2023.11.03 ON AIR

カウント・ベイシーが楽団がブルーズをスイングさせたニューアルバム

Basie Swings The Blues/Count Basie Orchestra(BSMF 5122)

ON AIR LIST
1.I’m A Woman/Count Basie Orchestra((Featuring Shemekia Copeland,Buddy Guy
2.Let’s Have A Good Time/Count Basie Orchestra(Featuring Mr.Sipp)
3.The Midnight Hour/Count Basie Orchestra(Featuring Robert Cray)
4.Boogie In The Dark/Count Basie Orchestra(Featuring Bobby Rush)

1936年に創設されたジャズの名門オーケストラ「カウント・ベイシー・オーケストラ」は、84年にベイシー亡き後も受け継がれ現在はトランベッターのスコッティ・バーンハートがバンマスとなり演奏活動を続けている。現在はメンバーが18人程度ということ。こういう大所帯のオーケストラを維持して行くのは大変ですが、日本はじめ世界中にカウント・ベイシー・オーケストラのファンは根強くたくさんいる。そのオーケストラが今年10月になんとニューアルバム”Basie Swings The Blues”をリリース!
色々なブルーズが多彩なゲストを迎えて録音されている。ジャズ・オーケストラとしては元々ブルーズ・テイストの強い楽団で、かってはジョー・ターナー、ダイナ・ワシントンはじめ多くのジャズ・ブルーズ・シンガーがこの楽団をバックに歌いました。
まずは変わらぬパワフルな歌を聴かせてくれる女性ブルーズ・シンガー、シメキア・コープランド。ハーモニカのチャーリー・マッセルホワイトが参加し途中のギターソロはバディ・ガイ。

1.I’m A Woman/Count Basie Orchestra(Featuring Shemekia Copeland,Buddy Guy)

私のバンド、ブルーズ・ザ・ブッチャーの新しいアルバムを持っている方なら「おっ、この曲」と思ったかも知れません。今の曲はマディ・トリビュートの今回の僕らのアルバム”Feel Like Going Home”に録音したマディの”Mannish Boy”が元歌だ。”I’m A Man”と歌うところを女性なので”I’m A Woman”にして歌詞も変えています。オーケストラ用にアレンジが加えられていますが、ホーンアレンジも良かったし何よりシメキアの歌がしっかりしているので聞き応えがあります。バディ・ガイのギターよりチャーリーのハーモニカをもっと出した方がよりブルース・テイストになってよかったかも。

次の曲は今回このアルバムで初めて知った気に入ったミュージシャン。1曲目のLet’s Have A Good Timeでフィーチャーされている Mr. Sipp。本名はカステロ・コールマン。1976年生まれですからまだ47歳。両親とも音楽をやっていて彼はずっとゴスペル・フィールドでギターを弾いていたそうだが、B.B.キングに強い影響を受けてブルーズを始めたということ。
全くノーマークで知らなかった人ですがいいブルーズマンだと思います。偉そうですが・・。

2.Let’s Have A Good Time/Count Basie Orchestra(Featuring Mr.Sipp)

ミスター・シップはマラコ・レコードからリリースされた最新のアルバムでは南部色の強いソウルを歌っているが、ジョニー・テイラーやリトル・ミルトンのようないわゆるブルーズン・ソウル・シンガー。歌もギターもすごくいいのでまだまだ期待できます。いい曲といいプロデューサーに出会えればもっと話題になり売れるミュージシャンになるでしょう。

次は今やすっかりブルーズ界の大御所になったロバート・クレイ。調べたらもうクレイも70歳。こういう大編成のオーケストラをバックにしたクレイの歌もなかなかいい。というか、こういうオーケストラをバックにしたジャズ・ブルーズ・アルバム出して欲しいです。ギターも相変わらず快調でそろそろ来日も。
「真夜中に寂しい、不幸せな気分だ。愛する女に全て捧げたのに愛も残さず彼女は行ってしまった」

3.The Midnight Hour/Count Basie Orchestra(Featuring Robert Cray)

今の曲のオリジナルは1961年にリリースされたThe Genius Sings the Blues というレイ・チャールズのアルバムに入っています。

このアルバムには共同プロデューサーとしてドラマーのスティーヴ・ジョーダンの名前が入っているが、共同プロデューサーってなんだ?いう感じですが、ドラムは叩いていなくてミュージシャンを選んだり、曲を選んだりそういう参加の仕方みたいだ。参加ミュージシャンはあとケブ・モ、ジャズギターのジョージ・ベンソンとシンガーのジェイミー・デイヴィス、女性シンガーのベティ・ラヴェットなど。
次は大好きなボビー・ラッシュ。彼のニューアルバム ”All My Love For You”も再来週あたりにON AIRする予定。こういう企画もののコンピレーションにも彼が呼ばれているのはファンとして嬉しい。

4.Boogie In The Dark/Count Basie Orchestra(Featuring Bobby Rush)

バンド・リーダーであり今回のアルバムのプロデューサーでもあるトランぺッターのスコッティ・バーンハートは、制作するにあたりブルースの生まれたアメリカ南部のミシシッピを旅したということです。ブルーズのもつディープなところを知りたかったのでしょう。それでミシシッピ・ブルーズの偉人チャーリー・パットンの名前をつけた「パットン・ベイシー・シャッフル」というオリジナルのインストルメンタル曲も収録されている。
このアルバムは10/20に日本のBSMFレコードからリリースされています。こういうオーケストラをバックにしっかりしたホーン・アレンジで演奏されるブルーズも最近少ないので是非聞いてもらいたいオススメの一枚です。
Basie Swings The Blues!