダウンホームな影響をたくさん受けているわけです。だからこういうシカゴ・ダウンホームなスタイルもすぐ弾けるわけです。
フレディ本人の録音の中から次のインストルメンタル曲なんかもゆったりとしたダウンホーム感があります。

3.Sad Night Owl/Freddy King

この曲、酒飲んで聞いてると蕩けてしまいます。フレディ・キングのイメージとしてみんなが持っているのはガンガンにハイテンションでギターを弾いて目一杯歌うという感じだと思うのですが、今のようなダウンホーム感もルーツの一つとしてあるんですね。
ちなみにフレディはアメリカのラジオ番組でジミー・ロジャースの話をしているときにそのインタビュアーがジミー・ロジャースのことを何も知らなくてフレディはキレ気味にその偉大さを喋りまくるというめちゃおもろい録音がありました。
さてキングといえばB.B.キングですが、もうモダン・ブルーズのトップ・ブルーズマンなんですが、彼の初ヒットの次の曲を聴くとやはりその根底にダウンホームなテイストを感じます。1951年R&Bチャートの1位に輝きました。

4.3 O’clock Blues/B.B.King

ギター・プレイもギター弦が太かったせいもありまだチョーキングの音が上がりきらないところとか、バックのサウンドとビートがいなたい、洗練されてないダウンホーム感があります。

元々今の曲はB.B.が大好きだったロウエル・フルソンがオリジナルなんですが、もっとダウンホームです。こんな感じです。

5.Three O’Clock Blues/Lowell Fulson

ブルーズにとってとても大切な要素であるダウンホームなフィーリングというのをわかってもらえたでしょうか。
僕も若い頃はダウンホームなものより派手なサウンドのモダンブルースとかBlues &Soulが好きやったんですけど、年を重ねるとダウンホーム・ブルーズが染み入ります。
4回にわたってON AIRしてダウンホーム・ブルーズを聞いてもらいました。