2021.06.18 ON AIR

キャリアの長い日本のブルーズ系バンドのニューアルバム
「8823The Blues Band/Live & More」と「飯山ガキデカ・ジャグストンパーズ/Mountains Five」

★8823The Blues Band/Live & More (I.N.U-2001)

★飯山ガキデカ・ジャグストンパーズ/Mountains Five (R.M.O Records PROO142102)

ON AIR LIST
1.Let Me Love You Baby / 8823The Blues Band
2.Love Me / 8823The Blues Band
3.On The Road Again/飯山ガキデカ・ジャグストンパーズ
4.Prison Wall Blues/飯山ガキデカ・ジャグストンパーズ

少し前のON AIRで僕の好きな日本のバンドを聴きましたが、今回はやはりキャリアの長い二つの日本のバンドのニュー・アルバムを聞きます。

まずは「8823The Blues Band」少し前まで「8823」でしたがThe Blues Bandをつけたそうです。メンバーは田中晴之(ギター)山田晴三(ベース)堀尾哲二(ドラムス)酒井ちふみ(ボーカル)

元々は亡くなったギターの塩次伸二がやっていた「4029」というバンドがあったのですが、塩次伸二が亡くなりましてその後同じメンバーで8823として活動を続けて13年になります。

ギターの(田中晴之)晴ちゃんは70年代初期に「ファッツボトル・ブルーズバンド」を京都でやっていましてその頃からですから、僕とは半世紀近い付き合いになります。ギターの師匠でもある亡き塩次伸二の「ダウンホーマーズ」とか現在シカゴで活躍しているピアノの有吉須美人のバンド「アリヨズ・シャッフル」にも参加していました。現在はギターの先生やセッションにも参加しギターの森‎俊樹くんとのデュオもやっています。彼の人間性そのままのごまかしのない、正統派のモダン・ブルーズギターを弾く人ですが興奮した時のギターがおもろいです。

ドラムの堀尾くんもキャリア長いのですが、昔のことはあまり知らなくて4029をやりだしてから仲良くさせてもらっています。彼もドラムの先生やプロデュースをやってまして、今回のアルバムを録音した「クロイヌ」スタジオのオーナーでエンジニアでもあります。

ベースの山田晴三くんも長い付き合いですが、70年代初期に彼は「合資会社」というロックバンドを京都でやってましてその頃からの知り合いです。一緒にライヴをやるようになったのはやはり4029に僕がゲストに呼んでもらってからです。

ヴォーカルの酒井ちふみちゃんも4029で知ったのですが、彼女はドラムの堀尾くんともう一つ「フリッジ」というバンドもやってます。ヴォイス・トレーナーもやっていてデュオやトリオでも活躍されています。まずはいつもライヴで酒井ちふみが登場する曲です。

1.Let Me Love You Baby / 8823The Blues Band

聴いてもらっているのは去年リリースされた”Live & More “というアルバムで堀尾くんのスタジオにお客さんを入れたスタジオ・ライヴと普通のスタジオ録音の曲が収録されています。今のようなスタンダードなブルーズからファンク・テイストなものやニューオリンズ・テイストなど結構幅広いレパートリーがあるのですが、僕は次のような曲がちふみちゃんの歌の良さが出ていていいなぁと思ってます。

2.Love Me (A.Domino/ 8823The Blues Band

今はコロナ禍でやってないですが、8823は京都でのライヴだけでなく全国ツアーもやってるので名前を見かけたら是非聴きに行ってください。

次は飯山ガキデカ・ジャグストンパーズです。彼らは飯山という長野市から更に北に向かった新潟県に近い北信州と呼ばれる町を中心に活動しています。なぜか北陸新幹線止まります。21年もやっているバンドなのに5/14にリリースされた今回のアルバムが2枚目です。僕は早くアルバムを出せと急かしていたのですが、やっとでました。

メンバーは市ノ瀬広明 banjo, ukulele, guitar, kazoo, vocals、常田貴之 guitar、杉原健一 mandolin, clarinet、中原洋二 washtab bass、小林徹 washboardの5人で見事なおっさんバンドです。

今回のアルバム・タイトルが”Mountains Five”(山の5人)リーダーの市ノ瀬くんが映画のオーシャンズ11からアルバムタイトルを決めたと言ってましたが、よくわかりません。ジョージ・クルーニーやブラッド・ピットみたいなイケメンはいません。よく呑みよく食べるおっさんバンドです。僕は彼らも関わっている飯山のフェスティバル「さわごさ」にぼくのバンドのブルーズ・ザ・ブッチャーを呼んでもらった頃からの知り合いですが、一緒に演奏もしてるんですが食べて飲んでいる思い出ばかりです。。

初めて彼らの演奏を聴いた時、飯山という雪深い山に囲まれた場所から生まれた音楽ならではのゆったりした男っぽい感じが好きになりました。ジャグ・ミュージックというのがすごく彼らに合っています。

まずは1920年代後半から30年代の半ばにかけてすごい人気を博した「メンフィス・ジャグ・バンド」の名曲のカバーです。同じ曲名のキャンドヒートというバンドで有名になった曲がありますが、違う曲です。

3.On The Road Again/飯山ガキデカ・ジャグストンパーズ

このアルバムにはカバーがほとんどですがオリジナルや日本語訳のカバーも収録されています。1920から30年代のジャグ・ミュージックの音をベースにして少しジャズ・テイストだったりブルーズ・テイストだったりいろんな曲が入ってますが、統一感があるのはさすがベテラン・バンドです。

彼らは年に2.3回しか東京に来ないのですが、どこかで名前を見かけた時はぜひその楽しいライヴを聴いてみてください。

次の曲は先ほどのメンフィス・ジャグ・バンドと双璧で有名なキャノンズ・ジャグ・ストンパーズのカバーです。

4.Prison Wall Blues/飯山ガキデカ・ジャグストンパーズ

彼らは他の仕事をちゃんとやりながらのバンド活動なのでなかなか思うようにならないこともあると思いますが、好きなバンドなので末長くやり続けて欲しいです。

全国にはガキデカ・ストンパーズのように仕事を持ちながら時折集まって練習して演奏し、アルバムを作って地元のイベントなどに参加しているバンドやミュージシャンがたくさんいます。故郷を大切にしながら頑張ってください。そしてアルバム出してください。

今日は京都の8823The Blues Bandと長野県飯山の飯山ガキデカ・ジャグストンパーズのアルバムを聞きました。

★飯山ガキデカ・ジャグストンパーズのアルバム購入はこちらをご覧ください→https://gstomp.theshop.jp/items/43114480 (R.M.O Records)

★8823The Blues Bandのアルバム購入はこちら→http://8823blueskyoto.blogspot.com/search/label/CD情報