2022.08.05 ON AIR

ブルーズに登場する動物たち

ブルーズ・パワー版「ブルース生き物図鑑」その1

Howlin Wolf /Howlin Wolf (Chess)
I’m a Rolling Stone-Louisiana Swamp Blues: Singles/Lightnin Slim(Excello / Jasmine )
The Best Of Rufus Thomas(Rhino)
Soul Pride/James Brown (Polydor)

ON AIR LIST
1.Little Red Rooster/Howlin’ Wolf
2.Rooster Blues/Lightnin Slim
3.Do The Funky Chicken/Rufus Thomas
4.Walkin’ The Dog/Rufus Thomas
5.The Chicken/James Brown

私のエッセイ”Fool’s Paradise”が連載されている「ブルース&ソウルレコーズ」誌で少し前に動物をテーマにしたブルーズの特集というのがあった。
題して「ブルース生き物図鑑」
ブルーズの歌詞にも注目した楽しくためになる内容で読まれた方もいらしゃると思うが、今日は動物がブルーズの歌詞に出てくる曲というのを聞いてみようかと思います。
動物ネタのブルーズで自分が最初に思い浮かぶのは、ハウリン・ウルフの”Little Red Rooster”。歌っているハウリン・ウルフのウルフがすでに狼ですが・・。
“I Have A Little Red Rooster・・・”と歌が始まりますが、「この赤い雄鶏は怠け者で暴れん坊で出て行ってしまう。どうしょうもないい奴なんだけどいてくれないと困るから、帰ってくるように伝えてくれ」という歌。どうしょうもない奴なんだけどいないと困る奴ってたまにいます。例えば酒癖が悪いんだけど仕事ができる奴みたいな、女癖が悪いけど仕事ができる奴。でも、いい奴なんだけど仕事ができない奴というのも困りますが。
南部の農園では鶏は大切な動物で卵を産んでくれるだけでなく、アフリカン・アメリカンの料理の中でいちばん多い食生活の要です。

1.Little Red Rooster/Howlin’ Wolf

1961年にシカゴ・ブルーズの重鎮、ウィリー・ディクソンが書いた曲でハウリン・ウルフが歌ったのがオリジナル。その最初はLittle Red RoosterではなくてThe Red Roosterというタイトル。その2年後にサム・クックがカバーしてLittle Red Roosterというタイトルで発表するとR&Bチャート2位に上がるヒットになり、そこからLittle Red Roosterという曲名の方が定着したみたいです。
もう1曲、Roosterと言えばギターの上に乗った鶏の絵がジャケットになったライトニン・スリムの”Rooster Blues”というのがあります。どんな曲だったか忘れてもこのアルバムの鶏の絵がすぐ浮かんできます。
Roosterというのは「色男」という意味もあるようでこの”Rooster Blues”も英語のHen、つまり雌鶏を口説いてるような歌です。
1959年R&Bチャート23位まで上がったこの曲がライトニン・スリムの唯一のヒット。

2.Rooster Blues/Lightnin Slim

英語では雄鶏がRooster 雌鶏がHen その両方を意味するニワトリという時はChicken
そのChickenを使ったブルーズの曲もロスコー・ゴードンの”The Chicken”ほかあるのですが、自分が真っ先に思い出すのはニワトリの鳴き声から始まるルーファス・トーマスのこのファンキーなダンス・ミュージック”Do The Funky Chicken” 

3.Do The Funky Chicken/Rufus Thomas

1969年のリリースでR&Bチャート5位まで上がったヒット。
ルーファス・トーマスは動物ネタ、特に犬(Dog)のネタが多くてThe Dog(63年)、Can Your Monkey Do The Dog(64年)とかSomebody Stole My Dog(64年)とリリースしていますが、その中でいちばん有名なのがローリング・ストーンズもカバーした”Walkin’ The Dog”(63年)。

4.Walkin’ The Dog/Rufus Thomas

1969年に「メンフィス・カントリーブルーズ・フェスティバル」というコンサートに出演した時のルーファス・トーマスのライヴ映像がYouTubeに上がってるので貼り付けました。
いま聞いてもらったテイクより新しいのでかなりファンキーになっていて強力です。バックのバーケイズも最高です。https://www.youtube.com/watch?v=cI4oLzQaeuw
最後にちょっとブルーズから離れますがファンキーついでにジェイムズ・ブラウンのインスト曲”The Chicken”もすごく印象に残るクールな曲。日本のバンドもよく演奏します。
1968年ジェイムズ・ブラウン全盛期、ドラムにクライド・スタブルフィールド、サッックスにメイシオ・パーカー、ギターにジミー・ノーレンなど最強のメンバーのクールなイントスナンバー。曲を作ったのはサックスのピーウィー・エリスですがこの録音では彼はオルガンを弾いてます。

5.The Chicken/James Brown

この動物ネタのブルーズ、面白いので来週も続けることにします。
8/17にこの番組の15周年を記念し、スポンサーの青南商事さんの創立50周年を記念したぼくの初の弾き語りアルバム”Kick Off The Blues”がリリースされます。
10インチレコードですが、中にダウンロード番号が入っているのでアナログ、デジタル両方で聴けるアルバムです。HPご覧ください。